棚からぼた餅〜米連邦最高裁長官人事

今日の朝刊を読んでいてぶったまげたのは、
米連邦最高裁長官にジョン・ロバーツ・ワシントン連邦高裁判事が
指名されるというニュース。


先日亡くなったレンキスト長官の後任となるのだが、
ロバーツ判事は先日まで最高裁「判事」として上院の承認待ちだった方で、
それが前長官の死去により急遽「長官」に指名変更というわけだ。


現地の報道はよく知らないが、新聞を読む限りは、
穏健保守派として、党派を問わず議会でも支持を受けていたようである。
だが、それなら、とスライドさせてしまうあたりが、
いかにもブッシュ大統領らしい発想。


何せ、60代の方々が揃う連邦最高裁で、若干50歳の「長官」を指名するとは、
おそらく小泉さんといえどもできない芸当だろう。
保守強硬派のレンキスト氏の後任選びが議会でもめるのは分かりきっているから、
早めに・・・ということなのだろうが。


連邦最高裁判事は終身制なので、このまま行けば、
あと30年近くロバーツ氏は最高裁長官として君臨することになるのだろうか・・
自らの党派的な思想信条を判決に反映することが当然の前提になっていたり*1
かの国の司法制度は、自分たちの理解を超えるものがある。
細々と国民審査でお茶を濁す平和な日本国の市民でよかった、
と思う数少ない瞬間である*2

*1:だからこそ、最高裁判事の指名承認をめぐって、議会で激しくもめることになる。

*2:こと、司法制度に関して言えば、日本はアメリカより遥かに優れた制度を擁していると思う。陪審制しかり、政治任用しかり、法解釈の世界に民主主義的要素を持ち込むことは、結局は司法の場を借りた少数者集団の抹殺につながりかねない。

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