奇妙な連想ゲーム

朝から石屋製菓をめぐる騒々しい報道の嵐だ。

「北海道を代表する土産品の菓子「白い恋人」の製造元、石屋製菓(札幌市、石水勲社長)が、「白い恋人」の一部商品で賞味期限を改ざんしていたことが14日分かった。アイスクリームやバウムクーヘンの一部から食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌などが検出されていたことも判明。同社はこれら商品の自主回収を始めた。同社は現時点で健康被害などの報告はないとしている。」(日本経済新聞2007年8月15日付朝刊・第31面)

筆者は、元々、北海道土産と言えば断然「バターサンド」派だし、幾多もの上質な菓子を差し置いて、「白い恋人」が土産物屋のベストポジションを占めている状況を苦々しく思っていたクチだから、特段同情するような義理があるわけでもない。


だが・・・


同じ日にニュースになった松下電池の回収騒動の扱いに比べると、メディアの反応はあまりに過敏なのではないか、と思ってしまう。


さすがに不二家の一件で懲りたのか、ブドウ球菌と「白い恋人」を結び付けるようなイカれた報道こそ見られないが*1、それでも、なるべく丁寧な対応をしようという気持ちが伝わってくる石屋製菓と、先日の“ミートホープ”の一件を一緒こたにして報じてしまうあたりの感性などは、自分の理解を超えているというほかないし、実質的に購入者の健康に与える影響は皆無といってよい「賞味期限改ざん」如きの話を殊更に大きく取り上げようとしているあたりにも違和感がある。


松下の製品回収が大きく報道されないのは、FF暖房機事件の際に打ち立てた“危機管理ブランド”効果ゆえ、という他ないのであって、それはそれでアッパレな話なのであるが、それと比べると、以前の対応に問題があったわけでもないのに、「お菓子メーカー」と「北海道の事業者」という二大キーワードだけで「不誠実」のレッテルを貼られかけている石屋製菓が何とも気の毒に思えてならないのである。



なお、個人的には、第二、第三の石屋製菓のような悲劇を生じさせないために、「賞味期限」の表示なんぞ全面的に廃止してはどうか、と思ったりしているのであるが*2、今みたいに食に神経質になりすぎている時代においてそんなことを叫ぶのは過激すぎるだろうか・・・。

*1:逆に「白い恋人」の賞味期限改ざんの件に比べて、大腸菌ブドウ球菌に関する報道が細々と行われていることの方が不思議でしょうがない。

*2:元々菓子の「賞味期限」なんてフィクションのようなもので、大抵の菓子は賞味期限が切れて1年くらい経った後でも、ちゃんと食える。

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