これが本当の「幕切れ」になることを願って~東芝ガバナンス強化委員会報告書より

”劇場型”の株主総会で株主提案を退けたのもつかの間、「議決権集計問題」に端を発した疑惑の火が「圧力問題」で燃え上がり、臨時株主総会で株主提案が一部可決、さらにそれに基づく会社法316条2項の調査者報告で明らかにされた事実を契機に定時株主総会を経てボードメンバーがガラリと変わり、業績は決して悪くないにもかかわらず、今まさに”ガバナンス発”で創業以来の危機を迎えつつあるのが、東芝、という会社である。

そして、「3分割」という衝撃的な事前報道が、会社側の会見で現実になったその日、まだ終わっていなかった「2020年7月31日開催の第181期定時株主総会」をめぐる「総括」ともいえる報告書が公表された*1

報告書を作成したのは、今年の夏、調査者報告を受けて設置されたガバナンス強化委員会*2

設置時のプレスで「圧力問題」に関する委嘱がなされた、と報じられた時は「おい、またやるのか!」的な反応も多かったのだが、報告書を見ると、「なるほど・・・」と、今回の委員会の報告の意義を感じさせるところが随所にあって、感心させられるところも多かった。

未だ「強くなりすぎた株主」を前に事態を収拾できていない状況がある中で、この報告書をもって、長引いた問題に完全に幕を引けるのかどうかはわからないが、以下、興味深く読ませていただいたポイントを取り上げてみることにしたい。

報告書作成の目的とそれに応えた”意図された淡泊さ”

6月に出された調査者報告が、圧力問題について「本定時株主総会が公正に運営されたものとはいえないと思料する」という結論を出した*3ことがガバナンス強化委員会の設置と、今回の報告書の端緒になっているのは言うまでもないことだが、”蒸し返し”という批判も意識してか、今回の報告書では「調査者報告書との違い」が以下のように説明されている。

「当委員会は、調査者報告書の事実認定を再調査することを意図するものでなく、基本的に同報告書「第3章 第4事実の概要」の事実認定については、関係者のヒアリングその他の調査の結果、委嘱事項について判断する上で必要であると考えられる新たな事実や同報告書の誤解等が明らかになった場合を除き、これを前提とするが同報告書第3章第5以下については、東芝の役員の善管注意義務違反の有無等を検討するという当委員会の責務に鑑み、当委員会が独自に上記検討の目的にそった分析・評価を行う必要がある。」
「調査者報告書は、その調査の目的に従い、2020年7月31日に開催された東芝の本定時株主総会が公正に運営されたものか否かについての結論を導き出すために必要な限度で事実の評価・分析を行ったものであり、東芝の役員の行為の違法性については、明確な判断を示すものではない。他方当委員会が上記委嘱事項に応えるためには、東芝の役員の行為に、それが違法であり、善管注意義務違反に当たると評価されるものがあるのか否かの検討が不可欠である。この点は、東芝の役員の法的責任に関わるものであるから、厳格な法的分析・検討の下に判断を行う必要がある。」(以上、要約版1頁、強調筆者、以下同じ)

総会決議に基づき株主が選任した調査者が行った調査の結果を、会社が設置した任意機関が安易にひっくり返すわけにはいかない、だが調査者報告書がその性質上明確にしなかった「取締役の法的責任」という観点から再度調査、報告を行うことは妨げられない、というのが今回の報告書の”言い分”で、それはそれで一つの理屈にはなっている。

「調査者報告書の事実認定を前提とする」ということに関しては、その言葉通り、今回の報告書では調査者報告書でも描かれた事実が描かれているだけ、それもドラマ仕立てのような生々しい発言の引用等が捨象された、あたかも判決文上の事実認定の記載のような淡泊さで書かれているだけで、そこからは、初めて調査者報告書を読んだ時のようなインパクトは全く湧いてこない。

