アイフォン騒動決着。

以前、3度にわたり言及してきた、「iPhone」商標をめぐるアップルと「アイホン」社の“軋轢”だが、ここに来て決着を見たようである。


(過去のエントリー)
http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20070115/1168800327
http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20070309/1173458319
http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20070823/1187705827


日経新聞の記事によると、

「インターホン最大手のアイホンは24日、米アップルが販売する携帯電話機「iPhone」の商標権を巡る交渉で両社が和解したと発表した。日本ではアイホンがアップルに対し、英字での「iPhone」の使用を認めるが、片仮名表記を「アイフォーン」とする。日本以外では両社の商標が共存するという。」(日本経済新聞2008年3月25日付朝刊・第15面)

ということで、分かりやすさを重視したゆえか、法的にどのような処理をしたのかが少し分かりにくいのだが、アイホン社のウェブサイトで公表されているプレスリリースを見ると、その点もはっきりする。

アイホン株式会社(本社:名古屋市熱田区代表取締役社長:市川周作)は、Apple Inc. (以下Apple 社という本社:Cupertino, 米国カリフォルニア州)と、Apple 社の携帯電話「iPhone」(アイフォーン)の商標に関し、弊社が保有する国内および海外の商標権について交渉を行ってきました。このたび、両社は、日本国内においては弊社がApple 社に使用許諾を、日本以外の地域においては両社の商標が共存することで友好的な合意に至りました。その他の契約内容については、公表できませんのでご了承願います。」
(平成20年3月24日付「商標に関するお知らせ」)

IPDLの経過情報では、アップル社の出願商標(商願2006-86904号)について、いまだ拒絶査定が出された痕跡は見受けられないのだが、称呼類似を重視する我が国においては、アイホン社の商標を乗り越えてアップル社が登録を受けるのはほぼ絶望的な状況だったわけで、「使用許諾」という落としどころになったのも、十分理解できるところであろう。


日本以外の国では「共存」できるにもかかわらず、日本ではそれが難しい、というあたりに、商標法の国際比較を行う上でのポイントがあるように思うのだが、筆者の能力を超えるため、ここでは踏み込まない*1


むしろ、個人的には、アップル社が許諾の対価としていくら支払ったのか、純粋な許諾以外に契約上(あるいは契約外で)何らかの取り決めがなされているのか*2、といったところに興味はあるのだが、「公表できません」と言われてしまえばあとは想像するほかなく、何とも残念だ(笑)。


なお、IPDLの情報によれば、アップル社は、出願商標を分割して、商願2008-1814号(平成20年1月15日分割出願)という新たな出願を行っている。


指定商品は、

「おもちゃの携帯電話,おもちゃ電話」(笑)

こちらのほうは、恐らくつつがなく登録に至るだろうから、「日本国内で「iPhone」商標が(全く)登録できなかった」という表現は、正確ではないということに注意する必要があろう(もっとも、上記商標がどこまで効果を発揮するのかは現時点では不明であるが)。

*1:このあたりは「かんぞう」先生あたりにお任せしたい(笑)。

*2:商標許諾と平行して何らかのビジネス上の取引関係を結ぶパターンも、たまに見かけたりするのであるが・・・。