また一つ、次元を超えて。

ダービーで総入場人員が62,364名まで戻った、という話を聞いて、すっかりポスト・コロナだな・・・と思ったのは一週間前のこと。

今週も日曜日の東京競馬場に32,471名だから、往時に比べればまだまだとはいえ、5000名に満たなかった昨年に比べると大きく様変わりした

最近ちゃんと見ていなかった売得金の額も、ダービーが16.2%増安田記念15%増

徹底したDX戦略が功を奏して売り上げを伸ばしていたJRAも、ことこの春のGⅠクライマックス期のメインレースに関しては、ちょっと苦戦しているところがあって、一昨年、昨年と、2019年の数字をなかなか超えられていなかったのだが、今年は20~30億円くらい突き抜ける数字をたたき出して、更なる高みへと昇った。

これは、「入場者数が増えた」ということだけに起因するのではなく、世の中全体の高揚感やファン層の拡大にも下支えされた数字だと思うだけに、これから年内いっぱいくらい、まだまだ伸びていく余地はありそうで、年末までにどこまで届くのか、今から興味津々だったりする。

そして、レースの中身の方に目を移すと、今週から始まった2歳新馬戦で、これまた「新時代」の予感を随所に感じることになった。

土曜日の中京5レース、今年最初の2歳新馬戦で快勝したのが、サトノダイヤモンド産駒ダイヤモンドハンズ

東京の最初の新馬戦ではリアルスティール産駒(オールパルフェ)が2着に入り、翌日日曜日の中京新馬戦では、ミッキーロケット産駒(ジョウショーホープ)とマインドユアビスケッツ産駒(メイクザビート)のワン、ツー。

さらに日曜東京の6レースでサトノクラウン産駒(クラックオブドーン)が勝った、というニュースに接して思わず目が点になってしまった。

これから各地で始まるセリに備えて、良く仕上げられた大手の牧場出身の馬たちが一種の「広告塔」として早い時期の新馬戦に使われる、というのはよくあることだが、今年に関しては、かなりの確率で結果まで整っている、というのが心憎い限りである。

種牡馬の勢力図が既に大きく動き出し、馬を操る騎手の世界でも世代交代のうねりは着実に起きている。

そして今回、安田記念開業6年目の林徹調教師ソングラインで制したことで、更なる楽しみも増えた*1

無観客で行われるレースをテレビの画面越しに念を送りながら見つめる、という競馬も、それはそれで悪いものではなかった、と自分は思うのだけれど、人が戻り、世の中も動き始めた中で、変化を人気の起爆剤として中央競馬がもっともっと次のステップへと進んでいくことができるのであれば、それを止める必要など全くないわけで、今はこのまま新しい次元へと向かっていけるように、秘かに願い続けたいと思っているところである。

*1:栗東でいえば8年目だがまだ39歳の斉藤崇史調教師に4年目の吉岡辰弥調教師、美浦なら田中博康調教師にこの林調教師、が、今一番推している方々だっただけに、この日のGⅠ勝利にも非常に感慨深いものがあった。

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