だが、諸々の過剰な表現や証拠の引用をそぎ落として筆を進めた結果が以下の結論になる、と分かれば、また読み方も変わってくるのではないだろうか。

「判断の基礎となる事実(以下「基礎事実」という。)によれば、エフィッシモの株主提案を取り下げさせ、又はこれが否決されるようにするために、エフィッシモ、3D及びHMCに対して行われた働き掛けのうち違法性の有無の検討対象となる行為は、情報産業課のK1課長と経産省参与のM氏によって行われたものである。上記働き掛けを東芝の執行役による違法行為であると法的に評価するためには、①K1課長のエフィッシモ及び3Dに対する働き掛けやM氏のHMCに対する働き掛けが違法であったこと、及び東芝の執行役は、これらの違法行為をK1課長やM氏と共同して行ったものであり、法的に共同責任を負担すると評価することができることの2点が肯定されることが必要である。」
「一般に、行政庁の担当者は、一定の行政目的を持って、行政庁としての判断の下に行政事務を執行するものであり、何の行政目的もなく、また何の行政上の必要性もなく、一企業の利益を図るために行動することは、そのような行動をする特別の動機、理由がない限り考え難い。このことを本件における事実関係に即して検討すると、以下において詳述するとおり、東芝の事業全般を所管する情報産業課は、エフィッシモの株主提案が、東芝の取締役会の構成の変化をもたらし、事業の継続に影響を及ぼすなど、国の安全等に影響を与える可能性があり、また、共同議決権行使の可能性や誓約事項違反の可能性もあるとの行政判断の下に、取下げ等の働き掛けを行ったとみるのが相当であり、K1課長の行為が外為法の趣旨を逸脱して株主提案権又は議決権行使を制約することを目的とした違法行為に当たると評価することは困難であると言わざるを得ない。」
(31~32頁)

行政官の行為の適法性に関しては、この後にも”説示”が続くのだが、そこに書かれている内容も含め、本報告書の示した結論は、国賠訴訟での請求棄却判決を彷彿させるような「行政への信頼」に満ちたものとなっている。

そして、行政官の行為が適法とされた以上、東芝の執行役が法的責任を負うこともない、というのがこの報告書の理屈で、その結果、

「以上によれば、エフィッシモの株主提案を取り下げさせ、又はこれが否決されるようにするために情報産業課のK1課長がエフィッシモ及び3Dに対して行った働き掛けは、経済安全保障等の行政目的に基づき、外国投資家からの相談に応じ、これに対して助言を行っていたものとみることができるのであって、これが外為法の趣旨に反する目的の下にされた違法行為に当たるとはいえず、また、M氏のHMCに対する働き掛けについては、その具体的な内容を確定することができず、両者の行為は、いずれもこれを違法と評価することはできない。加えて、K1課長又はM氏と豊原氏又は加茂氏との間に、共同して責任を負担するような法的関係が成立していたことも認め難いものというほかはないのであって、当委員会は、K1課長又はM氏の行為が違法であることを前提として、東芝の執行役である豊原氏及び加茂氏が法的共同責任を負うとはいえないものと判断する。」(36頁)

とかなり強い表現で「法的責任なし」と言い切ったところに本報告書の最大のキモがあると言っても過言ではないだろう。

断片的な証拠(と言えるほどでもない事実)しかないM氏の方はともかく、K1課長の関与に関しては、調査者報告書でかなり生々しい会社とのメール等でのやり取りが明らかにされていたし、その動きが会社、経産省双方のファンドに対する働きかけと連動していたことをもって「不公正」とした調査者報告書の結論は決して飛躍したものではないと自分は思っているが、そういったエピソードに関しても、

東芝の執行役が、エフィッシモに対し、コンプライアンス有識者会議を設置し、エフィッシモの提案に係る取締役候補者のうち、杉山氏及び竹内氏をそのメンバーとして迎え入れることにより、円満に株主提案を取り下げてもらうための働き掛けを行ったことは、基礎事実に記載のとおりであるが、上記の働き掛けそれ自体は、正当な和解交渉ということができ、違法に株主提案権の行使を制約しようとするものと評価することができないことは明らかである。調査者報告書においては、上記働き掛けが情報産業課のエフィッシモに対する働き掛けと連携してされたことをもって問題を孕んでいるとみる考え方が示されているが、情報産業課のエフィッシモに対する働き掛けが違法と評価し難いことは以下に検討するとおりであり、そうであれば、東芝の執行役の上記働き掛けが違法となる余地はないものと考えられる。」(31~32頁脚注14)

「「当社株主総会(7月15日予定)に関する課題」と題する書面に記載された東芝の見解には、外為法の解釈上無理のある見解も含まれていたとの評価を免れないものの、同法の解釈について専門的知見を有する行政庁の判断を誤らせるような見解を示したものとまではいえず、他の情報提供については、執行役の業務執行において社会通念上許容される裁量の範囲を逸脱し、違法とすべき点は見当たらない。なお、以上のほか、5月28日、K1課長に対し、「反論メモ」と題する書面を送付しているが、これはK1課長からの求めに応じて送付したものである上、これを受領したK1課長から、TSC架空循環取引について東芝自身の非を認める内容に書き直すように指示を受けるなど、情報産業課の判断を誤らせるようなものであったとはいえない豊原氏及び加茂氏が株主対応に経産省に行政行為を利用する意図を有していたとしても、そのことによって、同氏らの行為が違法となるものではない。」(38頁)

