4歳馬たちの意地。

総大将のイクイノックスが早々に引退しても、古馬戦線では依然として主役を張り続けているのが5歳牡馬たち、である。

今年もやってきた夏のグランプリ、宝塚記念でも、ファン投票で1位になり、レースでも堂々の1番人気となったのはダービー&有馬記念馬のドウデュースだったし、続く2番人気はジャスティンパレス、3番人気にブローザホーン、4番人気にもローシャムパーク、と5歳牡馬が人気上位を占めた。

これに対し、一向に「世代交代」の気配が見えてこないのが1つ下の4歳牡馬世代で、なんといっても昨年の三冠レースの勝ち馬たちが今年の主要レースでこぞって撃沈してしまっているのが痛い。

このレースに出走できた三冠タイトル保持馬は、皐月賞馬のソールオリエンス1頭だけ。タスティエーラもドゥレッツァもファン投票ではそこそこ支持されながら、馬柱には影も形もない。

クラシックでは今一歩力を出し切れなかったべラジオオペラが辛うじて5番人気を確保したものの、その次に来たのはこれまた5歳牡馬のプラダリア。

昨年の有馬記念から背信的なレースを続けているソールオリエンスは7番人気に留まり、もはや7歳になったディープボンドにすら背中をつつかれる状況だった。

だから、今回も、この人気通りの決着になるのだろう、と思ったところだったのだが・・・


勝ったのは、確かに5歳牡馬・ブローザホーンだった。

今年に入ってからの絶対的な安定感そのままに、雨で悪化した馬場まで味方につけて後方から一気の差しで2馬身差の優勝。念願の初GⅠタイトルをもぎ取った姿は「強い」の一言・・・。

だが、このレースに関しては、4歳牡馬も意地を見せた。

人気を集めたドウデュースが今一つ伸びきれず掲示板の外(6着)に沈む中、7番人気のソールオリエンスが鋭い脚で追い込んで2着に食い込み、クビ差で続いたべラジオオペラも3着に。

これで潮目が変わるのか、それとも、これもまた「敗者復活戦」での一エピソードに過ぎないのか、これから現3歳世代も加わって混戦模様になることが予想されるこの夏以降の帰趨をもう少し見届けるまでは何とも言えないところではあるのだが、”谷間世代”という外野からの揶揄に、このレースで辛うじて一矢報いたのもまた事実なわけで、できることならこの秋には、目の上のたんこぶ的な現5歳世代を乗り越えて新たな歴史を作ってくれることを、今はただを願わずにはいられないのである。

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