”2匹目のどじょう”は逃しても、逃がさなかった大魚。

もはやすっかり3月末の風物詩となったドバイワールドカップデー。

先月のサウジアラビアでサウジカップ優勝をはじめとする華々しい活躍を見せた馬が多かったこともあり、今年も例年以上に豪華な布陣で乗り込んでいくこととなったのが、日本調教馬陣営で、実際、そこで出した結果も実に見事なものだった。

最初のゴドルフィンマイルこそ馬券圏内に食い込めなかったものの、続くUAEダービーでデルマソトガケ以下、上位4頭を独占する派手な勝ちっぷり。

短距離のゴールデンシャヒーンでは、米国血統のスピード馬たちの後塵を拝したものの、ドバイターフでは国内GⅠ未勝利のダノンベルーガが豪快に追い込んで2着。さらにドバイシーマクラシックではイクイノックスが後続に影をも踏ませぬ逃げでそのままゴールに飛び込んで優勝。

そして最後のドバイWCでは、サウジカップからの「連勝」を狙うパンサラッサやジャパンカップ勝馬のヴェラアズールらに焦点があてられる中、”リアル砂馬”たちが猛然と反撃した。

ウシュバテソーロが後方から強襲して堂々の優勝。テーオーケインズ、クラウンプライドといった馬たちも馬券にこそ絡めなかったものの、しっかり存在感を示す。

他の逃げ馬に競りかけられてハイペースの削り合いに巻き込まれた結果、「2匹目のどじょう」を逃すことになったパンサラッサ陣営には気の毒というほかないが、潰れた先行勢を呑み込んだのもまた日本勢だった、ということの爽快感は何物にも代えがたいものがあった。

かつて日本のガチのダート馬で世界と戦うなんて無理、という声も普通に出ていた世界で、とうとう世界の頂点に立ってしまったこの凄さをどう形容すればよいのか自分も答えを持ち合わせてはいないのだが、サウジカップに続いて日本馬関係者の”ダート適性”を十分に証明したこのレースが、ここから先の心理的な壁を打ち破る効果を発揮してくれる、と自分は信じているし、何よりもサウジカップに続いて日本の競馬学校育ちの騎手が頂点に立ったということをここで改めて強調しておきたい。

いつものように、”裏番組”となってしまった国内GⅠがどうしても霞んでしまった週末ではあるが、ここからまた踏み出される一歩に最大限の期待を込めて、温かく見守っていきたいと思っているところである。

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