全日本フィギュアのモヤモヤをそのまま再現してしまったかのような、四大陸選手権。
高地コロラドでの開催、ということで、ジャンプの切れが増すのでは・・・?と期待された日本勢だが、光ったのは、ショートプログラムで4回転-3回転ジャンプを含む圧巻の演技を見せた無良崇人選手くらい。
高橋大輔選手は、ショートプログラムでの出遅れを挽回できないまま、パトリック・チャン選手との「差」を見せつけられる結果になってしまったし、女子も浅田真央選手がショートプログラム、フリーと2度トリプルアクセルに挑みながらも、いずれも回転不足をとられて減点され、フリーで見せ場たっぷりの演技を見せた全米女王のアシュリー・ワグナーに逆転される、という不覚*1。
全日本の時には、世代交代の萌芽が見えてきた中で、バンクーバー代表組に若干停滞感があるのでは・・・?というコメントもしたと記憶しているが*2、全盛期ならメンバー的にあっさり勝ち切っていたであろう「四大陸」でもこれだけの苦戦を余儀なくされた・・・というところに、日本を長年支えてきた“二枚看板”の陰りをどうしても感じてしまう。
もっとも、浅田選手に関して言えば、ずっと長いトンネルに陥っていたジャンプが回復の兆しを見せている過程でもあり、長らく封印していた3回転アクセルにもチャレンジするようになった、という明るい材料がある。
また、高橋選手も「4回転さえうまく決まれば・・・」という演技全体の冴えは、決して色あせていない。
昨年の四大陸選手権で、あまりに完成度の高い滑りをしてしまったがゆえに、本番でピークアウトしてしまったのでは・・・?と思わせるような結果になってしまったことなどを考えれば、「4回転が微妙に決まらない」という今の状況の方がむしろ期待を抱かせてくれることにもなるわけで・・・。
浅田真央選手ともども、四大陸選手権で“出し切らなかった”ことが、今年の世界選手権での良い結果につながる、と信じて、3月末のニースでの戦いを見守りたいと思うところである。
*1:この日の演技の迫力だけで言えば、世界選手権に出られないキャロライン・ジャン選手にも見劣りしていたように見えた。