中国企業の逆襲

日経新聞に掲載されていたニュース(2006年4月13日付朝刊第13面)

「中国のコンテンツ(情報の内容)会社や業界団体などが共同で日本のゲームソフト会社が中国で申請した「西遊記」や「水滸伝」などの商標登録について異議申し立てをしていたことが12日、明らかになった」

申し立てを行ったのは、
中国の映像ソフト会社や「芸術家協会アニメ漫画専業委員会」など5社・団体、
ということである。


我が国では、ゲームにしても書籍にしても、
標題(タイトル)には商標権の効力が及ばない、というのが通説的解釈だから、
そういう感覚に慣れてしまった自分にしてみれば、
「光栄」や「巨摩」といった日本企業が行った現地登録も
所詮は防護的なものに過ぎないのではないか・・・*1
と思ってしまったりもするのだが、
中国人なら誰でも知っている(?)著名な古典の名称を商標登録する、というのは、
現地の方々にとっては耐え難いことなのかもしれないし、
外国企業を“迎え撃つ”立場にある現地のコンテンツメーカーから、
このような異議申立がなされること自体、
中国における知的財産権に対する意識の“進化”を
感じさせるものだといえる。


同じ新聞の中では、「アジア知的財産権シンポジウム」の記事を中心に、
日本の業界団体等による全面広告が3面にわたって掲載されていたりもする。
(30面〜32面)
しかし、いかに威勢よく権利保護を叫んだところで、
肝心のコンテンツの中身が伴わなければ
結局は他国の後塵を拝することになってしまう。


派手なロビー活動の裏で、クリエイターの人材不足が取りざたされる今日、
成長を続けるアジア諸国の巧みな“知財戦略”によって、
強化し続けた我が国の「知的財産法制」が逆手にとられるようなことになれば、
結局は自国企業の首を絞めることになりはしないか、
と時々心配になる。


果たしてこれは杞憂なのだろうか・・・。

*1:もっとも、中国の商標法では違う解釈になるのかもしれない。