内縁配偶者は「親族」か?

最二小判平成18年8月30日(津野修裁判長)*1
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20060831132312.pdf

「なお,所論にかんがみ職権で判断すると,刑法244条1項は,刑の必要的免除を定めるものであって,免除を受ける者の範囲は明確に定める必要があることなどからして,内縁の配偶者に適用又は類推適用されることはないと解するのが相当である。したがって,本件に同条項の適用等をしなかった原判決の結論は正当として是認することができる。」

あまりに古くて恐縮だが、
手元にある前田刑法各論〔第2版〕のテキストには、
以下のような記述がある。

「ここで用いる親族等の概念は原則として民法(725条)によるとされているが、例えば形式上婚姻関係が存しても実際上何ら共同生活をしておらず、財物を騙取するための手段としての婚姻届に過ぎないような場合は本条の適用はない(判例略)。内縁関係があれば実質上の配偶者とされる。同居の親族とは事実上生活を共同にしている親族で、一時宿泊した者は含まれない。」(太字筆者、前田雅英『刑法各論講義〔第2版〕』211頁(東京大学出版会、1996年)

その後の10年間でいかなる議論がなされたのか、
筆者の知るところではないのだが、
刑罰を課す場合ならともかく、免除する場合なのだから、
もう少し柔軟な解釈で244条1項の準用を認めても
良かったような気がする。


民法上の内縁=準婚理論との関係もあることだし、
このあたり、再び“対話”を臨みたいところだろうか(笑)。


ちなみに、この理でいくと、
257条1項(盗品等関与罪)についても同様の結論となりそうだが、
任意的免除に関する105条の解釈がどうなるのか、は
明らかではない・・・。

*1:平成18年(あ)334号・窃盗被告事件