「綾波レイに思いを寄せる男性は日本中に百万人はいるだろう。」
という書き出しで始まる1日の日本経済新聞朝刊・春秋欄。
ちょうど今日が映画の公開日、ということもあって、記者も悪乗りしたのかもしれないが、それにしても天下の経済紙が「EVA」のネタを一面に持ってこようとは、10年前誰が想像しただろうか。
今回のリバイバル劇自体、この10年以上もの間、エヴァンゲリオンというアニメが陽に陰に人々の中で語り継がれてきた証といえるし、前世紀に青春の真っ只中(笑)を迎えていた自分らの世代にとっても、今になって90年代の文化に再びスポットが当たるのは、そんなに悪い話でもない。
・・・だが、テレビの前宣番組で散々取り上げられ、主題歌を宇多田ヒカルが歌い、サブカルチャー(というかカルチャー)の象徴のように語られるようになってしまったサマをみると、やはり複雑な気分になる。
レアなマニアしか見ないようなB級アニメの要素を存分に備えつつ、実は「あれ?何となくこれ深いんじゃん?」と勘違いさせられてしまう。そんな意外性が90年代末期のエヴァブームを支えていたはず。
97年夏に映画が公開されたときも、アニメ映画と言えばもっぱら「もののけ姫」で、わざわざエヴァ観にいく層なんて物好きな一部の層に限られていたのに、今やジブリをも凌ぐクオリティを有し、メジャーの肩書を身にまとって、10年ワープして飛んできてしまった・・・。
そんな状況に筆者としては戸惑いを隠せない。
まぁ、とか何とか言いつつ、結局は観にいくつもりなのだが(笑)。