企業法務

目指していた到達点はここなのか?

次から次へと著名企業を巻き込んで出てくる”五輪スポンサー疑獄”に世の中が騒然としている中で、9月も最終日になって突如出てきた「寿司チェーン営業秘密不正使用」事件。そしてあれよあれよという間に、東証プライム上場企業、カッパ・クリエイト株式会社の…

情報提供サイト上での商標使用をめぐる”紙一重”の判断。

諸般の事情で、今年に入ってから商標法26条1項各号周りの判例、文献を調べる機会がやたら多くなっているのだが、最近アップされた裁判例の中にも、商標法26条1項6号をめぐって興味深い判断が示されている事例を見つけたので、備忘代わりに挙げておくことにす…

常識は簡単に覆る。

日本では短い一週間、なれど、世界的には金融市場が大きくうねっていた中で、一日に二度も”あり得ない”ことが起きた。一つ目は、この世界的な利上げラッシュの中で、わが国の中央銀行が下した「大規模緩和維持」の判断。これまでの黒田総裁の強気すぎる振る…

一つの「決断」の重み。

何も世の中で多くの人々が一息ついている三連休の中日に、こんな記事載せなくてもよいのに・・・と思ったのが、日経紙朝刊1面の↓の記事。 「中部電力やオリックスなど複数の日本企業が東芝に出資する検討を始めたことが17日、わかった。東芝は株式非公開化を…

「銀行振込」は絶対的な選択肢なのか?

よほどの”記事日照り”だったのか、なぜか昨日、日曜日の朝刊の1面に載ったこの記事。 「政府は給与をデジタルマネーで受け取る制度を2023年4月にも解禁する方向で最終調整する。労働者側は決済アプリの口座に直接給与が入り、日常の買い物に使える。世界に遅…

拡張される「保護」と、そのエンフォースメントに向けられる疑義。

週明け早々、我らが日経紙の1面に躍る記事を見て、ひっくり返りそうになったのは自分だけだろうか。昨今のトレンド、「フリーランスの保護」もここに極まれり、といった感じのニュースである。 「政府は組織に属さずフリーランスとして働く人を下請法(略)…

誓いは時を超えて。

夏も終わりを迎えつつある2022年8月末、一つの仕事を終えての感想を言葉にするなら、「感無量」というのはこういう時のことを言うんだな、ということになるだろうか。ここ1,2年、講演や研修の機会もそれなりにあったが、対面で実施できたのは「社内限定」と…

「TOKYO2020」の傷跡。

先月くらいからくすぶっていた”疑惑”は、今週、関係者逮捕という事態を経て連日報じられる「事件」となった。東京五輪組織委員会元理事に対する金銭の授受。今のところ、受託収賄の嫌疑をかけられている元理事側はもちろんのこと、贈賄側も賄賂性の認識につ…

「正論」が常に正しいとは限らない。

すったもんだの末に、東証の市場再編が実行されたのは今春のこと。それから四半期が一つ過ぎ、「プライム」とか「グロース」といった呼び名も何となく馴染んできた気もする中で、JPX主催の「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」の第1回が先月末に…

約款規定を超えた対応の功罪。

今月初めに起きたKDDIの大規模通信障害。所管官庁の猛烈なプレッシャーもあってのことか、原因究明のための調査は急ピッチで行われ、月も変わらないうちに”総括”ともいうべきリリースが出された。 「KDDIは29日、2日に起きた通信障害で携帯電話などが利用し…

住宅地図の著作権侵害をめぐる地裁判決より。

事柄としては5月に遡る話だが、先月に判決が公表され、それをしばらく経ってから読んでみたらいろいろと示唆に富む争点も潜んでいた、ということで、住宅地図の著作権侵害をめぐる事件の判決を取り上げてみる。www.zenrin.co.jp リリース全文はhttps://www.z…

「責任追及」より先に考えるべきこと

先の週末から、何日にもわたって続いていたKDDIの通信障害がようやく「全面復旧」した、と報じられたのは昨日の夕方のことだった。 「KDDIは5日、2日未明に起きた大規模な通信障害が全面的に復旧したと発表した。4日午後にデータ通信と音声通話の利用は「ほ…

振り返れば転換点、なのかもしれない「株主総会2022」

今年は、シーズンがひと段落するギリギリまでかかわっていたこともあって、”振り返り”もなかなかできないまま過ぎていった「6月総会」のシーズン。全体的な傾向としては、すでに以下のエントリーでもまとめた通りで、株主提案を受けた会社がとにかく多かった…

いつかブーメランにならないように。

世界の潮流に乗り遅れるな、とばかりに、最近では紙面を開けば「巨大IT」バッシング施策がどこかに載っている、というような状況になりつつあるのだが、これもその一つ。 「日本で事業を展開する海外IT(情報技術)大手が法人登記をしていない問題で、政府は…

「アルゴリズム」東京地裁判決は令和2年3月報告書をも越えたのか?

