11日の日経新聞夕刊の1面に、
米アップルコンピュータの「iPod」などの携帯デジタル音楽プレーヤーの販売価格に著作権者への補償金を上乗せするかどうかを論議していた文化審議会の法制問題小委員会は11日、「現行の補償金制度は問題点が多く、現時点で課金することは適切ではない」という報告書案をまとめ、大筋で了承した。
という記事が掲載されている。
「私的録音録画補償金制度」については、
以前から制度の存在自体に疑念を投げかける声が多く、
音楽業界側が提起していた「ハードディスク内蔵型録音機器等」の
追加指定についても、批判の声はかなり上がっていたようである。
文部科学省のサイトには、
まだ11日の審議内容が掲載されていないため、
詳細については、現時点ではコメントできない。
だが、審議経過報告の段階では、
「賛否をめぐり,現時点では,特定の結論に意見を集約するには至らなかった。」
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/05090806/010.htm)
とあるため、
その後の短い審理期間を経て、
どのような価値判断によって結論を出すに至ったのかは、
興味深いところである。
音楽複製目的での購入か否かにかかわらず
一律に補償金を徴収することの公平性の問題*1、
また、そもそも「私的複製」として著作権が制限される領域に
著作権者が踏み込んでくることの問題*2など、
詰めていくと、確かにいろいろと問題は出てくるのだが、
個人的には、個々のソフトに煩わしいコピーコントロールをかけられるよりは、
機器を購入する際に、「ざっくりと」補償金をかけてもらって、
権利関係については全部チャラにしてもらった方が、
気分的には楽である*3。
そもそもハード機器の価格なんてあってなきが如くなのであって、
ユーザーにとっては数%の補償金分のコストは、
量販店の値下げとキャッシュバックで吸収できるのだから・・・*4。