知財

こんな時だからこそ絶対に読んでおきたい一冊。

本来ならオリンピック開幕ウィークだった、ということくらいは知っていたものの、昨日今日が何の祝日なのかよくよく確かめもしないまま長期連休に突入し、日本中で花火が打ちあがる、というニュースに接して、ようやく 「そうか、本当なら今日が開会式になる…

ニュースと判決文を眺めただけでは分からない「リツイート最判」の本当の意義。

今年の春以降、全体的に裁判所の動きが悪くなっている中で、知財業界にインパクトを与えるような判決もあまり出てこない状況が続いていたのだが、ここにきて強烈なインパクトのある判決が出た。しかも最高裁から・・・。 「ツイッターでリツイート(転載)さ…

司法判断第2弾、それでも残るモヤモヤ。

裁判所が長らく閉まっていたこともあって、最近は新着の判決に目を通す機会も減っていたのだが、ここにきて徐々にアップされる数も増えてきている。ずっと追いかけている「色彩のみからなる商標」も、今年3月の第1弾判決*1に続き、今度は高部眞規子裁判長の…

「スタートアップ」に生き残るための武器は配られたのか?

先月末、日経紙に載った記事を見て思わずフライング気味に書いてしまったエントリーがある。k-houmu-sensi2005.hatenablog.comその時は、何だか腑に落ちない記事だなぁ・・・と思いながら読んでいたのだが、その直後に、公取委、経産省がそれぞれ”元ネタ”と…

最近の法律雑誌より~法律時報2020年7月号

なかなかゆっくりと情報をインプットする余裕もない今日この頃だが、先月末発売のこの雑誌のこの号に関しては、やはり書かないわけにはいかない、ということで、先週のジュリストに続いてエントリーを上げることにした。法律時報2020年7月号 通巻 1153号 平…

最近の法律雑誌より~ジュリスト2020年7月号

このブログでも長らく連日連夜「緊急特番」みたいな状況が続いていたのだけど、さすがにそろそろじっくりと法律雑誌を読めるような日常に近づけていきたいな、ということで、久々にこのざっくりとした標題を付けてみたり。ジュリスト 2020年 07 月号 [雑誌]…

掛け違えられたボタンの「直し方」への素朴な疑問。

土曜日の夜、日経の電子版に載った記事を見て、思わず「ん?」と首をひねりたくなってしまった。見出しからして、「知財活用で「新興いじめ」 大企業、無償要求や情報流出」だから、全く穏やかではない。そして記事の本文に踏み込むと、書き出しからして、 …

火蓋は切られてしまったが・・・。

昨年の夏くらいに少し話題になったのを最後に、しばらくは「訴訟になった」というニュースも出ていなかったので、落ち着いてくれたかな・・・とひそかに期待していたのだが、残念ながら事態は行きつくところまでいってしまったようだ。 「2018年にノーベル生…

「ダウンロード違法化」のひとまずの終着点

3年越しで議論されてきた「違法ダウンロード規制拡大」をめぐる動きが、改正著作権法成立という形で、ようやく一つの区切りを迎えた。 「漫画などの海賊版対策を強化する改正著作権法は5日、参院本会議で成立した。インターネット上に無断で公開された全著作…

特許よりも先に考えるべきこと。

流行が早い時期から始まった国ではようやく収束に向かいつつあるとはいえ、全世界的な鎮圧にはまだまだ程遠い新型コロナウイルス。そして、様々な名前の薬が浮かんでは、まだまだ・・・という評価が飛び交い、依然として決定打となるものが出てきていないの…

本当に残念な報を受けて。

月が変わり、先週まで「在宅」モードだった会社でも原則と例外が切り替わるところが結構ある、と聞いていたので、今朝は戦々恐々としながら街に出た。確かに、いろんなところで「先週よりは人多いな」と感じるところはあったのだけど、お昼、夕方、と時が過…

10年以上の時を超えて蘇った「社保庁の憂鬱」~新聞記事イントラネット無断掲載事件をめぐって

今どきそんなことをやっている会社はない、と言われてしまいそうだが、かつて、入社して間もない社員の朝一の仕事が「新聞の切り抜き」だった時代があった。かくいう自分も、初めて現場からデスクワークの職場に移り、「総務の何でも雑用係」だった頃は、朝7…

装い新たに一段とパワーアップした『プラクティス知的財産法』シリーズ。

目下、暦の上では「ゴールデンウィーク」。普段あまりカレンダーとは関係ない生活を送っている者にとっても、多少仕事のレスポンスが遅れても文句は言われない(はず)の、自分のためだけに時間を使える週間ゆえ、本来であれば、構想から一年以上温めてしま…

前向きな話に水を差すつもりはないのだけれど ~改正著作権法35条の施行を受けて。

平成30年著作権法改正で導入され、「授業目的公衆送信補償金制度」と題された改正著作権法35条の規定が、当初の予定より早く、昨日、2020年4月28日に施行された。 www.bunka.go.jpこのニュース自体は、コロナウイルス感染拡大の影響が深刻になり始めた先月か…

遂に出た「司法判断」~色彩商標制度創設から5年、初めての審決取消訴訟判決に接して

平成27年4月1日、商標法の世界に鳴り物入りで導入された「新しいタイプの商標」制度。特に色彩商標に関しては、「欧米に追い付く画期的な新制度」ということで、当時の特許庁の鼻息も随分荒かった*1。しかし、蓋を開けてみれば、想定を超える出願数に追いつ…

