悪い予感が的中した不幸と、未来への希望を感じた幸福と。

このブログに予想を書くとロクなことがない・・・と分かっていながら、書いてしまった自分の責任というべきか。

有馬記念の結果は、皆様ご承知のとおり。
三冠馬オルフェーヴルが堂々の「四冠」達成で、年度代表馬を事実上確定させたのみならず、シンボリルドルフナリタブライアンと肩を並べる歴史上の名馬へと仲間入りする一方で、筆者が推したトーセンジョーダンは、オルフェーヴルのみならずトゥザグローリーにも差され、僚馬2頭の後塵を拝する5着、という結果となってしまった。

一応掲示板には載ったとはいえ、途中までスローな展開で、前残りを狙うには絶好の展開のようにも思えただけに、何とも残念。ただ、残り1000mくらいから一気に上がったペースに翻弄されて、か、他の先行馬もブエナビスタヴィクトワールピサルーラーシップと、枕を並べて惨敗していることを考えると、これでもまだ馬を誉めてあげた方が良いのだろうけど・・・*1

ちなみに、2着・エイシンフラッシュ、3着・トゥザグローリーと、忘れられかけていた人気馬が上位に飛び込んできたのは、ちょっとした波乱というべきなのだろうが、冷静に考えれば、有馬記念(というより、大レースに共通する鉄則というべきか)の鉄則の一つに、

「戦前に二強対決、と煽られると大抵一頭だけ勝ち残り、もう一頭は大コケしてヒモ荒れになる」

というのもあったわけで、これを忘れていなければ・・・と今さらながらに後悔している*2

*1:ブエナビスタの惨敗は想定の範囲内と言わざるを得ないだろう。やはり、JCの激走は引退を控えた古馬牝馬にはつらかったはず。レース後に行われた引退式でこの馬に向けられた声援が温かかったのが唯一の救いだった。

*2:こうやって、ところどころで肝心な時に、大事なことを忘れてしまうから、回収率がなかなか上がらない(苦笑)。もちろん、これも“記憶ゲーム”としての競馬の妙味の一つだったりするのだけれど。

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新世代の台頭だけが印象に残った全日本。

ここのところ、年末の恒例となっている全日本フィギュアスケート選手権大会。
今年は、クリスマスシーズンと重なったこともあり、一層華々しい大会・・・となるはずだった。

だが、これまで日本の「看板」を支えてきた選手たちの見せ場といえば、男子ショートプログラム高橋大輔選手が4回転-3回転を見事に決めて、(国内相場とはいえ)驚異的なスコアを叩き出したところくらいまで。

男子のフリーでは、悠々と逃げ切れる立場にあったはずの高橋大輔選手が、まさかのミス連発で、技術要素点で小塚、羽生の両選手に10点以上差を付けられてしまう*1、という締りのなさ。

長年積み重ねたブランドがものをいう演技構成点の方で、スコアを整えて何とか逃げ切り優勝を果たしたものの、冒頭から11点台を付けるジャンプ*2を連発した羽生結弦選手(フリー首位)の内容の良さと比べてしまうと、真のチャンピオンとして復活した、というには、疑問符がつくような結果だった。

また、女子に至っては、優勝候補の筆頭といっても過言ではなかった鈴木明子選手が、ショートプログラム冒頭のコンビネーションジャンプ失敗で、上位に大きく水をあけられての3位。

そして、ショートではまずまずの成績を残していたはずの浅田真央選手、村上佳菜子選手が、フリーになって、まさかの大失速・・・。

女子フリーの演技を技術構成点だけで順位付けすると、↓のような感じになるのだが、

宮原知子65.59
佐藤未生59.16
鈴木明子56.87
浅田真央54.43
庄司理紗53.69
今井遥 53.25
大庭雅 52.25
鈴木春奈51.75
友滝佳子51.65
村元哉中49.03
村上佳菜子48.21

我が国を代表するトップスケーターが、ジュニア世代ど真ん中の中学生コンビの後塵を拝し、シニアの世界選手権への出場まで果たした“ホープ”と目される選手が、上位ベスト10にも入れない・・・というのは、(いくらフィギュアスケートが技術だけのスポーツではないといっても)もはや惨状というほかあるまい*3

浅田選手も、男子の高橋大輔選手と同様に、コンポーネンツの方で過去の実績貯金があるから、最終的には逆転できることにはなる。とはいえ、明らかに納得いくような滑りではなかった鈴木明子選手のスコアすら下回ってしまう、フリー2位、という成績は、女王としては明らかに物足りない、というしかないだろう。

今の日本のメディアは、前回の五輪以来、とにかく浅田選手には同情的な論調が強いし、今大会に至っては、母親の死、という衝撃を乗り越えて出場したこと自体評価する傾向にあるから、細かいところまで突っ込んで批判するような報道は、恐らく皆無に近いと思われる。

だが、(某局の実況によれば)「自分の選択で」トリプルアクセルを回避し続けた、という今大会での彼女の選択*4や、いくつかの失敗を経て集中力を欠いてしまったかのように見えた終盤の演技などに対しては、もう少し厳しい指摘があっても良いのではないかな、と素人ながら思った。

もちろん、批判が出そうなところでちゃんときっちり結果を残して雑音を封じる、というのが、浅田選手の強さであり、特別なところではあるので、今年の世界選手権では、モヤモヤを吹き飛ばすような演技を見せてくれると信じてはいるのであるが・・・。

*1:高橋選手は74.65点、羽生選手は88.59点、小塚選手は84.87点。

*2:4回転トゥループで小塚選手と並ぶ11.90点、さらにその次のトリプルアクセルで加点2.60が付いて11.10点。さらにトリプルアクセルからの3-3-2のコンビネーション(17.09点)も後半冒頭で決める圧巻の演技(着氷の瞬間の場内のどよめきがテレビの向こうからも伝わってきた)だった。

*3:村上選手の場合、初めて首位で迎える全日本のフリーで最終滑走者、という厳しい状況に置かれたことに同情すべき余地はあるのだけれど、それでもここまで崩れてしまうと・・・。

*4:今はまだ、これまでの実績がモノを言って、世界でもトリプルアクセルなしで高得点を叩き出せるだろうが、ソチ五輪のシーズンにもなれば、ロシアの若い娘たちがピョンピョンとハイグレードなジャンプを跳びまくることは大いに予想できるわけで、かつての村主章枝選手のように、あっという間に世界に太刀打ちできないポジションに追いやられてしまうリスクは誰にも否定できない。

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