終幕の時。

日本勢が4つの金メダルを含む史上最多のメダル13個、という実績を残して閉幕した平昌五輪。

「平昌」五輪と言いつつ、氷上競技中心に、実際には「江陵(Gangneung)」の方がメイン会場のようになっている、とか、時差がない国での開催にもかかわらず、競技時間の設定が完全にテレビシフトしていて、花形競技ほど仕事後の時間には見づらくなっている*1、とか、細かい突っ込みを入れ始めたらキリがない。

また、北朝鮮とのアイスホッケー合同チームに象徴されるように、開催国による五輪の政治的活用も節々で見えてきて、その流れが閉幕に至るまであまり変わらなかった、というのも隣の国の住民としては複雑だったのだが、一方で、韓国内ではアイスホッケーよりも、スケートのショートトラックスノーボードカーリング、スケルトン等々、純粋に「自国の選手が強い競技」の方が盛り上がっていたように見えたし、スピードスケート女子500mのゴール後のシーン(小平奈緒&李相花)が、繰り返し使われていた*2こと等を見ても、もはやソウル五輪の時代ではなく、かの国の人々もスポーツを純粋な気持ちで楽しめる成熟期を迎えたのだな、と正直安堵したところはある。

個人的には、日本が金メダルを取った4つの競技・種目に関しては、全てLIVE中継で見ることができたこともあり*3、非常に満足度は高かった*4

夏と比べると、どうしてもマイナー競技ばかりになってしまう*5冬季五輪の場合、4年に一度の機会でどれだけアピールできるか、によって、その後の競技環境も大きく変わってくる。だから、今大会の結果は、選手だけでなく多くの関係者を幸せにしたのではないかな、と思っている。

もちろん、カーリングのように、何試合も戦って「メダルを取れた」ことに大きな意味を見出している競技もあれば、「金メダルを逃した」ことが、トラウマのようにのしかかってきそうな競技もあるのだけれど、今大会に関して言えば、“前評判”の高かった選手、チームが軒並み期待以上の結果を残していることもあって*6、良かったね、という言葉しか出てこない。

「五輪」とは4年に一度の人生交差点。

これから2年間、好むと好まざると、世の中が「東京」一色に染まることは避けられない中で、競技を続ける選手たちの心中はどうなのだろうな、という思いもちょっと胸をよぎるのだけれど、良い結果を残せた選手、そうでない選手、そして、今大会を目標にしながら舞台に立てなかった選手*7とその関係者たちにとって、ここから先の4年間、あるいはもっと先の人生が、充実したものとなることを願ってやまない。

*1:もっとも欧米開催の五輪のように、深夜、早朝にハイライトが来ない、という意味では、“近い国”の五輪ではあった。

*2:閉幕直後の公式サイトの配信メールでも再びあの写真が使われていて、個人的には心底嬉しかった。

*3:何と言っても、フィギュアスケート(男子シングル)の競技日が土曜日だったことに救われた。

*4:今月に入ってから結構ハードな出来事が続いたこともあって、これまでの五輪の時以上に余裕のない日々を過ごしていた中で、これだけ巡りあわせが良かった、というのはラッキーだった。長野五輪の時ですら、モーグルショートトラックの金はLIVEでは見ていないので。

*5:そもそも、部活動等で冬季五輪の競技種目を実際に経験したことがある人も、東京では夏に比べれば圧倒的に少ない、というのが現状だと思う。

*6:強いて誤算を挙げるなら、フリースタイルスキーが、モーグルの銅メダル1つに留まったことくらいではないだろうか。

*7:本当は、ソチで涙の負傷棄権を味わい今大会も出場権を得られなかった伊藤みき選手の話とか、五輪の裏で全日本の舞台に臨んだLS北見以外のカーリングチームの話などにも触れる機会があればよかったのだけど、それはまた時間ができた時のネタにとっておくとする。

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