企業法務

プライムより、プレミア?

月初めの記事*1でも触れたところだが、10月に入り、いよいよ来春の東証新市場区分に向けた様々なリリースが世に出てくるようになってきている。今ちょうどピークを迎えつつある2月期決算会社(含む5月期、8月期、11月期・・・)が、決算短信発表に合わせて市…

その責任は「取締役」が負うべきなのか?

大阪地裁が、会社法429条1項に基づき特許権侵害に基づく損害賠償責任を侵害会社の取締役に負わせた判決(大阪地判令和3年9月29日)が先日公表された。後述のとおり、会社に対して損害賠償請求を命じただけでは被侵害者の実効的な救済が図れないと思われるよ…

「経済安全保障」がバズワードになる前に。

長い長い「安倍・菅時代」が終わり、様々な動きが取りざたされた一週間だったが、組閣の過程等でもキーワードとしてチラホラ出ていたのが、 「経済安全保障」 という言葉である。これまでも、特定の政策に関して断片的に耳にする機会はあったフレーズだが、…

理屈では語り切れない話だからこそ。

いよいよ暦が9月から10月に変わり、今年も残り3か月を切った。 そしてそれが意味するのは、新市場区分への選択手続期限(2021年12月30日)まで残り3か月を切った、ということでもある。7月の東証からの「一次判定結果」の通知を引き金に、上場各社から間断な…

いよいよベールを脱ぎ始めた民法・不動産登記法大改正

アップされた当日は疲労困憊で資料まで目を通す余裕もなく、ただただ「キツネが可愛い・・・」という素人以前のコメントしか出てこなかった「所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し」に関する解説資料*1。「令和3年民法・不動産登記法改正、相…

笑い話では済まなかった商標の世界の仁義なき戦い。

「ZOOM」というオンライン会議ツールの名前を初めて聞いたのは、「COVID-19」の脅威が囁かれ始めてから間もない頃だっただろうか。自分も早々に使い始めたのだが、リンク用のURLアドレスをクリックするだけで参加できる手軽さに始まり、家庭用のルーターでも…

「ショーケース」は誰のため?

今年の初めにはオーストラリアで話題になっていたし、フランスなどでもかなり激しいバトルが繰り広げられている様子は報じられていたから、てっきり海の向こうだけの話かと思っていたのだが、それはいきなりこの国でも始まった。 「米グーグルは16日、報道機…

嵐の前の熱狂。

ここのところ、どうにもこうにも落ち着かない。理由はいろいろあるが、その一つは間違いなく、日本の株式市場の「根拠なき上げ」だ。そもそも、五輪前後のゴタゴタに新型コロナの感染急拡大も相まって、日経平均が年初来安値*1を付けてからまだ1か月も経って…

広すぎる法改正をカバーするための一冊。

目を通してから記事にするまでにだいぶ時間が経ってしまっているが、先月発売のジュリスト2021年9月号の特集で「所有者不明土地と民法・不動産登記法改正」が取り上げられた。ジュリスト2021年9月号有斐閣Amazon縁あって少しこの法改正にかかわっていたこと…

何をそんなに期待しているのか。

何でこうなってるのか・・・と、先週末からずっと首を傾げっぱなしな自分がいる。東京市場の株価急騰。そろそろだろう…と思った今日も、依然として市場はヒートアップし、日経平均は瞬間的に30,000円台を超えた*1。理屈を聞けば、まぁそんなもんだろうと思う…

モヤモヤは解けたけど・・・。

先週末まで、記事が出るたびにずっとモヤモヤしながら眺めていた話題があった。昨年の通常国会で改正法が成立した公益通報者保護法の「指針」に関する話題である。 「政府は企業の不正を通報した人の保護を強化する具体策を記した指針をまとめた。通報した人…

またしても持ち出された「優越的地位の濫用」に思うこと。

水面下では既に動きがあったのかもしれないが、自分には初耳だったこのニュース。 「公正取引委員会は新規株式公開(IPO)時に企業が適切に資金調達できているかの調査を始めた。事前に証券会社などと決める公開価格と、最初に売買が成立した初値の差が欧米…

これが新しい時代の幕開けになるのか?~「バーチャルオンリー株主総会開催決定」の報に接して

産業競争力強化法の改正により、一定の要件をクリアすれば「場所の定めのない株主総会」が認められるようになる(産業競争力強化法第66条1項)、という流れになったことを受けて、改正法成立前から定時株主総会に”先取り”的に定款変更議案を提出する、という…

いつだって今日がDAY1~ブログ開設から16年を迎えて

このブログを初めて書いたのは2005年8月4日。だから、昨年は華々しく「15周年!」でエントリーを上げるはずだったのだが、新型コロナ禍下で慌ただしく日々が過ぎる中、まさかの失念。それまで毎年節目の日には何かしらかそれらしいことを書いていたのに、202…

劇的な回復とその先にあるもの。

前々から予想された通り、世の中、新型コロナか五輪か、という感じで、メディアはこの2つの話題一色(二色?)・・・という感じになってしまっているが、そんな中ひっそりと、だがよく見ると凄いことになっているのが、4-6月期の決算発表である。この一週間…

思いは受け継がれなければならない~「知的財産推進計画2021」に思うこと(後編)

