大躍進

一昨日、司法試験の最終合格者発表が行われている。


法務省のサイト(http://www.moj.go.jp/)を見ると、
毎年恒例の大学別合格者数というのが掲載されていて、
その数字から、なかなか興味深い“大躍進”事象を目にすることができる*1


かなり悪趣味だが、
以下、H15→H16→今年の順に並べてみる。


大阪大  32人→45人→57人
同志社大 29人→30人→48人
名古屋大 14人→26人→32人
北海道大 23人→16人→30人
立命館大  9人→23人→26人
法政大   8人→12人→22人


こうしてみると、
地方の旧帝大(七大)と古豪私立校の躍進の傾向が顕著である。


また、この数字が関係者に相当のインパクトを与えているということは、
謙虚なことで知られる北大法学部出身の先輩が、
「自分があと10年遅く入学していたら、司法試験に受かっていたかも」
とのたまわれることからも、容易に推測できるのである(笑)。


これが、大学側の熱意と努力によるものなのか、
学生の“当たり年”が何年か続いたことによるものなのか、
それとも、大学の近所に有力な予備校が進出したことによるものなのかは、
定かではない。


だが、難関資格を突破するためには、
個人の能力だけでなく、周囲の雰囲気も重要である。


そして、

100人の学生を輝かせるには、その100人全員に教えを授ける必要はない。その中の才能のある1人に教えを授け輝かせることができれば、(才能はないが)熱意のある10人が後に続いて同じような輝きを放つようになる。そうなると、才能も熱意もさほどない残りの89人も、大半は、先に進んだ11人に追いつくために勝手に努力し始めるから、結果として全体のレベルは上がる。

という理論に照らすなら*2
上記の大学の“大躍進”は、今後も形を変えてしばらく続いていくだろうから、
これから“プロ”の法律家を目指す方々は、
上記のような大学の存在を常に意識しておかれるのが、
よいのではないかと思われる。


学部に行くにしても、法科大学院に行くにしても。


もっとも、上記“大躍進理論”が常に正しいとは限らない。


慶應義塾大 123人→170人→132人
京都大   116人→147人→116人
明治大    33人→ 46人→ 28人
東京都立大  7人→ 13人→ 4人


・・・・。


ダイエットにはリバウンドが付き物である。

*1:ちなみに、そもそも大学教育と直接の連関性がないはずの司法試験の結果(東大法学部で授業を受けたからといって簡単に受かる試験ではないし、逆に法学部がない大学であっても、予備校や独学でしっかり攻略メソッドを叩き込めば、受かる可能性のある試験でもある。)を合格者の「出身大学」と結びつけて発表する意味を、自分は未だに理解できない(笑)。試験関係者の中に内部にこだわりをお持ちの方がいらっしゃるのだろうが・・・。

*2:赤門とピロシ先生が名物の某大学が既に何十年にもわたって実証している。

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