企業法務

ささやかな波乱の末に~令和元年改正会社法成立

ここしばらく、界隈で盛り上がっていた会社法改正案が、本日の参院本会議で可決され、成立した。 「政府が今国会の重要法案とした改正会社法は4日午前の参院本会議で可決、成立した。上場企業の社外取締役の設置義務化や、株主総会資料のオンライン提供の導…

どうせなら「枝葉」ではない議論を。

著作権法に限った話ではないかもしれないが*1、重要な法改正の話は得てして「夕刊」に載る。ということで、今日も昨年から続いている「ダウンロード違法化」絡みの記事が日経紙夕刊の社会面に掲載された。 「文化庁は27日、漫画などを海賊版と知りながらダウ…

「訴訟」は最善の解決策ではない。

知財、それも特許庁所管分野の領域の政策決定に関して、”異常事態”が起きている、という話を耳にしたのは、かなり前のこと。当時、自分が受けた印象は、一部の急進的な与党議員と政治色の強い所管官庁のトップが暴走している、というものだったし、嵐のピー…

全く同感、な英国発のコラム。

今やJAPANの日経新聞の傘下に入っている英国の名門紙、フィナンシャル・タイムズ。そんな関係もあって、彼らのコラムが日経の紙面を飾るようになって久しい。そういったコラムの多くは、いかにも英国的な、”知的面倒くささ”(笑)に満ちていて、一見するとベ…

始まったのに使えない悲しさ

先週末、朝刊の1面を飾ったニュースを見て、自分の心は一気に沸き上がった。 「シンガポールの配車サービス大手グラブは18日から同社の配車アプリを日本でも使えるようにする。日本交通系の配車アプリ大手ジャパンタクシー(東京・千代田)と連携し、ジャパ…

広げ過ぎた風呂敷をたたむとき。

前週の電撃統合発表から1週間も経たないうちに、正式に「基本合意」のリリースが出された。 「ネットサービス「ヤフー」を展開するZホールディングス(HD)とLINEは18日、2020年10月に経営統合することで基本合意したと発表した。ネット企業としては日本最大…

「1+1」で「2」になるか?

昨日から世の中を賑わせている「一大経営統合」のニュース。 「検索サービス「ヤフー」を展開するZホールディングス(HD)とLINEが経営統合に向けて最終調整に入った。LINEの対話アプリの利用者は約8千万人で、ヤフーのサービスは5千万人に上る。金融や小売…

「ONO」と「MOMO」の間にあるもの

先週、世を騒がせた「小野市消しゴム事件」。確かに「MONO」消しゴムを連想させるデザインであることは明らかなものの、ロゴに関してもデザインの配色に関しても、商標法の世界では明らかに「セーフ」な話なわけで、自分が最初にこの件に関する記事を見たと…

「社歌コンテスト」を横目で見ながら思うこと。

日経新聞の本紙では特に話題として取り上げられてはいなかったと思うのだが、 「NIKKEI全国社歌コンテスト」 なるイベントが今日8日から、ひっそりと始まっている*1。審査員の欄には懐かしい川嶋あいさんのお名前もあるし、最優秀賞に輝くとJOY SOUNDでカラ…

「写り込み」権利制限規定の拡充をめぐる同床異夢?

日経新聞の土曜日の夕刊に、著作権法改正絡みの記事が登場した。 「文化庁は2日までに、スマートフォンでのスクリーンショット(画面保存)やインターネット上の生放送・生配信に他人の著作物が偶然写り込んでも違法とならないことを、著作権法で明示する方…

そして混乱の舞台は北に移った。

小池東京都知事が「都民のために戦う!」と怪気炎を上げていた「東京五輪マラソン・競歩札幌移転問題」。前日には、 「専門家は「IOCはマラソンの中止や東京の五輪開催剥奪という最悪の事態もあり得る」と危惧を示す。」 ※最悪の場合「東京開催」剥奪も!? …

最近の法律雑誌より~2019年11月号(ジュリスト、法律時報)

先月は慌ただしさにかまけて思いっきり飛ばしてしまったこの企画だが、今月は刺さる記事、特集が多かった、ということもあって復活させてみる。 特に読んでおきたいのは「ジュリスト」だろうか。 ジュリスト2019年11月号(1538号) ジュリスト 2019年 11 月…

指揮官の力。

本当は週末に書こうと思っていたのに、慌ただしさにかまけてグダグダしている間に数日経ってしまったネタ。土曜日に名将・エディ・ジョーンズヘッドコーチ率いるイングランド代表がオールブラックスを完膚なきまでに叩きのめした姿を見て、そして、その数時…

これが新しい時代の権利制限規定。

ここのところ、プライベートで法律のこと考えたくない、というくらい、どっぷり条文だの、条文になる前のあれこれだのに漬かっていて、結果、このブログも、”気分転換専用”みたいになっているのだけど、やっぱりこの話題だけは触れないわけにはいかないだろ…

「所有」がリスクになる時代

台風19号は日曜日の昼には温帯低気圧になって消えたが、残した爪痕は日を追うごとに大きく伝えられるようになってきている。特に堤防が決壊し、広範囲にわたって水に浸かってしまっているエリアは、地元の人間でさえ今日くらいからようやくおそるおそる家に…

日本人ノーベル賞受賞の報を聞くたびに思うこと。

ここ数年、毎年のように理系分野では受賞者が出ているノーベル賞。そして、今回は、自分が科学への好奇心をもって生きていた時代の新技術、しかも企業に長く在籍していた開発者の受賞、ということもあって、自分のような門外漢にとってもインパクトの大きい…

勇気を出して、小銭を捨てよう!