連休前のバタバタ等もあって、前編*1をアップしてから少し日が空いてしまったが、「知財推進計画2021」*2の各論についても少しコメントしておきたい。といっても、ほとんどの項目が、いかにも抽象的でふんわりとした”政策のタマゴ”*3に留まっており、実にコ…

「会計限定監査役」の任務懈怠をめぐる最高裁の再逆転判決と、高裁に与えられた宿題。

昨日、7月19日、最高裁第二小法廷で、いわゆる「会計限定監査役」の任務懈怠の有無について一つの判断が示された。 「監査役設置会社(会計限定監査役を置く株式会社を含む。)において,監査役は,計算書類等につき,これに表示された情報と表示すべき情報…

危機感は理解できるからこそ~「知的財産推進計画2021」に思うこと(前編)

数日前の主催者の呼びかけで週末に急遽行われた「知的財産推進計画2021」*1の読み合わせ企画。www.youtube.comさすがにその場で読んで即興でコメントするのは荷が重い・・・と思って、直前に一通り目を通してみたのだが、毎年出されていたペーパーとはいえ、…

「プライム」移行に向けた喧騒の始まり。

東京証券取引所から、上場各社に対し「新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果について」という書面が届いたのは先週の金曜日のこと。前々から予告されていたことではあるし(※以下の資料の35~36頁参照。)、”当落線上”の会社であ…

混沌の中から見えてきた事実。

この事件を当ブログで取り上げるのは、これで3度目である。㈱ヒラノテクシードが製造販売した機械装置を用いた、外国メーカーによるポリイミドフィルム製品の製造販売が特許権侵害にあたるかどうかについて、特許権者の㈱カネカと、㈱ヒラノテクシード、さら…

何度看板を掛け替えれば、前に進むことができるのだろうか・・・。

ここに来て「猫も杓子も・・・」と言った感じで持ちきりなのが、「改訂コーポレート・ガバナンスコード」の話題*1。毎度のこととはいえ、ちょうど3月期決算会社が本格的に株主総会を迎えるタイミングで正式リリースされたものだから、どこの会社も必然的に想…

”タコ山”だって守られたい?~「TRIPP TRAPP」高裁判決から6年、いまだ見えぬ境界線。

最近、あまりこまめに知財系のニュースを拾いに行く、ということもできていなかったりするのだが、West Lawから飛んで来る最新の判例だけはなるべくフォローするようにしていて、その中に混じっていたのが「タコの滑り台」の著作権侵害をめぐる東京地裁の判…

海の向こうの”サプライズ”に思うこと。

ここに来て、これから何かとんでもないことが起きるんじゃないか、というくらい、あちこちで想像を超えた小ネタが日々生み出されている今日この頃なのだが、海の向こうからも随分派手なニュースが飛び込んできた。 「米国で企業の独占や寡占を厳しく取り締ま…

瞠目すべき成果を生み出したのはフォレンジックの進化か、会社法316条2項の威力か、それとも・・・?

さる6月10日に公表された「株式会社東芝 調査者」名義の調査報告書。 www.nikkei.com結論部分を斜め読みしつつ、100を超えるページ数(計121ページ)に恐れをなしてしばらく寝かせてしまったのだが、この週末に一通り目を通してみた。「調査者」という見慣れ…

文化を守る、ということの重さ。

著作権法の世界で常に引き合いに出される「パロディ」という領域。だが、この国では、政治風刺画からオマージュ、同人誌の世界に至るまでざっくりと一つにまとめられがちなこの領域について、より深く意識し、この国の著作権法の下でどう位置付けるべきか、…

次々と示される「補足説明」の説得力やいかに?

もう目前に迫っている、といっても差し支えない「株主総会2021」最大のヤマ、各社6月総会。多くの会社では招集通知の発送まで終え、日々送られてくる議決権行使状況のデータを眺めながらカウントダウンに入っているところだろうし、そんな中、役員の思い付き…

引き上げられたバーチャルオンリー総会のハードル?

季節はめぐり、今年も佳境に差し掛かりつつある「株主総会2021」。今月の半ばくらいからは、連日のようにどこかの会社で招集手続の開始を告げる取締役会が行われ、付議される議案がリリースされるようになり、今週に入ってからは「中3週間」を遥かに超えるよ…

令和3年著作権法改正と見え始めた潮流。

金曜日の夜、ひょんなことからYou Tubeの生配信に出演することになり、旬のテーマでお話をさせていただくこと、ざっと1時間くらい。その中のトピックの一つが、今週成立したばかりの「著作権法の一部を改正する法律案」だった。様々な事情があったのだろう、…

荒み切った世の落ち着きどころはどこにある?

先週とはうって変わって、今週は比較的天気が良い日が続き一気に夏のムードも増してきた。 本格的な夏の到来までには、もう一山、湿っぽい季節を超えないといけない、とはいえ、気分も仕事もヒートアップしていくそんな季節のはずなのに・・・。ここ何週間か…

見えてきた今年のトレンド。

毎度のことではあるが、この一週間も話題は「コロナ」であふれていた。思えば1年ほど前の”マスク”に始まって、”アプリ”から目下の話題の”ワクチン”まで、「何でそうなるの・・・!!」という突っ込みを入れたくなるような、これまで世界屈指の先進国と思われ…

google-site-verification: google1520a0cd8d7ac6e8.html