ワールドクラスの名牝、ジェンティルドンナと同じ年に生まれてしまったばっかりに、昨年の牝馬3冠でことごとく「2」番目の着順を積み重ね続けることになってしまったヴィルシーナ。
しかも、ジェンティルが抜けたエリザベス女王杯では、道悪巧者・レインボーダリアの後塵を拝してまたもや2着。
オーナーが背番号「22」の元・大魔神、ということもあって、どこまでこの“惜しい流れ”を引きずるのだろう、と同情を禁じ得なかった*1。
だが、本来はマイラーではないか、という見立て通り、ヴィクトリアマイルで、ホエールキャプチャ*2をハナ差交わし、堂々の初G1制覇。
過去10年くらいの間に、“名牝”と呼ばれる馬はたくさん出てきたし、ダイワスカーレットとウォッカのように、同世代で競り合い続けたケースもある。
ただ、昨年3歳牝馬クラシックを牛耳ったこの2頭がすごいのは、昨年から今年にかけて、大きなレースにコンスタントに出続けて、結果を残し続けたところ。
例えば、競走人生を通じて一度も3着以下の着順を記録したことがなかったダイワスカーレットでさえ、オークスは出られなかったわけだし、ウォッカに至っては、数で見れば激走したレースよりも相当多くのレースで取りこぼしもあった。
それに引き替え、この2頭は・・・。
ヴィルシーナに関しては、まだ牡馬に匹敵する・・・といえるほどの実績はないし、特に前走、久々に牡馬と並んで走った産経大阪杯で、6着、と微妙な負け方をしたことで、より“牝馬相応”的な評価になっても不思議ではない*3。
でも、昨年競い合ったライバルが、ドバイで2着、と“超牝”ぶりを発揮したことを考えると、まだ見切りをつけるのは早いし、この春先になって、久々に「2」以外の着順になったことで、変な呪縛から溶けた、という推察(?)も働く。
このまま順調に安田記念に向かってくれるなら、密かに面白い・・・
そんな思いで,この先のG1戦線に思いをはせているところである。