企業法務

何のための競争か?ということを考えさせられる結末。

メディア等で大々的に報じられた公正取引委員会によるGoogleへの「行政処分」。米国でもEUでも巨大プラットフォームに強い「圧」がかけられているこの時代に、日本だけ取り残されるわけにはいかない、という思いは当局関係者も強く持っていただろうし、既に…

最高裁の本音はどこに?~「共通義務確認の訴え」をめぐる判決の射程を考える上で

2010年代の初頭、「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」の構想が初めて世に出てきたとき、産業界は大いにざわついたし、そこに若干かかわっていた自分にもいろいろと思うところはあった*1。幸いなことに2016年の施…

またしても、の公表。

すっかり毎年の恒例行事となった感のある「優越的地位の濫用」に係るコスト上昇分の価格転嫁円滑化に関する調査とその結果を踏まえた事業者名の公表。今年も公正取引委員会のリリースにより、気の毒な10社の名称が公表されている。www.jftc.go.jp調査対象と…

きな臭さしか感じないニュース。

前の週のうちから既にリーク記事は出ていたから、事柄自体にそこまでサプライズはなかったのだが、実際に出た「処分」の中身は想像以上にしびれるものだった。LINEヤフー社に対する総務省の行政指導。 「総務省は5日、情報漏洩が相次いでいるLINEヤフーを行…

そろそろ不毛な議論に終止符を。

「生成AIと著作権」に関する議論は先日のエントリーでも取り上げたばかりではあるのだが*1、今日の朝刊の「経済教室」に、早稲田大学の上野達弘教授による「著作権法の権利制限規定を”諸悪の根源”であるかの如く批判する近時の見解」を鮮やかなまでに斬る論…

消えないモヤモヤ

バズワードになって久しく、最近では世界中で政治の世界でのアピール材料にすらされている感のある「生成AI」。確かに現在の殺伐とした世界情勢を考慮すれば、情報倫理的観点から「いかに悪用されないようにするか」を考えることには意味があると思うし、昨…

勇気ある発言?

ここ数年、ずっと気になっていたことをバサッと切ってくれて溜飲が下がったというか何というか・・・という記事が一つ。日経紙の朝刊に載っていた有識者コメントで構成されるコラムで、時流に乗って「製造業不正、どうただす」というタイトルになっているの…

とどまるところを知らない「改革」の先にあるもの

「市場区分の見直し」に端を発した東京証券取引所の「改革」が、昨年あたりからよりピッチを上げて加速しているような気がする。日経平均の数字が史上最高値を超えそうな勢いにまで上昇を続け、国内外の機関投資家からの手ごたえも良い、ということもあるの…

トラウマを抜け出した先に光は見えるか

例年なら元旦の日付のエントリーで「・・・占う」をネタにいろいろと書いていたのだが、今年に関して言えば、自然災害に事故、と立て続けに危機イベントが続いていたこともあって*1、何となく躊躇していた。とはいえ、「テレビを付ければ箱根駅伝」な正月に…

今年もまた通り過ぎて行ったこの季節

法曹界にとっては長らく「年末の風物詩」となっている「企業法務税務・弁護士調査」。今年も12月初めくらいから電子版で記事が飛び、月曜日の日経法税務面を3週くらいにわたってジャックしてフィナーレを迎えようとしている。恒例の「ランキング」自体は最初…

藪の中で始まり、終わった戦いは何を残したのか。

今月初めに報じられたものの、詳細に不明な点が多かったためにしばらく寝かせていたのが↓のニュース。www.nikkei.comこれが出る直前に「一部の事件で結審、損害論に入らなかったため日本製鉄側の敗訴濃厚」という趣旨の記事*1が掲載も出ていただけに、原告側…

「株式上場」の持つ意味

株式市場への上場をめぐっては、今年の夏以降の「プライムからスタンダードへの移行雪崩」のような事象もあったし、MBOによる非公開化の例だけでも、東芝を筆頭に最近では決して珍しいことではなくなっているから、そんなに驚くことではないのかもしれないが…

セルフジャッジの危うさ

そろそろ秋の気配も・・・という期待むなしく、外を出歩けば依然として蒸し暑さだけが襲ってきたこの三連休。そして、そんなさ中のラグビーW杯。連休最終日の早朝にはプールDで戦う日本代表にとっては最大の強敵、イングランド戦もあったのだが、4年前とは違…

遠き大地に思いを馳せながら。

今年も現地に行こう、と思っていながら、諸般の事情で果たせずZOOMと向き合っていた週末。 一日一日はあっという間に過ぎていくのに、登壇したのは遥か昔のことのように思えてしまうのは何でだろう・・・と不思議な感覚に襲われたりもした。セミナーの講義の…

まだ続いていたのか・・・というニュース。

「グレーゾーン解消制度」に投げ込まれたストレートな問いかけに対し、法務省が発したごく自然な回答によって法務クラスタの一部が大騒ぎしたのはもう1年以上も前のことだ。当時の騒動の様子は、↓のエントリーに生々しく記したのだが、自分の中ではもうとっ…

後味が悪すぎた「株主総会2023」の幕切れ

まさにシーズン真っただ中の間は、振り返る暇もなかったのだが、今年も「6月総会」のシーズンが終わった。メディア等で報じられていたとおり、年々増加基調にある株主提案が今年も多くの会社を翻弄したし、NCHDでの増配提案が可決されたり、壮絶な打ち合いの…

見出しは人を惑わせる。

ここ数か月、新聞に踊る見出しとその中身とのギャップにずっと戸惑い続けていたものがあった。3月に閣議決定され、通常国会に提出された「不正競争防止法等の一部を改正する法律案」。よくありがちなパターンで、法律案のタイトルには「不正競争防止法」しか…

最後の審判が下される日は来るのだろうか?

