最高裁裁判官に那須氏内定

「政府は27日、来月23日に定年退官する浜田邦夫最高裁判事の後任に弁護士の那須弘平氏の起用を内定した」(日経新聞2006年4月28日付朝刊第2面)

どうやらその後、正式に決定したらしい。


浜田裁判官といえば、
現在、光市の母子殺害事件の訴訟指揮で注目を集めている方だが、
平成13年5月の就任からはや5年、
町田最高裁長官に次ぐキャリアを誇る方だっただけに、
今後、どちらかといえば手堅い感もあった第三小法廷の判断傾向が
どのように変わっていくのか、注目される*1


那須氏の経歴を見ると、
昭和39年東大法卒、第二東京弁護士会副会長、日弁連常務理事を歴任、
東京大学法科大学院客員教授の肩書もお持ちである。
長野県出身、64歳。


泉徳治裁判官(とその影響を受けた第一小法廷)を見るまでもなく、
本来、最高裁裁判官個人のバックグラウンドや考え方が、
我が国の判例形成に大きな影響を与えるというのは間違いないところなのだが、
アメリカと違って、これまで最高裁裁判官人事が政治的に注目されることは
少なかったのではないかと思う。


これを国民的な司法への無関心の帰結と見るか、
少々の主義主張による揺れはあっても、基本的には「公平」な判断を下してきた
最高裁への信頼感ゆえと見るか、判断は難しいところ。


この国には、国民が直接最高裁裁判官を罷免できる制度もあるのだけれど・・・。

*1:特に藤田宙靖裁判官とのコラボレーションに期待。

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