埼玉の田舎クラブになんて移籍してんじゃねーよ・・・、とため息を付いたサポも多いだろう。
「サッカー日本代表MFの阿部勇樹(25)がJリーグ1部(J1)の千葉からJ1浦和へ移籍することが12日、確実になった。阿部は同日、代理人とともに千葉市内で淀川隆博社長と会談し、移籍を了承された。」(日経新聞2007年1月13日付朝刊・第33面)
クラブ側の公式HPにも、1月12日付けでコメントが掲載されている(http://www.so-net.ne.jp/JEFUNITED/tools/cgi-bin/view_news.cgi?action=view&nid=2637)。
1998年に“16歳333日”という当時の最年少記録でJ1出場を果たして以来、ジェフ暗黒の時代の希望の灯として堅実に実績を積み重ね*1、ここ数年は名実ともにチームリーダーとして活躍していた阿部選手。
あれだけの選手だから、いつかは旅立っていくだろう、という予感はしていたのだが、それが欧州の強豪クラブじゃなくて、よりによって“レッズ”っていうところに割り切れない気持ちが残る。
誰もが認めるJ随一の技術を持ちながら「キャプテンになる前は積極的にフリーキックを蹴ろうとすらしなかった」といった具合に、慎重な性格を物語るエピソードには事欠かない阿部選手のことだから、“らしい選択”と思えば少しの慰めにはなるのだが、それにしても赤いユニフォームっていうのは・・・。
今はこれからの日本代表での活躍と、“浦和を踏み台に”(笑)、世界のビッグクラブで輝いてくれる日か来るのを、ただただ願うのみである。
なお、昨シーズン終了後、祖母井GMの退団、巻誠一郎選手の契約交渉難航(5度目の交渉でも妥結しなかったようだ・・・)、そしてGK・櫛野亮選手のレンタル移籍による名古屋への放出*2、と明るいニュースがないジェフ。
精神的支柱でもあった(だろう)阿部選手が抜けた今、山口智、酒井友之、広山望といった若手選手たちが一斉に去っていった2000年オフのような悪夢が再び起こらないとも限らない。
上記公式サイトで、
「尚、クラブは現在、来季に向け、鋭意補強を進めております。ファン、サポーターの皆様におかれましては、今後ともご声援を宜しくお願い申し上げます。」
という割には、来季に向けた補強も、新人を除けば、DF・池田昇平選手(清水−広島−仙台)程度に留まっているのが実態で、阿部選手の代役として期待をかけているのが、C大阪のMF・下村東美選手*3という状況では、「今後とも」声援を送ってもらうことを期待するのはおこがましいというものだろう*4。
「国内最高額」が予想される阿部選手の移籍金で、何とか1年目から、もう一度夢が見られる陣容を整えて欲しいものだと願っているのであるが・・・。