一回りした暦と刻まれた新しい歴史と。

早いもので、2021年も今年最初の東京開催が最終週を迎え、今年最初の中央GⅠが行われるタイミングとなった。

そして、そう聞くと思い出すのが、ちょうど1年前のこの開催日が、

「観客が普段通りに入場してレースが開催された最後の日」

だったのだな・・・ということ。

2020年2月23日、総入場人員50,985名。

次に東京競馬場に開催が戻ってくる頃には、少なくとも入場人員「ゼロ」ではないことを信じたい。

日曜日のレースの方は、「地盤沈下」が指摘されるフェブラリーSで、”大物”と言われて久しいカフェファラオが初のGⅠタイトル獲得。

また、個人的にはそれ以上に嬉しかったのが、来週に定年を控えた西浦勝一調教師が7歳馬・テリトーリアルで小倉大賞典を獲った、というニュース。

これまで長らく、「引退する調教師」といえば、「昔、騎手だった人」というのが自分の認識だったのだが、西浦師といえば、自分の年代からみれば「ヤエノムテキの主戦騎手」であり、騎手引退の時のエピソードも記憶にあるくらいの存在だから、「もう定年になられるんですか・・・」というのが正直なところ*1

どこかのWINSで眺めていた引退式からまさに四半世紀、それは自分自身のどっぷりとつかった「歴」ともリアルに重なるわけだが、その最終盤のタイミングで、長年手塩にかけて育ててきた馬が初めての重賞を掴んでくれた、というのは、実に嬉しいことだろうな・・・と思わずにはいられなかった。

来週になれば、さらに様々な思い出が胸をよぎるであろう「卒業」ウィーク*2

月が変わればルーキーたちが華麗にデビューするはず*3

観客こそまだ戻らないものの、暦が着実に一回りして、新しい歴史が毎週生まれ続けているというのは、ありがたい限り。

そういえば、昨年、「無観客突入」の週に行われ、”ドバイの悲劇”の布石にもなった「サウジカップデー」も再び順調に行われ、日本勢はサウジダービー、リヤドダートスプリントの2レースを制す、という昨年以上のフィーバーに湧いたし*4、その前日には昨年アクシデントで参加できなかった国際騎手招待レースに藤田菜七子騎手が参戦して好成績を収めてもいる。

いずれドバイで、オーストラリアで、と次々に海外でもビッグレースが組まれ、少なくともグリーンチャンネルの中では、名実ともに「平時」が戻る、ということになるかと思うと、何とか追いかけていく術はないものか・・・という気分にさせられるわけだが、才能ある馬と、それを支える人々だけでも我々の代わりに自由に国境を超えて飛んでくれ!というのが、今の切なる願いである。

*1:それは3年前に小島太調教師が勇退された際にも感じたことだが、騎手時代から「大ベテラン」の印象が強かった小島師とは異なり、同じ時期に調教師に転向された「西浦騎手」には「中堅」の方、というイメージも持っていただけに(あくまでイメージで実際の年齢はそんなに変わらなかったのだが・・・)、なおさら驚いたところはあるのかもしれない。

*2:時に蛯名正義騎手の引退、というのは、自分にとっても結構大きな節目かな、という気はする。ダビスタでも結構お気に入りで使ってた「海老正」。

*3:特に新人女性騎手が2名デビュー、というのが目下最大の話題になりそうだが、それが年の終わりにどうなっているか、というのもちょっとした見ものである。

*4:もっとも、欧州勢が目の色を変えて臨んできた歴代最高賞金レース・サウジカップには、日本GⅠ覇者のチュウワウィザードが参戦しても昨年の日本勢同様、全く歯が立たなかった。勝ったのが前年フルフラットの2着に甘んじたミシュリフだと聞くと非常に複雑な気持ちになるが(しかもそのフルフラット自身、帰国後は鳴かず飛ばす感があるだけに・・・)、これもまた「世界の壁」の一つなのだろうと思っている。

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