2週目のデジャブー

先週のオークスで、「最初に信じた馬を信じつづけた者が勝った」という話をしたばっかりだったのだが、翌週のダービーも、また、同じような結果で落ち着くことになってしまった。

人気になっていたのは、ダービーで支持を集めること自体が珍しい青葉賞の勝ち馬・アドミラブル。
前走、同じコースを2分23秒台で走り抜けている上に、鞍上がミルコ・デムーロとくれば、ジンクスを気にせず・・・という気持ちも分からないではないのだが、3月に未勝利戦を勝ったばかりの馬が1番人気になってしまう、というのはやっぱりおかしいし、今年の3歳牡馬陣を頼りなく感じている世相がにじみ出ていたと思う。

一方で、皐月賞の時にも人気になっていたレイデオロ、スワーヴリチャードが、皐月賞馬・アルアインを抑えて、2番人気、3番人気に続く。
そして、この不思議な現象が、終わってみれば実にぴったりとはまった。

あまりのスローペースに耐えかねたルメール騎手&レイデオロが、1000m手前で大まくりを見せる、というダービーらしからぬレース展開、青葉賞にはもちろん、オークスの勝ちタイムにも遠く及ばない2分26秒9という勝ちタイム。年明け2戦目、というデータ党には絶対買えないようなローテを採用した上での勝利。

全てが異例づくめなだけに、後々、「歴史に残る凡戦」として語り継がれることになってしまう可能性もあるのだが、それでもダービーを勝てば「ダービー馬」なわけで、もうダービーは捨てたのでは?と思われていた藤沢和雄調教師に、ルメール騎手、馬主であるキャロットファーム、と、初めての美酒に湧いた関係者は決して少なくないはず。

個人的には、前週の教訓を全く生かせず、皐月賞の勝ち馬(アルアイン)と、ダービー一本勝負の“惑星”(サトノアーサー)に目移りしてしまったがゆえに、皐月賞の時に推していたスワーヴリチャードの馬券を取り逃す、という失態を犯してしまうことになったわけだが、今年のクラシック前半戦が美しい法則で締めくくられた、ということへの満足感の方が今は大きい。

これから夏を越して、新たな惑星に期待を寄せることになるのか、それとも再び「信じる者は・・・」的な結果になるのかは分からないのだけれど、3歳世代で年度を代表する馬が誰になるのか、今はまだ全く想像もつかない状況だけに、まだまだ宝探しの楽しみは続くかなぁ、という感じである。

google-site-verification: google1520a0cd8d7ac6e8.html