消費税率引き上げからはや1週間。世の中で暴動が起きているわけでもないし、自分自身、そんなに高い買い物をしたわけでもないし、ということで、引き続きほとんど実感なく過ごしている状況ではあるのだが*1、そんな中、さすが日経、という感じの記事が出た。…

”タブー”を乗り越えて。

前日のエントリー*1に対するあれこれのリアクションを拝見していると、「総務系」の仕事の闇の深さは日本中至るところで共通する話なのだな、と改めて実感する。そして、「総会屋対策」にしても「談合」にしても、それまで常識のように行われていたことに対…

その”辛抱”は誰の、何のためだったのか・・・?

ここ数日、ホットに盛り上がってしまっている関西電力役員らの金品受領問題。今朝の朝刊では、 「関西電力の役員ら20人が福井県高浜町の元助役から金品を受領した問題で、関電は2日、社内調査報告書を公表した。受領の総額は3億1845万円相当で、豊松秀己元副…

「2%」のアヤ

経済評論家から市民運動家まで、SNS上の匿名の声から街角のインタビューに答える人たちの声まで、いろんな方面からの恨みつらみが飛び交う中、淡々と、だが本来の予定(平成29年4月1日)を考えれば「ようやく」というタイミングで消費税10%引き上げが実…

野中郁次郎先生の至言。

今月の日経新聞の「私の履歴書」を一橋大学の野中郁次郎名誉教授が書かれているのだが、御年84歳、”Knowledge management”の理論で一時代を築かれた経営学の大家、しかも企業の現場を知り、そこからの米国留学で道を切り開いてこられた方、ということもあっ…

時代の流れとともに失われるものの寂しさと、未来への希望と。

○○エフェクト、って言葉が最初に囁きだされたのはいつ頃のことだっただろうか。確かにCDショップの衰退に始まり、Amazonの脅威の下で消えていく書店、小売店、といった類の話が米国発で世界中に広まってきていて、最近ではフォーエバー21、お前もか!という…

注目されるべきは「性別」などではなく・・・

知る人ぞ知る、だった元法務省人権擁護局長、前消費者庁長官が遂に・・・と思ったら、何か感慨深かった。 「政府は20日の閣議で、山本庸幸最高裁判事が9月25日で定年退官するのに伴い、後任に前消費者庁長官の岡村和美氏を任命することを決めた。」(日本経…

「個人」の刑事責任を追及することの難しさと虚しさ、そして模索すべき第三の道。

検察審査会ルートで強制起訴され、東京地裁で審理されていた東京電力福島第一原発事故に関する業務上過失致死傷被告事件の判決が出た。2015年7月の起訴議決に始まり、在宅起訴を経て、行われた公判は、2017年6月の第1回公判を皮切りに実に37回*1。事故からは…

上り坂?下り坂?あるいはまさか・・・?

日本が3連休に浸っている間に、サウジアラビアの油田がドローン攻撃を受け、産油量の日量半分が出荷不能になった、ということで原油価格は急上昇。 先週まで根拠なき9連騰に沸き立っていた東証日経平均も早々に下げに転じる・・・はずが、昨日もわずかながら…

「混同を生じさせる行為」をめぐる逆転判決

不正競争防止法2条1項1号該当性をめぐって争われた事件の知財高裁判決。ちょっと前に見つけたものではあるのだが、不競法絡みの事件としてはこれまでにあまりないジャンルの商品で、しかも原審(東京地裁)の判断が完全にひっくり返っている、という点でなか…

最高裁が示した「模範解答」

「諫早湾土地改良事業(土地干拓事業)」というフレーズは、自分が高校生の頃に「意識の高い級友が議論してたな」ということを「ムツゴロウ」の愛嬌ある映像と一緒に思い出すくらい古い記憶の中に刻まれている。その後、水門が閉じられ、「農業者対漁業者」…

「法務組織」から逆襲の狼煙が上がるとき。

ここ1,2年、「法務」の意義・役割・機能等々についてあれこれ話題になる機会が増えてきたこともあって、このブログでも、特に今年の春以降は、企業法務の在り方に関する機能論、組織論に言及するエントリーを上げる機会がそれなりにあったのだが、自分自身…

狂騒の末の「行政指導」は、この先何をもたらすのか?

先月来、随所に話題を振り撒き続け、既に個人情報保護委員会の勧告・指導も出されていた「リクナビDMPフォロー」問題に関し*1、今度は件の会社のコア事業を所管する厚生労働省(東京労働局)から、痛烈な行政指導が出た。 「就職情報サイト「リクナビ」を運…

「人の名」をブランドにすることの難しさ。

真夏に出た知財高裁の商標関係の審決取消訴訟の判決が最近アップされたようなのだが、ちょっと引っかかったので取り上げてみる。争点になっているのは、商標法4条1項8号(以下)該当性、ずばり、「人の名じゃダメなのか?」という問題。 第四条 次に掲げる商…

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