知財

ビジネスで生き残るための「手打ち」

昨日の時点では、「これから始まるよ~」という雰囲気で記事になっていたクアルコムvsアップルの特許訴訟。www.nikkei.comだが、今日になって一転、全くトーンの異なるニュースが配信されている。 「スマートフォン(スマホ)向け通信半導体の知的財産をめぐ…

「平成30年度重要判例解説」より(その1)

タイガー・ウッズ復活優勝の話を取り上げようかどうか迷った末に、 今日は、こちらのネタで行くことにする。平成30年度重要判例解説 (ジュリスト臨時増刊)出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2019/04/11メディア: ムックこの商品を含むブログを見る年に一度、こ…

改めて問い直される「特許の価値」と「契約」の意味。

昨年、ノーベル生理学・医学賞受賞が発表された直後から、祝祭ムードを吹き飛ばすような緊張した空気が流れ続けている「オプジーボ」特許問題。そして、昨日の朝刊には、京大・本庶佑特別教授側が開いた、小野薬品を批判する記者会見の内容が掲載された。 「…

「新元号」騒動に思うこと。

その日(昨日)のうちに上げてもよかったのだが、さすがに一日明けてメディアの報道を見てからでよいかな、と思い一晩寝かせた新元号「令和」決定のニュース。朝刊トップ面での取り上げられ方は大体どこも似たようなもので、首相会見での命名要旨を一通り説…

これぞマッチポンプ。

13日の夕方から翌朝にかけて、巷を駆け抜けたホットニュース。 「政府・自民党は13日、違法ダウンロードへの規制を強める著作権法改正案の今国会提出を見送ると決めた。今夏の参院選を控え、規制に反発するネット世論に配慮した。規制対象を広げる内容に利益…

あの事件から2年4か月。

仮処分命令、保全異議で立て続けに差し止めが認められ、抗告審で覆ってようやく日の目を見る、という「第5版」の衝撃から気づけばもう2年余り。 そして、まもなく「第6版」が世に出ようとしている。著作権判例百選 第6版 (別冊ジュリスト 242)作者: 小泉直樹…

あれ、もう改正?

日経新聞の夕刊に、こんな記事が出た。 「文化庁の有識者会議は25日、著作権を侵害する海賊版サイトへの対策の最終報告を取りまとめた。インターネット上で海賊版が投稿されているサイトへ誘導する「リーチサイト」を規制するための刑事罰の新設や、無断投稿…

一冊の新書に込められた思い。

昨年の今頃世に出た、著作権を解説する一冊の新書がある。はじめての著作権法 (日経文庫)作者: 池村聡出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2018/01/16メディア: 新書この商品を含むブログを見る自分は、最初この本を店頭で見かけた時、カバーに「企…

「立法」の議論に参加する上で常に自覚しておきたいこと。

年末年始で少しまとまった時間が取れたこともあって、読もうと思って溜め込んでいた書籍やら雑誌やらにちょこちょこと目を通していたのだが、そんな中、近頃のモヤモヤした頭の整理にちょうど良い論稿を見つけたので備忘も兼ねてご紹介しておくことにしたい…

根拠なき「自由貿易」礼賛の陰で・・・。

長きにわたる議論と交渉の果てにようやく日の目を見たTPPが12月30日に発効する、ということで、今朝の日経新聞は「巨大な自由貿易圏」礼賛一色だった。その一方で、ひっそりと掲載されていたのが「知財ルール米離脱で凍結」という見出しの記事*1。 TPPの交渉…

アカデミーの歴史に「知的財産法」が刻まれたとき。

久しぶりに心の底から「素晴らしい」と思えるニュース。 「日本学士院は12日、生物が自分自身の体を食べるオートファジー(自食作用)の解明でノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典・東京工業大特任教授(73)ら9人を新会員に選んだ。人文科学部門は、…

3年の時を経て現実となった「色彩商標」への懸念。

今日の法務面に、何となく懐かしささえ感じる記事が載った。 「2015年の改正商標法施行で「音」や「動き」など新しいタイプの商標登録が可能になってから3年たった。いずれも審査の基準は高いが、特にハードルが高くなっているのが「色彩」だ。1つの色(単色…

懲りない特許庁の「意匠制度見直し」への執念。

5月末に「有識者研究会の報告書」なるものに接して、本ブログでもかなり痛烈な批判をしたつもりだったのだが*1、当事者はまだまだ本気でこの施策を進めるつもりらしい。 「特許庁が2019年の通常国会への提出を目指す意匠法改正案の全容が分かった。保護期間…

決断しないことがもたらす危機。

今年に入って、大規模な海賊版サイトの摘発があったことを契機に、悪質なサイトへの「サイトブロッキング」をめぐる議論が一気に盛り上がっている。遂に、政府も知的財産戦略本部にタスクフォースを立ち上げ、法制化に向けた議論を開始するようなのだが・・…

「世界のコレエダ」が発した警句。

先日のカンヌ映画祭で、遂に最高賞を受賞した是枝裕和監督。テレビの世界からキラリと光る作品を送り出し、そこから銀幕へと活動の軸足を延ばしていった(それゆえ、物語の“見せ場”を心得ていて、見る者を飽きさせない)、という点では、かつて自分が熱狂し…

