儀式じゃないのよパブコメは。

“飾りじゃないのよ〜”の節に合わせるノリでタイトルを付けたのだが、口ずさんであまりにゴロが悪いことに気付く・・・。

という話はさておき、既にあちこちで話題に上がっているとおり、今日、17日は、債権法改正中間試案に対するパブリックコメント提出期限の最終日だった。

中間試案本文の公表から約3ヶ月、補足説明が公表され、正式にパブコメ手続が開始されてからちょうど2か月。

日頃、1〜2週間で「出せやゴラア」的なパブコメの検討を余儀なくされることも多い身としては、世の中で言われているほど、この期間が短いとは思わなかったのだが、さりとて、この中間試案が、「世の中の契約ルール全般に影響を与えうる民法の改正試案である」ということを考えれば、この期間が万人にとって十分な期間、とは言えなかったのも確かだろう。

意見募集の対象とされているテーマが、一度の法改正で対象とされるべき内容にしては、とめどなく広かったこと。そして、ほぼ争いがなくなりつつある論点だけでなく、立場によって意見がはっきり分かれ、審議会の内外で行われている議論そのものも、決して十分に煮詰まっているとは言えない論点まで対象となっていたこと、が影響したのか、今回のパブコメは、いつになく、意見のとりまとめに苦労させられた・・・というのが、率直な感想である。

おそらく、今回寄せられた意見の中には、自分がかかわったものも含めて、頭脳明晰な法務省の中の人々から見れば、「言っていることの意味が良く分からない」とか、「主張の論旨が不明」「主張の根拠が曖昧」といったネガティブな評価を受けかねないものも多く混ざっているだろうと思う。

だが、どんな不恰好な「意見書」でも、提出された最終的な完成形に至るまでの間には、社内の調整だったり、団体加盟各社間の意見調整だったり、はたまた、表記そのものの修正だったり・・・と、かかわったことのない人には恐らく想像もつかないほどの労力を経ているわけで、これで、役所のパブコメ回答でよく見られるような「木で鼻をくくるようなリアクション」をされた日には、がっかり感はこの上ない。

こちらから提出した意見を、全て法改正案の中に反映してくれ、などというつもりはないのだけれど、寿命を縮めるような思いをした分、せめて審議会の中で、議論の素材でも何でもよいから、こちらで提案した内容も少しは拾い上げてくれないかなぁ、という思いも当然あるわけで・・・。

今回の手続きが単なる儀式に終わるのか、それとも審議会内外での法改正に対する議論をより充実させ、盛り上げるための材料として使われることになるのかは分からないけれど、中で「意見」を扱う方々には、是非、一つひとつの意見の中に込められた提出者、提出団体の思いにまで、できる限りの想像力を働かせて、集計等の任にあたっていただくことを、筆者としてはただひたすら、願っている。

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