東京芝マイルコースの不思議な力。

毎年、何となく荒れる印象が強い古馬牝馬のG1、ヴィクトリアマイルだが、今年もやっぱり・・・という展開になった。

比較的速いペースで進みながらも、思ったほど前に行った馬が止まらない、という展開。
その結果、昨年2着で、今年も東京新聞杯の勝ち鞍を引っ提げて臨んだホエールキャプチャは、追いすがったものの届かず4着までが限界だったし、今年に入って2連勝、鞍上に武豊騎手を迎え一番人気を背負っていたスマートレイアーは、見せ場なく馬群に沈む。

一方、勝った馬のほうは、最初帽子の色を見ても一瞬分からず、ゼッケンを見て「出てたんだ・・・」と思ったヴィルシーナ(11番人気)。
前哨戦であまりに負けすぎて人気を落としていた2着・メイショウマンボと合わせ、G1馬同士のワン・ツーなのに、馬連が8,450円も付く、というとんでもない結果になってしまった。

自分の場合、馬の名前を見て変な先入観を持ってしまう前に、競馬新聞の馬柱の方を見て、過去のデータと近走成績から、機械的に何頭かピックアップする(そして複数いればそこから絞り込む)という買い方なので、今回のヴィルシーナのように過去6戦全ていいところなく負けている、しかも距離、コースともずば抜けて目立つ結果を残しているわけではない、という馬は、なかなか対象に入れられない。

だが、冷静に考えると、この馬は昨年の覇者で、馬柱に乗っているレースの1個前まで遡れば、堂々の「1」の数字が入っていたはずだった。
そして、ヴィクトリアマイル、と言えば、昨年も5戦連続で2桁着順を続けていた一昨年覇者・ホエールキャプチャが、12番人気で大穴を開けた、という曰く付きのレースである。

牡馬の一線級に交じって戦った安田記念やJCはともかく、今年に入ってから2度出走した短距離レースで2桁着順にとどまっているような馬であれば、いくら前年の覇者とはいっても(そしてその情報をきちんと覚えていたとしても)、そう簡単には推せるものではないのだが、それでも「忘れられていた馬を思い出させる」府中1600mの不思議な力にちょっとでも思いを向けられていたら・・・と思うと、何とも無念でならない。

こういう結果になってしまった以上、昨年は叶わなかった“呪縛からの解放”を遂げられたなら*1、自分としては言うことはないのだけれど・・・*2

*1:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20130512/1368724431参照。

*2:かつての好敵手、ジェンティルドンナが、既に「世界トップレベル」の地位に上り詰めてしまっただけに、何とか背中を追いかけてほしいと願う。

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