歴史は繰り返す。

この秋、混戦模様の国内古馬戦線の中で埋没しがちだった悲運の女王、ブエナビスタ
直線で前が塞がる不利があったとはいえ、前走で初めて複勝圏外の着順に落ちる、という敗北を喫し、大一番、ジャパンカップでも海の向こうからやってきた凱旋門賞馬・デインドリーム単勝人気で後れを取る屈辱・・・。

凱旋門賞馬」といえば、ジャパンカップでは“絶対来ない”の代名詞みたいな称号で、間違って人気が付くようなことになれば、馬券が美味しくなる・・・そんなジンクスが長年定着していたのだが、今年に関しては、レースで叩き出した驚異的なレコードタイムと、3歳牝馬・斤量53キロで出走できるという優位さ、そして何よりも日本での繁殖入りをにらんで(?)、か、あの社台が権利を保有した、という様々な要素も絡んで、「確かに来てもおかしくはないなぁ」という雰囲気があったのは確かだった。

だが・・・

父・スペシャルウィークが、12年前に鳴り物入りで来日した1番人気の凱旋門賞馬・モンジューを蹴散らして、エルコンドルパサーの仇を討った・・・そんな記憶が蘇るような鮮やかな勝利をブエナビスタは飾った。

直線で遮るものがなければどこまでも突き抜ける、“これぞブエナビスタ”という、強烈なアピールを残しつつ。

スローペースのままゴール前で団子レースになっても不思議ではなかったような展開を切り崩したウインバリアシオン安藤勝己の好アシストや、ライバルの鞍上に日本での実績が乏しいジョッキーがいた*1、といった様々な要素に恵まれたのは事実だろう。

でも、メンバー中唯一の上がり3ハロン33秒台の脚を、ラストイヤーのビッグレースで見せるところは、やはり「格の違い」というほかないわけで、この国を代表する馬としての貫録を示す、見事な勝利だったと思う。


ちなみに、個人的には、前走の天皇賞で、乱戦をレコードタイムで制した勢いと、東京コースとの相性の良さゆえ、トーセンジョーダンが今回の一押しだった。

いかに目移りしがちなレースとはいえ、天皇賞を勝ったばかりの馬が、3歳クラシック無冠の馬と大して変わらない人気に低迷している、というのはやっぱりおかしいわけで、その意味では、馬券的にも今回は会心のレースだった*2

3着に入ったジャガーメイルと合わせて3頭とも天皇賞馬、しかも3頭とも父親はジャパンCを勝った内国産馬*3。というのは、長年の日本競馬ファンとしてはやっぱり嬉しい。

ここ最近のレースクオリティの上昇もあってか、テレビで観る限り場内の盛り上がりもなかなかで、全盛期に匹敵するかのような熱っぽさが伝わってきた。

明らかに落ち目で、売り上げも右肩下がりが続いている、と言われる今の競馬界だが、こういうレースがもっともっと続いていけば、まだまだ存在感をアピールできる、そんな気がしている。

*1:あの展開を考えれば、デインドリームの位置どりは明らかに後ろ過ぎたし、もう少し思いきった仕掛けをしても良かったのではないか、という気はするところ。

*2:ついつい欲張って、トーセンジョーダンブエナビスタ軸の三連複にまで手を出してしまった(しかもそこそこ流した割には、3〜5着の馬がごっそり抜けていた)ゆえに、喜びは半減したが・・・(汗)。東京コースとの相性の良さや、去年のJCでも4着に入った実績なんかを考えたら、ジャガーメイルも外してはいけない馬だったと思うが、すべて後の祭り。

*3:2着、3着は東京2400m大好きのジャングルポケット