「デザイン経営」という言葉の空虚さ。

今月半ばに日経新聞が「店舗デザインも保護 意匠権で特許庁方針」という見出しの記事*1を飛ばして以来、「有識者研究会」って何だ?一体何が起きるのか?と戦々恐々で眺めていたのだが、24日になって、それらしき報告書が経済産業省のホームページにアップさ…

“第四次産業革命”の断末魔のような法改正

不正競争防止法改正案が閣議決定された、というニュースが飛び込んできた。 経済産業省のページに飛ぶと、早速、いつものように新旧対照条文まで載っている。 (http://www.meti.go.jp/press/2017/02/20180227001/20180227001.html)相変わらず、特許法の一…

今さらの保護期間「70年」問題、再燃。

2016年の米大統領選の影響で12ヶ国によるTPPのスキームが崩壊し、既に成立していた著作権法改正案もめでたくお蔵入り・・・と思ったのもぬか喜びだったか。 日経紙に、2年前の議論を再び思い出させるような記事が掲載されている。 「政府は小説や音楽の著作…

今こそ「プッシュ・アンブッシュ!」と叫ぶとき。

近年は、オリンピックが近くなると、常に湧いてくる「応援したいけどできない」問題。 開会式が目前に迫り、そろそろ話題になるかな、と思ったら、やっぱり、という感じで日経紙にコラムが組まれていた。 「9日に開幕する平昌冬季五輪。スポンサー企業など…

それ、できなかったんだ!?という不可思議

ここ数年、“猫も杓子もビッグデータ”という時代になっていて、日経紙なんかでも必ずどこかにそれ絡みの小ネタが出ていたりするのだが、この記事にはさすがに驚いた。 「政府はビッグデータの利活用を促進するため関連法を一括改正する。弁理士法を改正して、…

すべて「海賊版」のせいなのか?

先週、日経紙に、「出版、砦のマンガ沈む」という見出しの衝撃的な記事が掲載された。 「出版科学研究所は25日、2017年の出版市場が前年比7%減の1兆3701億円だったと発表した。前年割れは13年連続で市場はピークの半分に縮んだが、関係者を驚かせたのはそ…

「知財」だけでは国は立たぬ〜特許政策15年の失敗〜

記事を見かけてから、少し時間が経ってしまったのだが、やはり一言釘を刺しておきたいところがあったので、ここで取り上げておく。 ターゲットは日経紙法務面の「知財立国は成ったか(上)」という特集(渋谷高弘編集委員担当)である。 「2003年3月に知的財…

「白猫」特許訴訟騒動を見て思うこと。

10日くらいから流れ始めた任天堂のコロプラに対する特許権侵害訴訟提起のニュース。 差止め、損害賠償請求の対象が、ゲーム業界の勢力図を変えた人気スマホゲーム「白猫プロジェクト」ということもあり、ネット上でも大きな盛り上がりを見せた*1。 「コロプ…

今年の法改正を見据えた一冊を忘れるなかれ。

年末恒例の「Business Law Journal」誌の「法務のためのブックガイド」特集。Business Law Journal(ビジネスロージャーナル) 2018年 02 月号 [雑誌]出版社/メーカー: レクシスネクシス発売日: 2017/12/21メディア: 雑誌この商品を含むブログ (2件) を見る今…

決して踊らすことなかれ〜日本の特許戦略が向かうべき道

ここ数年、知財業界をザワザワさせてきた「プロパテント・ルネッサンス」*1の動きも、左右両極の激しい水面下の攻防の末、ようやく落ち着きを見せてきた感がある。そんな中、毎度おなじみの一橋大・相澤英孝教授の論稿が『経済教室』に掲載された。 「次世代…

「高品質」神話の果てに。

連休中日に公表する、という王道の広報戦略で、ハレーションをできるだけ小さくしようとした努力もむなしく、燎原の炎のように燃え広がる一途になってしまっている神戸製鋼所の「品質データ改ざん」問題。これまでの断片的なプレス発表や報道だけでは、全容…

制度創設3年目の吉報?

2015年4月に鳴り物入りで始まった「新しい商標」制度だが、これまで度々、本ブログ上でもブーイングを浴びせてきたとおり*1、これまでの特許庁の審査運用は実に不愉快なものだった。今年の3月1日には、申し訳なさそうに、経済産業省が「色彩のみからなる商標…

本当に何かが違うのか?

最近、関心を惹かれるような記事が少なくなったなぁ、という印象も受ける日経紙の月曜法務面だが、7日付の特集は「VRとAR ルールは過渡期 」という見出しで、サブタイトルに「ポケモンGO」が入っていたこともあり、何となく読んでしまった。おおざっぱに…

悪意ある商標出願との終わりなき戦い

商標の世界で、「一部の出願人」が異常な数の、しかも、明らかに「他人の商品・サービス名」に便乗した迷惑この上ない出願を印紙代も払わずに行っている、ということが知られるようになって久しい。 あまりに露骨で有名になってしまったゆえに、最近では検索…

「店舗外観」をめぐる紛争に新たな一ページが開かれるのか?

年の暮れも押し迫った時期になって、「コメダ珈琲店の店舗外観が不正競争防止法で保護される」という強烈なインパクトのあるニュースが飛び込んできた。 27日に株式会社コメダホールディングスがプレスリリースを公表し(http://www.komeda.co.jp/pdf/info20…