法曹

覆った結論と、それでもなお残る懸念。

相手方の元社内弁護士が所属していた、というただその一点をもって、他の所属弁護士が当該特許権侵害訴訟の訴訟代理人となることを「排除」した決定が知財高裁から出されたのは昨年の秋のことだった。そして、自分は当時、この決定を 「企業内弁護士の将来の…

原点に還れぬまま行きつく先はどこなのか。

例年なら秋の風物詩、だが今年は新型コロナの影響で、”季節外れ”なこのタイミングでの発表となった。 「法務省は20日、2020年の司法試験に1450人が合格したと発表した。19年より52人少なく、政府目標の「1500人以上」を初めて下回った。同省は「裁判官や検察…

不思議な見出し。

「仕事納め」という迫りくるタイムラインを見据えながら、朝から晩まで超特急で突っ走る。それでこそ師走。そして、今週に入ってからどっぷりとそんな空気に迫っている。幸か不幸か、今年は「実質的には25日で終わりです・・・」という会社が結構多くて、ボ…

法務にできることは何なのか?を考えさせられる報告書。

数年前、五反田の土地を舞台にした、いわゆる「地面師」による大掛かりな詐欺事件が報じられたのはまだ記憶に新しいところである。一昔前、まだバブルの余波が残っていた時代(自分がまさに駆け出しだった頃)は、この手の話を耳にすることはそれなりにあっ…

「希望」の灯を消さないように。

「文化の日」くらいは文化的なことをしたい、と、珍しくAmazon Primeで映画を2本、さらにいろいろ節目のJBC2020の中継を見つつ、久しぶりの祝日を穏やかに過ごしていたのだが、その流れで、今日のエントリーではしばらく書けていなかったある本の読後所感も…

誕生した若き連邦最高裁判事をこれから待ち受けるもの。

連邦最高裁の最年長判事の訃報に接してエントリーを上げ、「後任選びはどうなるかな・・・」ということをボソッと書いたのは先月のこと。k-houmu-sensi2005.hatenablog.comあの時は、さすがの大統領も、それを支える共和党も、選挙を控えて多少は自重するの…

現役連邦最高裁判事逝去の報に思うこと。

日本でも大きく報じられた、現役連邦最高裁判事、逝去のニュース。 「米連邦最高裁判所は18日、リベラル派のルース・ギンズバーグ判事が膵臓(すいぞう)がんによる合併症のため亡くなったと発表した。87歳だった。11月の大統領選に向け、後任人事が最大の焦…

顕在化した「社内弁護士」のリスク~利益相反問題に関する高裁決定への疑問

特許権侵害訴訟に絡んで示された判断、とはいえ、これを「知財事件」というカテゴリーだけで括ってしまうのは狭すぎる、そんな極めてセンシティブな問題を孕む決定が、今年の8月上旬に、知財高裁から出されている。全ての弁護士にとっての最重要規範である「…

あらゆる仕事に通じる金言集。

ちょうど西の方の電力会社のコンプライアンス委員会が調査報告書を出した、というニュースが出ていて、そこでお名前をお見掛けしたこともあり*1、少し温めていた「この夏の一冊」を取り上げてみたい。既に多くの方がSNS等で取り上げており、好意的な感想も目…

運命の不思議。

まぁ、細かい解説は不要だと思うけど、本日の夕刊より。 「政府は14日の閣議で、検事総長に林真琴東京高検検事長(62)を充てる人事を決めた。稲田伸夫検事総長(63)は退官する。」(日本経済新聞2020年7月14日付夕刊・第3面、強調筆者) 世の中、企業でも…

消えるべきは「ハンコ」だけではない。

今年の春以降、これまで何度か取り上げてきた話題ではあるのだが*1、遂にここまで来たか、ということで、スピードの早さに驚かされるばかり。 「政府と経団連など経済4団体は8日、書面、押印、対面作業の削減を目指す共同宣言を発表した。3つの作業は企業の…

「先生のご見解」をあらぬ方向に一人歩きさせないために。

4月の初め頃に公表された「調査報告書」*1を一目見て以来、これはコメントしなくては・・・とずっと思い続けていた天馬㈱の「海外子会社において認識された不適切な金銭交付」をめぐる問題。自分は純粋に、ここ数年取り組んできていた「外国公務員贈賄規制」…

コロナが去った後に残るのは自由か、それとも・・・?

そういえば昨日は憲法記念日だったな、ということに今日になってから気付き、昨年暮れに衝動買いしていたことを思い出して読んだのが、以下の一冊だった。リベラル・デモクラシーの現在: 「ネオリベラル」と「イリベラル」のはざまで (岩波新書)作者:陽一, …

2年目の桜。

今日であれから1年。当日のエントリーは感情を抑えてごくごくサラッと書いたし、別のSNSではとてもポジティブな自分を演出していたが、内心は全く穏やかなものではなかった。k-houmu-sensi2005.hatenablog.com元々、40を過ぎても、一つの会社の肩書だけでし…

判決に付された「意見」に込められた裁判官の思い。

連日COVID-19の話題ばかりだと、さすがに自分がげんなりしてくるので、今日は直近の最高裁判決のご紹介を。最近はどの話題をしても「コロナ」が絡んできて、感染拡大防止のために傍聴席を半減させる*1などというニュースも出ていたりするのだが、そんな中、…

