またしても、ルメールマジック。

故障馬が相次いだ昨シーズンとはうって変わって、春の有力馬がそのままそろい踏みする形となった今年の秋華賞
そして、予想をややこしくしたのが、オークス馬・ソウルスターリング天皇賞・秋に向かった一方で、皐月賞に挑戦したファンディーナや、春はマイル路線で勝負していたアエロリットがここで参戦してきたこと。

紫苑Sを勝ったディアドラ以外は、オークス上位馬(モズカッチャン、リスグラシュー等)が軒並みトライアルで苦戦したことも予想を一段と難しくしていた*1

個人的には、最内枠のアエロリットが先行して抜け出したところで、うまく立ち回った武豊騎手のリスグラシューが差し切る展開、というのが何となく頭に浮かんでいたし、そうでなくても差し・追い込みには不向きの京都内回り、さらに雨で湿った馬場、ということを考えると、ラビットランとかディアドラのように後ろから来る馬は届かないんじゃないかな、と予測していたのであるが・・・。

結果的には、半分当たって、半分外れた、というところだろうか。

気持ちよく先行していたように見えたアエロリットは、距離の壁なのか、逃げたカワキタエンカ以上に失速して圏外に消え、ラビットランは思ったよりは前の位置取りをキープしていたものの、直線で伸び悩んでこれまた馬券には絡めず。

一方で、スタートで少し立ち遅れて、厳しいかな、と思わせたディアドラ、リスグラシューが、直線で抜け出しかけたモズカッチャンを捉えて1,2フィニッシュ。
外から派手なマクリを見せたリスグラシューと、内からスルスルと上がっていったディアドラ。名手に操られた両馬の位置取りは対照的だったが、結果的に、最短コースをうまく立ち回る形になったルメール騎手のディアドラが差しきったのは、必然だったというほかない。

桜花賞以降、ディアドラの手綱を取っていたのは岩田康誠騎手で、前走の紫苑Sでの絶妙なハナ差差し切り勝ちも、彼の腕があってこそ、というところがあった。
その岩田騎手が初めて牝馬3冠レースに参戦したファンディーナの方に回ったがゆえに掴んだチャンスを、更に巧みな騎乗で大きな星に変えたのがルメール騎手*2

好位に付けながらも直線でズルズル後退して、勝ち馬を遥か後方から見るしかなかった岩田騎手が、鞍上で何を思ったかは分からないが(結果2番人気を背負いながらも13着惨敗)、素人目で見てしまうと、これは日本人騎手が何人束になってもかなわないよな・・・と思わせるに十分な騎乗ぶりだったと言えるだろう。

そして、この後も、アルアインソウルスターリングレイデオロ、と、G1勝ち星をどこまで伸ばすか、というお手馬が揃っているだけに、武豊騎手ほか、今日、苦杯をなめた武豊騎手以下のジョッキーたちには、何としても意地で一矢を!と願わずにはいられないのである。

*1:桜花賞レーヌミノルに至っては、オークスローズSと結果を出せなかったこともあって、今年のG1馬とは思えないような低人気にあえいでいた。

*2:元々はアドマイヤミヤビへの騎乗が決まっていたが、先月の引退を受けて空いたサヤに収まった、ということだと推察している。

google-site-verification: google1520a0cd8d7ac6e8.html