金曜日の午後、知財クラスタを俄かにざわめかせたドワンゴ対FC2の知財高裁大合議判決。本来であればすぐさま反応すべきところだったのだろうが、自分はそれを横目で見ながら土曜日にゆっくりと朝刊を開き、ようやく事の概略を知った次第。 「動画配信サービ…

権利侵害申告も簡単にはできない時代。

昔から同じように提供されているサービスでも、時代が経つにつれて運用がいつのまにか変わっていることもある。昨年出されたYouTubeの著作権侵害通知をめぐる損害賠償請求事件の判決*1に接した時もちょっとした衝撃を受けたものだが*2、今度はAmazonのサイト…

応用美術の著作権をめぐる議論への更なる一石。

今週が学会ウィークだから・・・というわけではないが、再び著作権関係のネタを。単なる偶然だとは思うが、「応用美術」の著作権が争われた事件の判決は春に出ることが多い。それまでの常識を覆したかに思われた「TRIPP TRAPP」の知財高裁判決が出たのは8年…

何をいまさら・・・な「見解」に思う

ここしばらく「生成AI」という言葉を目にしない日はない気がする。ChatGPTが付けた火は、瞬く間に世界中に広がって燃え上がり、遂にG7の舞台まで浸食するに至った。確かに「もっともらしい文章(的な)表現」をする機能に関して言えば真新しさはあるが、アウ…

止まらないこの流れ。

連休の合間に、GW前までの動き、ということで紹介した「スタンダード市場選択申請」の動き。k-houmu-sensi2005.hatenablog.com3月14日に㈱マイネットが初めてこのタイプのリリースを出した時は、追随する会社が出てくるのはもう少し先の話かな、と思っていた…

変わらない日常。

連休が明け、そしてとうとう「新型コロナ5類移行」の日がやってきた。政府からこの方針が発表されたのは数か月前のことで、それはすなわち、長年世界中を翻弄したCOVID-19を「普通の感染症」とする、という評価がその時点でほぼ固まっていたということに他な…

去るも残るも・・・。

連休の間に、しばらく見られていなかった最近の各社の適時開示資料を眺めていたら、現プライム市場上場会社が「スタンダード市場」選択へ舵を切る事例が相当数出てきていることに気付いた。今年の初めに東証が「経過措置打ち切り」の方針を示した*1時点で想…

投下された格好の素材?

まさか憲法記念日に合わせた、ということではないのだろうけど、いろいろと考えさせられるリリースだった。JRAのオフィシャルニュースより。 「2023年4月23日(日曜)第1回福島競馬第6日において、開催日における騎手の不適切な通信機器(以下、スマートフォ…

繰り返される愚挙には何度でも警鐘を。

またか・・・と思わされたニュース。 「大手総合商社「双日」の社員が同業他社から転職する際に営業秘密を不正に持ち出した疑いがあることが25日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁は同日までに東京都千代田区にある双日の本社などを不正競争防止法違反…

歓迎する市場の風がこのまま吹き続けますように。

先の週末の間に行われた日銀総裁の交代劇。前々から決まっていた話とはいえ、ワンパターンな”緩和”に固執し続けた末に、最後まで思い描いたような結果を出せなかった前総裁。 最後の最後に物価だけは想定を超えて急上昇し”帳尻を合わせた”形にはなったが、物…

世間の水を怖れるなかれ。

前にも書いたが、「春」と聞いて思い出すのはいつだって↓である。春~spring~アーティスト:Hysteric Blueソニー・ミュージックレコーズAmazonこの曲の儚いトーン同様、決して風のぬくもりほど心が温まらないのは、四半世紀経った今でも「入社式」前後の陰鬱…

安住できる地などどこにもない。

多くの会社で決算期末を迎える3月。個人投資家にとっては、配当を取るか、それとも配当取り狙いの投資家が殺到して値上がりしたところで益を確定させるか、その辺の駆け引きも出てくるタイミングなのだが、そんなささやかな思惑を吹き飛ばすかのように相場は…

久々に見た「ストライキ」のフレーズに思うこと。

「春闘」という言葉を聞かなくなって久しい昨今だが、今年の春季労使交渉の結果は、実に衝撃的なものだった。日本を代表する大企業が提示する回答は、金額も賃金改定率も自分が気にし始めてからは見たことのないような数字で、会社によっては満額どころか労…

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