日本シリーズ第4戦

昨日の時点で覚悟はしていたが、
まるで悪い夢を見ているような気分である。


今日は、昨日までとうってかわって、
タイガースに勝つチャンスが十分にあった展開だった。


セラフィニの立ち上がりを攻めて、初回から先制のチャンスが来たし、
その後も毎回のようにランナーを出す展開。
相手の投手陣はピリッとしなかったし、守備のミスが目立った。
6回にはシーツから代打・桧山まで四球をはさんで今シリーズ初の連続攻撃。
8回、9回も、大量点につながるきっかけは築いていた。


だが・・・


1回、ランナー二、三塁でクリーンナップが凡退。
2回、矢野が四球で出塁も牽制死。
3回、一死後、赤星が失策で出塁して盗塁を決めるも以下凡退*1
4回、金本今シリーズ初ヒットも今岡併殺打
5回、矢野のヒットと四球で、無死一、二塁も、代打浜中三振*2、赤星併殺打
6回、2点を返したが、なお逆転のチャンスで当たっていた矢野が併殺打
8回、先頭の鳥谷が歩くもシーツが送れず、続く金本、今岡が連続三振。


そして、9回、ストライクの入らない小林雅、
四球で先頭の代打・片岡が出塁し、プレーオフ第3戦の再現かと思いきや、
矢野がバント失敗併殺*3、と致命的なミスで万事休す。


せっかくチャンスを作っているのに、
後続がことごとくチャンスを潰す。
一点を争う展開なのに、肝心なところでバントさえできない。


はっきりいって、プロのレベルの試合運びでは到底なかった。


タイガースは、杉山、能見、福原、と先発級の投手をつぎ込み、
さらにはJFK揃い踏み。
いい投手を出せば、いくら勢いのある打線でも止められる。
今日は、李以外のバッターにはほとんどヒットを許していない。


だが、数少ないチャンスをきちんと活かし、
2回に先制2ラン、4回には四球から今江がきっちり送ってタイムリー、と、
李の3打点につなげている。


たら、れば・・・、はいくらでもある。
だが、今日の試合を見ると、
単なる勢いではなく、シーズン中にやってきた野球の「質」の違い、
指揮官の「格」の違いを感じざるを得ない。


シーズン中なら4連敗しても5連勝すれば貯金は増える。
負けている間はJFKを休ませればいいし、打順を無理にいじる必要もない。
だが、日本シリーズは4つ負ければ終わりである。
今日のような思い切った投手起用や代打策は、昨日の時点で講じるべきだろう。


また、マリーンズに比べて試合間隔があいたことを敗因に挙げる向きもあるが、
何もアクシデントがあって間隔があいたわけではない。
シーズンが終わった時点でこれだけのブランクができることは分かっているのだから、
その間にいくらでもできることはあっただろう。
相手方は短期決戦続きで、手の内を見せているわけだし、
疲労がたまっていた選手も少なからずいたはず。
日程のせいにするのはいかがなものかと思う*4


こんな形でプロ野球のシーズンが終わってしまったのは残念なのだが、
それ以上に残念なことは、
これだけ負けても、妙にどこかで醒めている自分の変化に気付いてしまったこと*5
相手が二番目に好きなチームであったことだけが原因ではあるまい。


かつて、「阪神タイガース」の勝ち負けは自分の生活の一部だった。
年月を経て、そんな時代もいつのまにか過ぎ去ってしまっていたようだ。
負けても負けても、少しでもいい材料を探すために、
スポーツ新聞を読み漁っていた時代が懐かしい・・・。

*1:シーツの当たりは不運だったが・・・。

*2:スタンドは沸いたが、まだ回も浅く、確実に送って上位に回すべき場面でなぜ浜中を出したのか理解に苦しむ。

*3:なぜかここで今江のところに打球が飛ぶ・・・。

*4:セ・リーグファンの興をそがないために、来季以降改善する余地はあると思うが・・・。

*5:前回のシリーズの時も醒めていたが、その時は、リーグ優勝で燃え尽きたせいだと自分に言い聞かせていた。今年のリーグ優勝も、直前まで気持ちがあまり盛り上がっていなかったが、それは2年前の感動が大きすぎたせいだと、これまた自分に言い聞かせていた・・・。

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