五輪期間中につき、特別番組編成・・・といった様相になってしまっている本ブログだが、今日も話題は五輪である。タイトルは昨日の使い回しだが、もうクエスチョンマークは要らないだろう。
NHKの特番で肉体美を披露したあのジュベール選手が、最初の4回転失敗の後3ルッツで転倒する、というまさかの展開（18位）*1。
地元期待のパトリック・チャン選手も最初の3アクセルでステップアウトし、最後は時間に追われたのか、演技がバタバタになってスピンがレベル１。しかもタイムオーバーで減点１（7位）。
2年連続全米チャンピオンの称号を引っ提げて乗り込んだアボット選手も、3回転のアクセルとルッツがすっぽ抜けてしまっては勝負にならないし（15位）*2、同じ最終グループの中では、最近のGPファイナル常連だったトマシュ・ベルネル選手なんかも酷い出来だった（19位）。
そんな中、日本勢は出場した3名全員が堂々の演技を見せて、90点超えの快挙をやってのけた高橋大輔選手（3位）を筆頭に、織田信成選手が4位と、フリーの最終グループに2人を送り込み、しかもまだ実績が足りない小塚崇彦選手まで、3アクセルが乱れた以外には大きなミスなく8位につける大健闘。
トリノ以降の国際大会で実力は既に証明済みだったとはいえ、様々な競技で、前評判は良くても五輪になると崩れて結局善戦どまり、というパターンをこれまで目撃し続けてきただけに、この日本勢の好調ぶりには全くもって驚かされる。
まだまだ不安要素はあるものの*3、女子に先駆けて男子で表彰台に上がるようなことになれば、来週に向けて国内のボルテージはますます高まっていくことだろう。
ちなみに、採点に対してはいろいろ疑問もあるところで、特に、演技構成点（PCS）については、他の大会以上に、実績のない選手＆地元以外の選手に厳しい採点になっているように思える。
そして、それゆえ、映像を見終わった後の印象とスコアのギャップが激しい大会だな、という印象を受けることも否定できない。
上位10位までの選手と、低迷したアボット、ジュベールの各選手を演技構成点順に並べると、
１ ランビエール（スイス） 43.15点 計 84.63点（5位）
２ ライサチェク（アメリカ）42.00点 計 90.30点（2位）
３ 高橋大輔 （日本） 41.35点 計 90.25点（3位）
４ Ｐ・チャン （カナダ） 40.70点 計 81.12点（7位）
５ プルシェンコ（ロシア） 39.75点 計 90.85点（1位）
６ ウィアー （アメリカ）39.20点 計 82.10点（6位）
７ 織田信成 （日本） 38.85点 計 84.95点（4位）
８ アボット （アメリカ）38.70点 計 69.40点（15位）
９ 小塚崇彦 （日本） 37.45点 計 79.59点（8位）
10 ジュベール （フランス）37.10点 計 68.00点（18位）
11 ブレジナ （チェコ） 36.30点 計 78.80点（9位）
12 デニス・テン（カザフスタン）35.00点 計76.24点（10位）
となるのだが、しっくり来るのは合計スコアが90点を超えた上位3名の上下関係*4とランビエール選手のポジションくらいで、それ以外の部分では、いろいろと引っかかるものを感じる人も多いのではないだろうか*5。
日本人以外でも、最終グループで滑ったブレジナ選手などは、かなりキレのいい演技をしていたように見えたし、スケーティング技術を実況席に誉められるくらいの評価を受けていたのに、演技構成点に関してはグダグダのジュベール選手よりも低いスコアに抑えられてしまうのは、気の毒に思えてならない。
なお、最終グループで滑走する選手のうち3人（プルシェンコ、高橋、ランビエール）は、今季復帰したばかりの選手で、フリーには若干の不安が残るところだし（スタミナ面など）、ライサチェク選手にしても好不調の波が激しいところがあるだけに、下位の選手が一気に逆転することも十分考えられる。
その際に演技構成点による得点の伸びしろの大小が順位変動にどの程度影響を与えるか、というのを見ていくと、また面白いことになるような気がするのだが・・・。果たしてどんな結末になるのか、興味は尽きない。
