今日の日経に、
「円谷プロがウルトラマン商品の著作権めぐり中国で敗訴」
という記事が載っていた。
北京市のデパートで売られていたウルトラマンのキャラクター商品に、
タイの会社のクレジット(著作権表示)が入っていたことをことを捉えて*1、
円谷プロが著作権の「署名権侵害」なるものを主張し、デパートを提訴。
これに対し、「北京市第一中級人民法院」は、
同商品を製作した中国企業がウルトラマン関連商標を中国国内で取得していた
ことなどを指摘し、デパートのみを被告とするのは不適格と判断した・・・
そうである。
中国の著作権をちゃんと勉強しているわけではないし、
上の記事からだけだと、当事者の主張も十分には見えてこない。
そもそもなんで製作会社ではなくデパートを提訴したのか等々。
そもそもキャラクタービジネスの保護を
著作権のような司法機関の主観的判断に左右される権利だけに求めるのは危険で*2、
あくまで、商標と著作権の二本立てでカバーしていく、というのが鉄則のはずだが、
今回のケースでは、商標を既に押さえられてしまっている以上、
権利者としてはかなり厳しい戦いにならざるを得ない、ということになる。
本来の権利者の預かり知らぬところで、
勝手に商標を出願されてしまう*3のは、
腹立たしいことこの上ないが、
商標の登録に関して「独立の原則」*4や、
いわゆる「属地主義」*5がとられている以上、
国際的なライセンスビジネスを展開しようと思えば、
常にそういうリスクを念頭に置いておかなければならない。
単に模倣品の差し止めができないだけなら、
うべかりし利益云々の話で片付くのだが、
「クレヨンしんちゃん」のように、現地の商標権者に反撃を食らう可能性もあるから
恐ろしい*6。
もちろん、外国での著名商標を無断で出願したということであれば、
多くの国では登録無効事由になるのだが、
いかんせん無効審判の手続には時間がかかるし、
それが成功するとは限らないから、
結局は目先のビジネスを手直ししなければならないことになる。
うちの会社はそんなに派手に海外に展開しているわけではないが、
かといって全く外国で事業活動をしていないというわけでもないので、
決して他人事ではない。
でも、金と手間隙かかるんだよね・・・
国際出願って・・・