大して積もってもいないのに、雪が降ると大騒ぎするのが都会人の常で、かくいう自分も学生の頃までは、“雪やこんこ”で学校のグラウンドを駆け回っていたものだ。
その後何年か、「油断してちょっと一杯引っ掛けている間に積雪50センチ」の世界に飛び込んでみて、雪なんて大して有難くないもんだ、ということに気付いたわけだが・・・。
一夜明けて今日の朝になってみると、都内各地から相次いでスリップ事故のニュースが飛び込んでくる。
雪国の人間ならスタッドレスタイヤ履いててもおっかなびっくり走るような路面を、ノーマルタイヤで普通に走ろうとすれば滑るのは当たり前なわけで、ニュースにするだけばかげている、と個人的には思っているのであるが、さりとて都会を離れたことのない人間にとっては一大事らしい。
片道二車線の高速道路で玉突き事故起こすようなドライバーが、「対面通行当たり前」の田舎の高速を走ったらどんなことになるのか、想像するだけで怖くなる。
路面が見える時でさえすれ違うのに一苦労な狭い道を、掃かれた雪が路肩に置かれている状態で毎朝通らなければならない、それが雪国の実態だ。
それを知らない都会のボンボン議員が、「ガソリン値下げ」だの「道路利権」だのと叫んでいるのを見ると、何と嘆かわしいことかと空を仰ぎたくなる。
自分だって、生まれや育ちだけ見れば“首都圏人”であることに違いはないのだが、「都会」の利益だけを拳を振り上げて語る人々を見ていると、一緒にされたくはない、と思うわけで。
「国土の均衡なる発展」だとか、「全ての道にロードヒーティングを」などと大それたことを言うつもりはないが、せめて、雪国の零細自治体が、除雪費用や安全確保のための道路拡幅に費やすためのお金に事欠かないくらいの財源は確保されて然るべきだし、そのための財源を「利権」の一言で片付けようとするのは、短絡的な発想といわざるを得ない。
都会に降る雪を見るたびに、そう思ってしまうのは自分だけだろうか・・・?*1