千葉ロッテマリーンズが、連夜の延長戦の末、延長12回に勝ち越して見事に5年ぶりの優勝を遂げた。
地元で王手をかけていたとはいえ、敵方が絶対的優位を誇るアウェーのナゴヤドームで2日続けて相手に勝ちを譲らなかったのは「立派」の一言。
しかも、今日の試合は、4点のビハインドを追いついてひっくり返し、その後土壇場でリリーフエースが同点犠飛を許しても、なお突き放す、という執念を感じさせるような展開で、とにかく痺れるものだった*1。
もし引き分けるか、負けるかしてしまえば、投手力の差*2でロッテが圧倒的に不利になってしまう上に、関東エリアでの第8戦での地上波のテレビ中継も期待できない(苦笑)、という状況が、最後の最後での粘りにつながったのかもしれないけれど、大一番でも淡泊な試合が目立った近年では珍しい、美しい結末であった。
5年前の日本シリーズでの空気を読まない勝ち方*3や、その後のバレンタイン退団騒動などのおかげで、自分はかつてほどロッテというチームには愛着を感じていなかったのだけど、シーズン終盤からCSシリーズ、そして今回の日本シリーズにかけての戦いぶり(&熱狂的なファンの盛り上がり)を見れば、やはり、全国区で支持されて然るべきチームなんだよなぁ・・・という思いを新たにするわけで*4。
おそらく、明日のスポーツ新聞の1面には、「ミラクル」というフレーズが躍るのだろう。
だが、個人的には、今回の優勝をそんな単純な言葉で片づけてはいけないと思う。そして、衰退の一途をたどっている日本のプロ野球界が忘れようとしている“ファンと一体となった必死さ”を体現して結果につなげたチームとして、今年の千葉ロッテの存在を皆しばらくは、胸にとどめておく必要があるんじゃないか・・・、今はそんな気がしている。