と、一切”グレー”を匂わせる余地なく、清々しいまでに違法性を100%否定している。

会社と株主間の緊張関係が依然として続く中、あわよくばこの問題を使って株主代表訴訟を・・・という株主がいても不思議ではない状況で、これだけ明確に「法的責任」を否定した報告書が出されたことの意味は大きい。しかも、総会運営を「不公正」と断罪した調査者報告書と同じ基礎事実に基づいてこの結論を出した、ということが重要で、仮に今回の報告書の結論に不満を抱いた株主が再度裁判所に訴えてアクションを起こしたとしても、裁判所がこの報告書が描いた筋をひっくり返すことはおそらくないだろうな、ということは容易に想像が付く*4

かくして、このガバナンス強化委員会設置の目的は見事に果たされたのである。

”おまけ”としての残り20ページがえぐったもの。

さて、上記のように、「法的責任」論争に決着を付けるツール、としてこの報告書を見れば、その後の記述は”おまけ”でしかない。

報告書はそれでも、

「執行役の行為は違法でなければそれでよいというものではない。違法でない行為であっても、それが株主対応の公平性、透明性に疑義を抱かせ、投資家一般、更には株式市場の信頼を損なうなど、市場が求める企業倫理に反する行為と評価される場合には、執行役にはこうした行為を避ける義務があるというべきである。この義務に違反したからといって、執行役に直ちに法的責任が生じるものではないが、こうした行為は、市場ひいては社会一般の当該企業に対する信頼感を低下させ、企業の対外的、対内的活動に様々な面で悪影響を及ぼすおそれがあるからである。」(38頁)

として「企業倫理」を掲げ、担当執行役や前CEOの行為を「市場が求める企業倫理に反する」としているが、前CEOが既に会社を去り、関与した執行役も役職を外れてしまった今となっては、会社にとって新たなインパクトをもたらすようなものではないと思われる*5

個人的には、今回新たに、

東芝の前CEOである車谷氏は、アクティビストは健全な企業経営とは相容れない無理な要求をする存在であるとの認識の下にファンド系の投資家に対応しており、取締役会においても、そのような同氏の対応を是正することができていなかったものと考えられる。」
「すなわち、車谷氏が原案を示し、その確認を得て完成された「当社株主総会(7月15日予定)に関する課題」と題する書面には、アクティビストは、彼らの資金調達コストが年率20%~30%であることから、会社に自社株買いや事業売却を求めざるを得ず、影響力を及ぼせる社外取締役を多数選任させることで効率的に企業をコントロールしようとしている旨が記載されていることに加え、同氏は、当委員会のヒアリングにおいて、アクティビストは、ファンドに出資してくれている機関投資家等との関係性から、ファンドの投資先企業の株価を年間30%~40%上昇させることを目標としてあらゆる手法を利用して株価を上げることを要求してくる、それがファンドの仕事であるとの認識を示しており、これらのことからすると、同氏が、アクティビストは健全な企業経営とは相容れない無理な要求をする存在であるとの認識の下にファンド系の投資家に対応していたとみることができる。」(47頁)

と、車谷氏自身が”反ファンド”の風潮を社内で煽っていた、という事実が認定されたことは興味深かったし*6、それに合わせて、「東芝の役職員等の発言」として、

「車谷氏の外国投資ファンドに対する姿勢について、「アクティビストは経営のことは分かっておらず、株価を上げることしか考えていないとの考えを有しており、アクティビストから提案があっても真剣に改善しようとしなかった。」、「株主を小馬鹿にしている印象があった。」」(47頁脚注25)

という発言が紹介されているのも、ちょっとした驚きだった。

また、一連の行為の要因の一つとして、

「歴史的、伝統的な経産省との関わりを背景として、経産省との緊密な情報交換や相談をいわば当然のことと考え、それを頼りにするといった東芝の企業風土にも問題があったと考えるべきであろう。そして、2019年定時株主総会前のキングストリートの株主提案をめぐり和解に至った経緯などもあって、本定時株主総会前の時期においては、情報産業課との関わりは相当に緊密になっていたことが窺われる。企業活動は、自律的であるべきであり、過度に行政に依存する体質は改善する必要があるとの意識が必ずしも十分ではなかったことが、本件一連の行為の原因の一つとなったものといえよう。」(50頁)

という点に触れたところも、「よくぞ言ってくれた!」という感は強い*7

長く長く続いた政権の下で官邸の「民」に対する度を過ぎた「介入」が常態化し、今でも形を変えて「経済安全保障」の名の下にいらぬ干渉がなされる可能性は残っているような状況だからこそ、本報告書が「企業が行政に依存する」ことのリスクに警鐘を鳴らしてくれたことの意味は大きいと自分は思っている*8


皮肉なことに、元々多くの外国籍ファンドを株主に抱えて四苦八苦していた会社は、一連の「不公正な株主総会」を経て、ボードの構成上もファンド推薦の取締役が重要なポジションを占めるようになってしまった。

