「敗者復活戦」でも勝てない馬々の哀しさ

伝統の大阪杯が春の古馬中距離GⅠとして生まれ変わってから、もう7年が経つ。

既に古馬No.1の地位を確固たるものとしていたキタサンブラックが優勝した「第1回」は良かった。

その後もスワーヴリチャード、アルアイン、とクラシック戦線を沸かせた馬たちがタイトルを掲げ、「GⅠ」としての格はそれなりに保たれていた。

だが、ここ数年、出走するメンバーも優勝馬も、???と首を傾げたくなるようなレースが続くようになった。

理由は単純で、フェブラリーSと同様、中東で開催される”裏”のレースに有力馬が大量に流れているのはあまりに痛い。

しかも開催されているのは”裏”だなんてとても言えない世界のワールドカップ。歴史的な円安も相まって実質賞金額は国内の一GⅠレースとは比較すべくもないし、何より「大阪」と「ドバイ」では、ステータスも大違い。

かくして、今年もドバイワールドカップデーに20頭以上の馬が参戦し、ターフ、シーマクラシックという芝中長距離路線のレースだけでも8頭の一線級の馬が出走。

そうなると、残されたメンバーが”貧弱”に見えてしまうのは、もはや如何ともし難い状況であった。

よくよく見れば、今年に関しては、タスティエーラ、ソールオリエンスと、昨年春の牡馬クラシックで1,2を独占し続けた2頭が出走していたし、一昨年の皐月賞馬ジオグリフ、秋華賞馬スタニングローズなども出走していたのだが、昨年のクラシック路線をにぎわせた馬たちの古馬に混じってからのレースぶりは目を覆うばかりだし、ここに出ていた一昨年のGⅠ馬たちも、そのタイトルを頂点にぱっとしないレースが続いている。

ドバイに渡ったドゥデュース、リバティアイランド、ジャスティンパレス、スターズオンアース、といった馬たちが「光」なら、こちらは紛れもなく「影」。

活躍しきれないがゆえに、国内のレースに出てきてファンを楽しませてくれる・・・というのが、なんとも切ない感じではあるのだが、だからこそせめて、ここでタイトルを取り返してもう一度光を・・・というのが、自分のささやかな願いではあった。

しかし現実は・・・


1番人気こそタスティエーラが確保したものの、2~4番人気はクラシックに縁がなかった馬たちに奪われる。

そして始まったレースでも堂々の主役を演じたのは、2番人気のべラジオオペラであり、3番人気のローシャムパークであり・・・。

スローペースからの上り勝負で、僅差の戦いを繰り広げた上位陣を前に、掲示板に乗ることすら叶わなかった前年クラシックのワン、ツーコンビ。

最初に名前が挙がった馬の中で最先着が5着のジオグリフ、という有り様では「敗者復活」どころの話ではない。

今年に関しては、ドバイに向かった馬たちもその多くが一番の主役を演じることなく敗れ去ることになった*1から、日本に残った馬だけが”悲劇”ということではないのだが、それにしても・・・

イクイノックスが世界を制してからはや一年。国として頂点を極めたように見えてもその盛りは短い、というのもこの業界の運命だけに、今回”残った”馬たちが、年末に名実ともに「主役」になれるような新陳代謝を期待したいところである。

*1:優勝したのは3歳のヤングマンパワーだけ、という何ともストレスのたまる展開になってしまった。

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