遅まきながらようやく観にいった。
公開から1ヶ月くらいは経つというのに(しかも普通なら空いている時間帯に行ったのに)、立ち見が出るほど盛況ぶり。
アニメ映画を普段見てないせいもあるのだろうが(一昔前のジブリと10年前のこれくらい)、実写と見まがうような作画の美しさには思わずため息が出る。
全体的な印象としては、テレビシリーズの“遊び”の部分を省いて、コアな部分でガンガン攻めている感じだろうか。
ところどころそれなりに丁寧な説明も入っていたし、テレビシリーズを知らなくても、十分ついていける中身だったと思う*1。
頭を空っぽにして目の前の派手な映像を堪能するもよし、キャラクターのセリフの節々に潜む暗喩に深遠なる思考をめぐらせるもよし*2、作りこんであるディテールに突っ込みを入れるのもよし。
いろんな楽しみ方ができる、というのは、エンターテインメントたるための必須条件であるが、本作はその条件を十分に満たしていると思われる。
かつてのインディーズっぽさが失われてどうなるかと心配していたのも事実だが*3、エンドロールと一緒に流れる宇多田某の曲(これは明らかに無意味)を除けば、そんなに悪い方向には出てなかったなぁ・・・というのが率直な感想*4。
なお、物議を醸している(らしい)「予告編」についてだが、
「キャラクタービジネスで儲ける秘訣は、購入意欲を湧かせるようなアイテムを増やすことに尽きる」
という理屈から合理的に説明できるもの、と筆者は考えている(笑)。
もちろんそれに乗っかるかどうかは、個々の潜在的購買者の意思次第なのであるが。
*1:そもそも、自分の場合、昔見たことがあるといっても、誰かが録画した全20数回分を2,3日ぶっ続けで流し見した程度でほとんどストーリーは覚えていない(というか改めてみて、ほとんど覚えていなかったことに気付いた)ので、「最後どうなったか一応は知ってる」という点を除けば、初見の方と情報量に大して違いはない。
*2:もっとも「序」の段階ではまだそこまでの深みはないと思われるが。
*3:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20070901/1189015408#tb
*4:もっともコンビニの看板とか、ミサトの部屋の缶ビールのブランドだとかに、商業化の波を感じたのも事実だが(笑)。