あの夏の記憶は、決して遠い日の花火ではないけれど。

歳のせいか、最近、回想エントリばかりで恐縮だが、さすがに自分も反応せざるを得なかったローカルネットニュースの記事がある。 「地下鉄東西線早稲田駅前の喫茶店「コーヒーハウス・シャノアール早稲田店」が1月13日、閉店した。」 (高田馬場経済新聞2020…

「逃亡者」をかばい立てするつもりは全くないのだけれど。

昨年末から今年にかけて、連日話題になってしまっている「カルロス・ゴーン逃走劇」。保釈中の被告人として日本で公判を待つ身だったはずなのに、年の瀬に突如としてレバノンから電撃的な声明発表。 やがて明らかになった逃走の手口は、プライベートジェット…

「法務機能」を企業の中で生き残らせるために、今すべきこと。

昨年11月、世に出た時には、SNS上でもかなり議論が沸騰したと記憶しているが、当時は日々忙殺されていたこともあって、まとまったコメントをするタイミングを逸してしまっていたのが、「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会 報告書~令…

「法務系 Advent Calendar 2019」の表裏を見ながら思ったこと。

ここ数年、すっかり年末(正確にはクリスマスへのカウントダウン)の企画として定着した感のある「法務系Advent Calender」企画。adventar.orgadventar.org 正直、そうでなくてもフリーな時間を確保するのが難しい12月*1、あらかじめ決められた日に向けたコ…

見え始めた世代交代の息吹。

今年も遂にやってきた年末の風物詩、日経新聞法務面の「企業法務・弁護士調査」。これで「15回目」ということだから、始まったのは2005年ということになるが、なんとも恐ろしいことに、このブログでは第1回*1から、多分一度も欠かさず、この年に一度の特集記…

「社歌コンテスト」を横目で見ながら思うこと。

日経新聞の本紙では特に話題として取り上げられてはいなかったと思うのだが、 「NIKKEI全国社歌コンテスト」 なるイベントが今日8日から、ひっそりと始まっている*1。審査員の欄には懐かしい川嶋あいさんのお名前もあるし、最優秀賞に輝くとJOY SOUNDでカラ…

注目されるべきは「性別」などではなく・・・

知る人ぞ知る、だった元法務省人権擁護局長、前消費者庁長官が遂に・・・と思ったら、何か感慨深かった。 「政府は20日の閣議で、山本庸幸最高裁判事が9月25日で定年退官するのに伴い、後任に前消費者庁長官の岡村和美氏を任命することを決めた。」(日本経…

「1500人」は死守された、が・・・。

今年も、新司法試験の合格発表のニュースが報じられた。2006年の第1回から数えて14回目。最初の頃はワイドショーで取り上げられるくらいの大イベント。新聞でも発表を報じるニュースは社会面を二面跨ぐくらいのスペースを占拠していたのだが、「新」司法試験…

組織を守り、育てるということ。

3月期決算で、今月株主総会を迎える会社では、取締役の改選に合わせて部門長クラスまで動く大規模な人事異動で”お祭り”状態になることも多い。 そして、中には「人」だけでなく、「組織」まで変わるケースもある。新聞の人事欄を眺めている限り、こと「法務…

Ruth Bader Ginsburg判事の人生と、これからの自分と。

よく考えたら、もう2年くらい出張の飛行機の中でくらいしか映画というものを見ていなかったな、ということに気が付いて、久々に映画館に足を運んだ。www.finefilms.co.jp86歳を迎えた現在でも、米国連邦最高裁で現役の判事として活躍されているルース・ベイ…

企業の「内部浄化」に期待することの虚しさ

小さい記事ではあるのだけど、ちょっと気になった「不祥事、監査役に優先報告 経産省指針 内部調査もみ消し防ぐ」という見出しの日経の記事。 「経済産業省が新たにまとめるグループ会社の企業統治(ガバナンス)に関する指針の内容が分かった。企業の内部監…

ちょうどシーズンなので・・・。

いい加減、毎日更新するネタが尽きてきたんじゃないか、という突っ込みも受けてしまいそうだけど、まもなく旧試験組には懐かしい「母の日」が来るし、週が変われば 今や新しくもない〝新試験”も始まる、というタイミングのようなので、改めて6年前の記事を上…

色褪せない良書とこの先の未来と。

今朝になっても新聞紙面にはまだ昨日の「改元」ムードが残っていて、Webメディアにもちらほら「令和」をタイトルに掲げた記事が載っていたりするので、あまり興味のなかった人まで思わず巻き込まれてしまいそうな雰囲気になっているのだけど、自分もここ数日…

「ルール」を作る、ということ。

この国で「新サービスによるイノベーション」と「規制」との緊張関係が話題になって久しいが、そんな中、この種の話題が好きな日経紙の法務面に、再び「新興ビジネス」と「ルール」に関する記事が掲載された。 「スタートアップや新しいビジネスに携わる団体…

やっぱり

自分が長年尊敬している師匠から褒められると、素直に嬉しい。 これまで地道につないできた人との絆を、よりポジティブな形で生かせる、ということほど魅力的な話はない。一方で、今日もまた新しい、とても貴重な出会いがあった。そんな出会いや再会を重ねれ…

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