凱旋門賞でのリベンジに向けて、満を持して臨むはずだったオルフェーヴルが、肺出血でまさかの不出走となったものの、「ドバイで2着」の現役最強牝馬・ジェンティルドンナと、春の天皇賞を走るまでは、国内現役最強の呼び声も高かったゴールドシップが直接対決。
そして、今年に入ってから本格化を感じさせる2連勝、春の天皇賞ではもがくゴールドシップを後目に、堂々の初G1制覇を飾ったフェノーメノがこれに絡み、久々に見応えのある「3強対決」となった感があった今年の宝塚記念。
個人的には、牝馬とはいえ、連対率がほぼ100%で、JCやドバイシーマで牡馬相手の実績も残しているジェンティルドンナが、優勝に一番近い存在だと思っていた。
だが、結果は、スタートの出遅れ癖を改善した(?)、ゴールドシップが得意の阪神コース(今回の優勝で【3 1 0 0】)で堂々の優勝を飾った一方で、ジェンティルドンナは、明らかに格下のダノンバラードの後塵をも拝する3着どまり*1。
勝因、敗因については、巷でいろいろと囁かれているとおり、馬場状態(思いのほか悪い馬場だった)とか、臨戦過程(ジェンティルはドバイ遠征後、今年国内初レースだった)とか、そういったところで説明できるのだろう。
ただ、そういったところを全部弾き飛ばしてこそ、「伝説」になれるわけで、毎年新たなスターホースの登場を夢見る往年の競馬ファン(?)としては、今回の結果には、やはり落胆せざるを得ない・・・。
上に名前が挙がった3番人気の馬までが単勝3倍前後、その後の馬(4番人気はトーセンラーだった)の単勝オッズは14倍、と、今回のレースは「典型的な三強対決」だったし、この3頭とオルフェを合わせた4頭の力が互いに拮抗しているがゆえに、「絶対王者」が生まれにくい、というのが、今の古馬界の状況で、それこそが、G1で常に好勝負を見たいファンの期待に応える状況なのだ・・・という見方も、できなくはないと思うのだが*2、そんな拮抗の中でも、常に一頭だけ頭半分くらい抜けている馬がいてほしい、と思ってしまうのは、少々贅沢が過ぎるだろうか?
秋こそは、もっとすっきり・・・と、心の底から願う次第である。