利益相反

おそらく、法科大学院生の皆さんは法曹倫理の時間で習うのかもしれないが、
クライアントを抱える職業の掟として、「利益相反禁止」というものがある。


自分の会社が日頃頼りにしている巨大弁理士事務所は、
ある技術分野で業界大手の企業をクライアントに持っているために、
その分野に関しては、当社からの出願依頼や相談ごとを決して受け付けようとはしない。


弁護士の場合も同じで、
四大事務所がいかに巨大化しても、
彼らだけで全ての仕事を抱え込むことは不可能である。


近年、時代に取り残されていたうちの会社でも、
いわゆる四大事務所と少しずつパイプを築く試みを続けている。
だが、これまでの顧問弁護士との間に築いてきたような全面的な依存関係を
彼らとの間に構築することは決してないように思う。


なぜなら、多くのクライアントを抱える彼らはいざという時に「信用できない」、
という思いが、担当者の心の片隅に引っかかるからである*1


また、どんな会社でも、事務所の「主なクライアント一覧」の一番上に
自分の会社の名前が載るような事務所を一つは抱えておきたい、と思うものである。


これからの弁護士大競争時代に、小さい事務所が生き残っていくための秘訣は、
そのあたりに隠されているような気がする。

*1:そもそも、細かい民事案件を処理させるにはあまりに「巨大」過ぎて小回りが利かない、という致命的な弱点を彼らが抱えているのも一因ではあるのだが。

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