どっちが悪い?〜ガンダムとWTO

農水省内のパソコンからWikipediaに、2003年以降408件の書き込みがあった、というニュース。


どこにだってヒマ潰しにパソコン眺めてる人間はいるだろうし、残業規制とは無縁の霞が関ともなれば、深夜の手待ち時間にウィキペディアに書き込んでいる人間がいたってちっとも不思議ではない。


なので、これ自体は大して面白いニュースではないのだが、興味深かったのは、書き込みの内容による、当局の姿勢のギャップ。

「(口頭での厳重)注意を受けた職員らは、アニメ「機動戦士ガンダム」に関する記述や鑑賞した映画の感想などを書き込んでいた。特にガンダムに関する記述は約250件見つかっており特定の職員が一人で大量の書き込みをしていたとみられる。」
「書き込みの三分の一は、世界貿易機関WTO)多角的通商交渉など農水行政にかかわりのある記述だった。これらについて同省は「業務の範囲内だった」(大臣官房情報課)として、注意対象としなかった。」
日本経済新聞2007年10月5日付朝刊・第38面)

ウィキペディアに書き込みするのが業務の一環ですか、そうですか。


そうするとガンダムの記述を書いて厳重注意をもらってしまった可哀想な職員も、本職が経済産業省のコンテンツ振興担当だったりすれば、不問に付されたわけですな。


いや、そもそも「知財立国」というのは、政府が掲げる統一施策なわけだから、どこの省の職員だろうが、我が国が誇るキラーコンテンツ機動戦士ガンダム」を広く世界にアピールするためにウィキペディアに書き込みするのは許されるんじゃないか・・・


などなどと考えていくと、農水省の中の偉い人による線引きがいかにしょうもないものか、分かりそうなものである。


結論としては、

「同省は今回の問題を受け、職場のパソコンからインターネットサイトへの書き込みを原則禁止した。」

ということだから、処分をやった側の人もよくよく分かっていたのだろうけど、個人的には「業務の範囲内」なんて言葉は使ってほしくなかった、と思う今日この頃である。

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