必然的な敗北

テレビの前に張り付いて
我らが日本代表を応援していた皆様には申し訳ないのだが、
負けるべくして負けた、それが率直な感想だ。


自分自身、何週間も前から店を予約して今日の日を待っていた。
不味い酒は飲みたくなかった*1
だが、今日の試合展開を見る限り、
いかにジーコが強運に恵まれていたとしても、
勝ち目は皆無だった。


試合終了後、岡田武史山本昌邦、という
日本の過去のワールドカップ出場を陰に日なたに支えてきた
指導者たちが一生懸命日本代表の戦いぶりを
フォローしていたが、
残念ながらリップサービスが過ぎたと思う。


「後半、カウンター攻撃がうまくはまっていた」
というが、
ゴールを脅かすような恐怖感を与えた攻撃は
ほとんど皆無、といってよかった。


日本の先制点のシーン、
リプレイをみると、高原選手と柳沢選手が思いっきり
キーパー相手に体当たりをしている。
ヒディング監督が抗議するまでもなく、
キーパーチャージとられておかしくない状況。


オーストラリアは単にガタイが良いだけの会社じゃなくて、
パスの精度が見事だったし、足元も器用な選手が多かった。


ゆえに、ボールはほとんど相手任せ。
ボールポゼッションで一世を風靡するはずだった
我らが日本代表は、この試合に限って言えば、
明らかに“初期不良”状態で戸惑っていたように見えた。


仕事をしていたのはキューウェルを消したDF・駒野選手と、
GK・川口選手、そしてFW・柳沢選手くらいだろうか。


得点の香りが全くしない試合展開、
思いっきり下がったDFラインの最後の一枚の抵抗と
川口選手の再三の攻守のおかげで、
後半終了10分前あたりまでは、
代表チームらしい“互角の”戦いを見せてはいたが、
神様の神通力をもってしても、
それでそのまま逃げ切れるほどワールドカップは甘くない。


ロスタイムの一点などは明らかに余計だったにしても、
ピッチの上ではドローに持ち込むことすら厳しい状況で、
実際そのとおりになった。


さらに言えば、
監督の采配がここまで対照的だった対戦も珍しい。


名称・ヒディングは、
後半開始早々ケイヒル選手を投入、
さらに攻撃の手を緩めず、アロイージ選手も投入。
結局、同点、逆転ゴールはケイヒル
止めを刺したのはアロイージ選手であった。


一方、神様・ジーコは、
リードしている後半33分に柳沢選手を下げ、
なぜか小野伸二選手を投入。
前半から相当走り回っていたから、
コンディションの問題は少なからずあったのだろうが、
前線でボールキープできる選手が一人消えたのは
やはり大きかった*2


さらに、逆転されて泡を食ったか、
後半から入れたばかりの茂庭選手を下げて、
ロスタイムに大黒選手を投入する大失態。
挙句の果てに薄くなった最終ラインを破られて
致命的な3点目を喫する。


もはや何も言うことはない・・・。


前日のエントリーにも書いたように、
勝ち負けにかかわらず、自分の国の「型」を見せられるか、が、
ワールドカップで評価されるかどうかの一つのポイントだと
思っているのだが、
その意味でも、日本は最悪。
守勢一方で全くカラーを出せていない。


ゴール前の決定力に難があったとはいえ*3
グラウンドを広く使った早い展開で、
ハイボールだけでないテクニックの高さも証明した
オーストラリアに比べると、その差は歴然。


とりあえずあと2試合、
次のクロアチア戦で、何とか手ごたえを掴んでほしい、
と思うのであるが・・・。


(追記)
監督が給与払った払わない、で敵前逃亡しかけた
トーゴが相手とはいえ、
お隣の国の初戦の試合運びは見事であった。
どこでこんなに差を付けられたのやら・・・。

*1:同点に追いつかれる直前の川口の再三にわたる好セーブのあたりでは店内が大いに湧いていたのだが、追いつかれた瞬間からはため息しかなかった。終了のホイッスル後の客のはけるのが早いこと早いこと・・・(苦笑)。

*2:普通に考えれば大黒選手だろうし、守りを固めるのなら遠藤保仁だろう。。。

*3:それだけ、中澤選手や宮本選手がよくカバーしていたともいえる。

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