現時点で今後の展開を予測するのは不可能だが、どう転んでも、今の状態のまま「日本国の経済安全保障」を優先した経営判断を会社に求めるのは酷というものだし、それでもなお「日本企業」としてこの会社を抱え込みたいのであれば、官製ファンドで株式を全部買い取って実質国有化でもするしかないだろうが、今のところそんな気配もない*9

そういった現状に目を向けた時、この一連の問題で猛省を促されるべき”真の敗者”は、東芝ではなく経産省の方ではないか、と思わずにはいられないし、これ以上の真相究明の矛先を向けるべき相手も、もはや「会社」ではない。

傷つけられたブランドの下、所属する組織の行く末すらわからないまま不安定な状況に置かれている善良な社員の方々に、これ以上天上人絡みのノイズを聞かせないように、今回の報告書によって「対会社」という観点から一連の問題に幕が引かれることを今は願うのみである。

*1:東芝[6502]:ガバナンス強化委員会報告に関するお知らせ 2021年11月12日(適時開示) :日経会社情報DIGITAL:日本経済新聞

*2:東芝[6502]:ガバナンス強化委員会の設置等に関するお知らせ 2021年8月6日(適時開示) :日経会社情報DIGITAL:日本経済新聞

*3:東芝[6502]:会社法第316条第2項に定める株式会社の業務及び財産の状況を調査する者による調査報告書受領のお知らせ 2021年6月10日(適時開示) :日経会社情報DIGITAL:日本経済新聞参照。本ブログのエントリーとしては瞠目すべき成果を生み出したのはフォレンジックの進化か、会社法316条2項の威力か、それとも・・・? - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~がある。

*4:加えてこの報告書では、「エフィッシモは、当委員会との意見交換において、エフィッシモ自身は、この当時は、経産省とのやり取りに圧力は感じていたが、社会通念上許容される範囲のものであり、不当な圧力を受けたとは認識していなかった、後に調査者報告書で東芝の執行役と経産省とのやり取りを知って憤慨したと述べた。」(29頁注13)といった補充調査の内容もさりげなく書き込んでおり、より法的責任について争いにくくするための仕掛けが施されているように思われる。

*5:当然ながら、当事者は依然として「憤慨」されているようで、22日付の日経ビジネス電子版では、「極めて曖昧で恣意的な評価」、東芝の報告書に元役員2人が反旗:日経ビジネス電子版のような記事も掲載されているが、そこに書かれていることを読んでも自分の印象は全くと言ってよいほど変わらなかった。

*6:もちろん、「アクティビストファンド」=「胡散臭い存在」という印象は、エスタブリッシュな企業の経営陣の多くが抱いているもので、既に会社を離された車谷氏が報告書上も”スケープゴート”にされた面があることは否定できないと思われるが・・・。

*7:合わせて、41頁脚注19で「東芝の役職員の発言」として、「総会対策について、経産省に頼りすぎたことが問題であると思う。」「東芝経産省からヒアリングを受けるのはいいが、経産省が他の人のヒアリングした結果を聞くのはまずいんだろうなと思っていた。」「METIに行政指導に至らない会話をしてもらうことは、違法ではないが、妥当/不当でいえば、不当であったと思う。」「外為法を使うのは得策ではないと考えていた。(中略)そのような対応に加担していたと知れたら投資家からの信頼をひどく損ねる結果になるというリスクがとても大きい。」「だから、一番違和感あるのは、そんなこと(METIから「コンプライアンス委員会などを作らせたらどうか?」とエフィッシモに提案してもらうこと)をお役所に頼むの?という」といった証言が紹介されていることも、東芝という会社が真っ当な方々の集まりだ、ということを改めて感じさせてくれる良い記述だったと思う。問題は、なぜ皆そう思っていながら、止められなかったのか、ということにあるわけだが・・・。

*8:本報告書も「東芝の技術の海外流出を防止し、経営の安定を図ることは、日本の経済安全保障の観点から重要性を有するものであった」として、「経済安全保障」的観点から、「東芝が所管行政庁である情報産業課と良好な関係を保つ必要があることには、特段の異論はない」としているのだが(この辺はいかにも行政訴訟の請求棄却判決のテイスト、である)、既に多くのメーカーがグローバル化して、一部の事業の拠点を海外に移しているような状況もある中で、何を基準に「海外流出」と定義するのかがそもそも謎であるし、WHの子会社化に大失敗してドメスティック化してしまったがゆえにこの会社が「日本企業」として経産省との関係をより深めていたのだとしたら、産業政策とは一体何なのだ・・・と思わずにはいられない。

*9:報告書では立場上「会社の風土」が問題とされているが、その風土ができたのも「相手」あってのこと。本当に苦しい時に手を差し伸べることができないのであれば、細々とした干渉などすべきではないし、”期待”を持たせるような振る舞いもするな、ということは、長く「民」側で生きてきた者として声を大にして言いたいところである。

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