たかが研修、されど研修

企業内の法務部門の仕事の中で、比較的大きなボリュームを占めることが多い仕事であるにもかかわらず、「研修」に関するノウハウが専門誌等で正面から取り上げられる機会は多くない。

だが、そんな中、BLJの最新号が「いま必要なのは伝わる法務研修」と銘打った企画を打ち、実に30ページ近い紙幅を割いて、11種類のパターンの「研修事例」を取り上げている。

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2014年 06月号 [雑誌]

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2014年 06月号 [雑誌]

通して読めば分かる通り、それぞれの事例ごとに場面もテーマも異なるものが多いし、似たようなテーマのものであっても、執筆された担当者の“好み”や所属する会社のスタイル(?)によって、掲載されている研修技法は大きく異なっている*1

したがって、この企画自体が、何らかの統一された「ベストプラクティス」を導いてくれるわけではなく、あくまで様々なサンプル事例を見ながら、自分がこれからやろうとする研修に一番マッチするものはどれか、というのを考えていく作業はどうしても必要になってくる。

それでも、ターゲット、研修趣旨に加えて、時間配分からスライドのビジュアルまで、「研修」に慣れていない企画サイドの担当者が具体的なイメージを掴むのにちょうど良い、と思われる仕上がりになっており、さすが“実務に最も近い法律雑誌”BLJの面目躍如、といった企画ではないかと思う。

*1:一例を挙げれば、研修用のパワーポイントのスライドに「クリップアート」を使うべきかどうか、という点ですら、執筆されている各担当者の発想は異なっているように読める。

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