偉大なる先人のナンバーを2つ並べて。

語彙が貧困なものだから、この人の話をするときは、何度書いても「凄い」というフレーズしか出てこなくなってしまうのだが・・・

「50‐50」

”Fifty”が2つ並んで真っ先に連想するのは、懐かしの昭和、中山美穂さんで、野球の世界でそんなことが起きるなんてことは去年までは想像すらできなかった。

マンガの世界ですら、ホームラン50本打てる長打力を持ちつつ塁に出たら走る、みたいなキャラクターが出てきたら、途端に話がつまらなくなる*1

だが、ピッチングを封印して臨んだ今シーズン、先頭打者として、大きな谷を経験することもなく連日コンスタントに打って走って、を繰り返しているうちに、気が付けば手の届きそうなところまで近づいていた。

そして、この日本時間2024年9月20日の朝に迎えたドジャースマーリンズ戦。

最初に見たのは、大谷翔平選手が2盗塁を決めて足で「50」をクリアし、「51」まで到達した、というニュース。

しかも3回までに3安打固め打ち、という展開だったから、「もしかしたらホームランも1本くらいは打てるかなぁ・・・」というのがその瞬間の感想だったのだが、その数分後に飛び込んできたのが「49号ホームラン」の速報テロップ。

こうなったら、もう今日中に決めちゃえよ・・・と心の中で囁いた次の瞬間、遂に「50号ホームラン」のニュースまで飛び込んでくる。

そして、しばらくその余韻に浸っているうちに「3打席連続ホームランで51号到達!」というunbelievableな知らせがとどめを刺した。

大概この手の記録、特に「ホームラン数」の記録は「あと1本」となってからが大変、というのは、これまで散々見せられてきたことで、最近でも2年前に「日本人記録更新」がかかっていたスワローズの村上宗隆選手が散々苦しめられたのが記憶に新しいのだが、そんな「壁」を微塵も感じさせずに、次のステージまで一瞬で突き抜けたのが、まさに”大谷翔平”そのものだなぁ・・・と。


この日の試合を終えて残ったのは前人未到「51」‐「51」という数字。

決して狙ったわけではないだろうが、世紀をまたいでメジャーリーグを見てきた日本人にとって、「51」という数字には特別の意味がある。

後で映像を見たら、きょうの最後の1本は、ワンサイドな展開で戦意を喪失したマーリンズ側がマウンドに送り出した”内野手”(ビダル・ブルーハン選手)から打ったおまけのようなものだったのだが、それでも記録上「3ランホームラン」であることに変わりはないわけで、そういうところも含めて”持っている”選手なのだ、ということを改めて感じさせられた。

残すところあと9試合となったレギュラーシーズンの中で、この数字を積み増せるのかどうか、なんてことは誰にも分からないのだが、今唯一分かっているのは、大谷選手の所属球団のシーズンがレギュラーシーズンだけでは終わらない、ということ。そして、もしかしたら10月以降も、一つ次元の上がったステージで躍動する大谷選手が見られるかもしれない・・・という可能性に希望を託して、もう少し目を離さずに見守っていられれば、と思っているところである。

*1:そういう設定が許されるのは、高校野球漫画の世界までだろう、と個人的には思っていた。

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