1月以降、この話題で何かを書くことが多くなっているのだが、気の利いたタイトルを付けようにもそろそろネタが尽きてきたし、今はまだ意識高く前向きなことを書ける状況でもないかな、と思うので、本日はベタなタイトルで。
先週くらいまでは、前向きな話題、無関係な話題がかなりの割合で混在していた世の中のニュースも、今日あたりは2～3本に1本は「コロナ」という感じになっている。
数少ない明るいニュースとしては、先週、爆発的な下げで多くの投資家の資産を溶かした株式市場が、日銀総裁の”口八丁”で、辛うじて上げに転じたことくらいだろうが、それも午後一の「飛翔体」のニュースで腰砕けになり、さらに取引終了後に、いくつかの会社が「コロナの影響」を織り込んだ下方修正を出していることもあって、ナイトマーケットでは今日の上げを軒並み打ち消しそうなキツイ下げ。
特に、昨日の厚生労働大臣の記者会見で、”名指し”されてしまった、
「スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テントなど」
に関連する業界の人々にしてみれば、これからの2週間、1か月、場合によっては数か月にわたり、本当に苦しい時間を過ごさないといけなくなるわけで、「下方修正」してもまだ利益を残せる、あるいは、しのげるだけのキャッシュを回せる会社ばかりではないことを考えると、何とも因果な話だな、と思わずにはいられない*1。
そして、隣の国で連日爆発的に伸びていく感染者数の数字と、未だに散発的な報告者数の積み上げに留まっているわが国の状況を比較した時、「今、検査を受けたくてうずうずしている人々が皆PCR検査に駆け込んだら、一体どうなってしまうのだろう？」*2という不安はどうしても消えないのである。
多くの大企業で今週から本格的に始まった「在宅勤務」「テレワーク」の動き等、こんな時でも、行き詰まりかけていた社会にブレイクスルーを生じさせるんじゃないか、と期待させる材料はチラホラ見え隠れする*3。
学校の休校に伴って、教育系テック企業や遠隔会議向けソリューションの技術を持つ企業のアピールの場ができた、ということも世の中へのインパクトは決して小さなものではないし、ここで未来への扉を開くことは先々まで大きな意義をもたらすのではないかと思っている*4。
www.learning-innovation.go.jp
ただ、変革が大きければ大きいほど、多くの人が強い痛みを伴うのもまた事実なわけで、何かが変わる（変わった）ことをポジティブに受け止められるようになるまでには相当な歳月を要するはず。
だから、今は、辛うじて手帳に残っていた会合の予定が、一つ、また一つ消えていくのを淡々と眺めながら、そのためにちょっとだけできた余裕を生かして、活動する人がめっきり少なくなってしまった東京の街で「変わらないもの」を探してみる試みも良いかな、と。
ということで、中途半端ではあるが、本日はこの辺で・・・。
*1:資料はhttps://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000601720.pdf参照。実際の感染例に基づく例示だから、全くの風評被害、ということではないのだが、大事なのは、「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」は避けろ、という話だったはずで、ビュッフェスタイルの食事をするな、とか、スキー場に行くな、ということではなかったはず。既に多くの方々がツッコミを入れているように、首都圏に関していえば、大きなホテルのビュッフェ会場での感染リスクよりも、「公共交通機関の中」の感染リスクの方がはるかに高いわけだから、誤解を生じさせかねないような例示は避け、より抽象的な（でも端的に誰もが何が危険かを連想できるような）表現で警鐘を鳴らすべきだったのではないか、と思えてならない。そして、感染から発症までのタイムラグを考えると、既に手遅れ・・・という感はどうしても否めない。
*2:当然ながら、短期間のうちに、100人単位ではなく、それより1桁上の数字で感染者数が上乗せされる結果となることは容易に想像がつくのだが、その事実が明らかになった時に世界からどういう目で見られるか、というところが一番怖かったりもする。「情報」が一番インパクトを与えるのは、中身よりも「出方」だから・・・。
*3:この一連の動きに関しては、ネガティブな面も含めて一度エントリーとして挙げたいと思っていて、現在あちこちで情報収集に励んでいるところである。
*4:まぁ、この試みを仕掛けているのが文部科学省ではなく、経産省である、というところに、今の日本の構造的な問題が透けて見えたりもするのだが・・・。