6月16日の夕方に飛び込んできた一報は、様々なところへと波紋を広げている。 「グルメサイト「食べログ」で評価点が不当に下がり、売り上げが減少したとして、飲食チェーン店がサイト運営のカカクコムに約6億4000万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が16日…

あと一歩まで追い詰めた、その先に。

気が付けばもう記事を見てから1週間・・・という古新聞ネタになってしまうのだが、幸か不幸か今日は新聞休刊日、法務面もお休み、ということで、それでは・・・とばかりに先週のネタを取り上げてみることにしたい。日経紙の法務面を飾っていたのは、以下のよ…

「回答」の読み方

今週の半ばくらいから、突如として盛り上がりを見せた「AI契約審査サービスは違法」騒動。いわゆる「グレーゾーン解消制度」での法務省の回答(https://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/shinjigyo-kaitakuseidosuishin/press/22060…

紺屋の袴は何色だ?

今年も多くの会社で年に一度の大イベント、「株主総会2022」の季節が佳境に差し掛かろうとしている。かくいう自分は、といえば、今、様々なルートで送られてくる総会招集通知の山に埋もれてあたふた・・・というところ。 仕事の関係で送っていただいたものも…

これぞ信念。

今月、日経紙で「私の履歴書」を書かれていたのは、マンガ家の里中満智子氏だった。自分にとって、これまでは、里中氏の書かれた漫画それ自体の印象よりも、「里中氏がマンガ家を代表して文化審議会著作権分科会の委員として活躍されていた」ということの印…

民事訴訟法改正のささやかな余波。

「民事裁判手続IT化」を旗印に進められてきた民事訴訟法の改正が、国会での改正法の可決成立により一つの節目を迎えた。 「民事裁判をデジタル化する改正民事訴訟法が18日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。訴状の提出から口頭弁論、裁判記…

「対前年比」の罠。

緊急事態宣言も、まん延防止もなかった今年のゴールデンウィークは、久々にどこに行っても結構な人出だった。個人的なことを言えば、コロナ前なら、GWで長めに休みを取れる時はさっさと国外に逃亡していたし、そうでなければ、あえてどこに行くにも高くつく…

省かれたディテールにも意味はある。

何となく”平時”に戻ったムードも強かった今年のGWだったが、後半の三連休最後の日に紙面に掲載された海外発のオピニオン記事を読んで、つかの間の享楽ムードも一気に吹っ飛んでしまった。www.nikkei.comコメンテーターは米シカゴ大学教授のラグラム・ラジャ…

試される知財部。

昨年のコーポレートガバナンス・コード改訂と、それを受けた極めて”局地的な”盛り上がりに対しては、当時このブログにも記したとおり、自分は一貫して懐疑的な目を向け続けている。k-houmu-sensi2005.hatenablog.comそんな中、皆忘れかけた頃に燃料を投下し…

決して忘れてはならないこと。

この国を襲った新型コロナ禍は昨年、一昨年と、式のリアル開催をストップさせただけでなく、本来伝えられるべき追憶の記事のスペースすら奪っていた。 だから、関係者ならずとも”風化”を懸念せざるを得ない状況だったりもしたのだが、ようやく、である。www.…

変えるために必要なこと。

一瞬盛り上がってはや鎮火・・・の気配もあるが、今週一番ドタバタしていた話題といえば、やはり某「丼」チェーンの件だろう。こういうことが起きると、「コンプライアンス」の文脈で語ろうとする人が必ず出てくるのだが、本来、「コンプライアンス」という…

「四半期報告書」廃止の意味。

世の中は丼屋の話で盛り上がり過ぎているようで、すっかり埋もれてしまった感もあるが、長年の懸案だった”多重開示”問題が改善に向けてようやく動き始めた。 「金融庁は18日、金融審議会の作業部会を開き、上場企業が開示する2種類の決算書類を一本化するこ…

実務サイドからさらに斬り込んだ「放映権」へのアプローチ~ジュリスト2022年4月号より

時代は変わった。プロ野球中継(もっぱらパ・リーグのみ)は、テレビではなく「Yahoo!プレミアム」で見るようになって久しい。サッカーといえば今やDAZNの独壇場で、加入していなければW杯予選すら見られない時代になってしまったし、逆にこれまでライブの映…

プライムでも、プライムじゃなくっても。

かれこれ3年近く、様々な関係者をザワザワさせてきた東証の新市場区分への移行が、本日、2022年4月4日、慎ましやかに行われた。日経紙は朝刊でこそ1面トップ記事で取り上げたものの、世の中の視線はキエフの惨状に向けられ、せっかくのセレモニーも夕刊では1…

結局は「やったもの勝ち」だったのか?

日経紙に長年連載されている『私の履歴書』。どんな分野でも功成り名を遂げた方の半生記が面白くないはずがないのだが、今月はジャストシステム創業者の浮川和宣氏の回、ということで、「一太郎」の栄枯盛衰を目の当たりにしてきた世代としては、なおのこと…

”梯子外し”もここまで来ると・・・

自分はファッションに疎い。だから、”ファッション・ロー”などと銘打った話ができる実務家や学者の先生方に対しては、ただただ畏敬の念しかない*1。だが、そんな自分も「ルブタン」のヒールの靴底が赤いことは知っている。別に国内外のドラマで主人公が履い…

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