こんな時だからこそ目を向けたい今年の知財法の動き&マリカー知財高裁終局判決への雑感を少々。

年明け以降、なかなか知財関係の話題をフォローする余裕もなかったのだが、ここに来てようやく、『年報知的財産法』の最新号に目を通すことができた。年報知的財産法2019-2020発売日: 2019/12/18メディア: 単行本「知財年報」時代から通算して15冊目となるこ…

これが法解釈の限界なのか?~音楽教室 vs JASRAC 東京地裁判決に接して

2017年に紛争が表面化し、以来、足掛け2年以上にわたって争われてきた「音楽教室に対する著作権使用料請求が認められるかどうか?」という問題。当事者間の協議が平行線をたどったまま、JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)側が、「音楽教室における演…

これで遂に決着・・・なのか? ~ダウンロード違法化問題をめぐって

3年越しで議論が続いている著作権侵害コンテンツのダウンロード違法化問題は、既に舞台が審議会から「政治」の場に移っているのだが、そんな中、自民党内でまた一つ動きがあったようである。 「自民党の知的財産戦略調査会(林芳正会長)は3日、萩生田光一文…

「違法ダウンロード」規制拡大議論の終着点?

昨年からずっとモヤモヤした状態が続いていた「侵害コンテンツのダウンロード違法化」をめぐる問題だが、ちょっと目を離している隙に、どうやら検討会の報告書がまとまったようである*1。 「文化庁は16日、漫画などを海賊版と知りながらダウンロードする行為…

我々はこの山をどこまで登ることができるのだろう?~田村善之『知財の理論』との格闘の途中にて。

昨年の秋頃に公刊予定であることが発表されるや否や、SNS上でも「発売まで待てない!」*1的な声が沸き上がったのが、田村善之教授の論文集、『知財の理論』である。知財の理論作者:田村 善之出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2019/12/21メディア: 単行本自分…

どうせなら「枝葉」ではない議論を。

著作権法に限った話ではないかもしれないが*1、重要な法改正の話は得てして「夕刊」に載る。ということで、今日も昨年から続いている「ダウンロード違法化」絡みの記事が日経紙夕刊の社会面に掲載された。 「文化庁は27日、漫画などを海賊版と知りながらダウ…

「訴訟」は最善の解決策ではない。

知財、それも特許庁所管分野の領域の政策決定に関して、”異常事態”が起きている、という話を耳にしたのは、かなり前のこと。当時、自分が受けた印象は、一部の急進的な与党議員と政治色の強い所管官庁のトップが暴走している、というものだったし、嵐のピー…

全く同感、な英国発のコラム。

今やJAPANの日経新聞の傘下に入っている英国の名門紙、フィナンシャル・タイムズ。そんな関係もあって、彼らのコラムが日経の紙面を飾るようになって久しい。そういったコラムの多くは、いかにも英国的な、”知的面倒くささ”(笑)に満ちていて、一見するとベ…

「ONO」と「MOMO」の間にあるもの

先週、世を騒がせた「小野市消しゴム事件」。確かに「MONO」消しゴムを連想させるデザインであることは明らかなものの、ロゴに関してもデザインの配色に関しても、商標法の世界では明らかに「セーフ」な話なわけで、自分が最初にこの件に関する記事を見たと…

「写り込み」権利制限規定の拡充をめぐる同床異夢?

日経新聞の土曜日の夕刊に、著作権法改正絡みの記事が登場した。 「文化庁は2日までに、スマートフォンでのスクリーンショット(画面保存)やインターネット上の生放送・生配信に他人の著作物が偶然写り込んでも違法とならないことを、著作権法で明示する方…

最近の法律雑誌より~2019年11月号(ジュリスト、法律時報)

先月は慌ただしさにかまけて思いっきり飛ばしてしまったこの企画だが、今月は刺さる記事、特集が多かった、ということもあって復活させてみる。 特に読んでおきたいのは「ジュリスト」だろうか。 ジュリスト2019年11月号(1538号) ジュリスト 2019年 11 月…

これが新しい時代の権利制限規定。

ここのところ、プライベートで法律のこと考えたくない、というくらい、どっぷり条文だの、条文になる前のあれこれだのに漬かっていて、結果、このブログも、”気分転換専用”みたいになっているのだけど、やっぱりこの話題だけは触れないわけにはいかないだろ…

日本人ノーベル賞受賞の報を聞くたびに思うこと。

ここ数年、毎年のように理系分野では受賞者が出ているノーベル賞。そして、今回は、自分が科学への好奇心をもって生きていた時代の新技術、しかも企業に長く在籍していた開発者の受賞、ということもあって、自分のような門外漢にとってもインパクトの大きい…

「混同を生じさせる行為」をめぐる逆転判決

不正競争防止法2条1項1号該当性をめぐって争われた事件の知財高裁判決。ちょっと前に見つけたものではあるのだが、不競法絡みの事件としてはこれまでにあまりないジャンルの商品で、しかも原審(東京地裁)の判断が完全にひっくり返っている、という点でなか…

「人の名」をブランドにすることの難しさ。

真夏に出た知財高裁の商標関係の審決取消訴訟の判決が最近アップされたようなのだが、ちょっと引っかかったので取り上げてみる。争点になっているのは、商標法4条1項8号(以下)該当性、ずばり、「人の名じゃダメなのか?」という問題。 第四条 次に掲げる商…

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