「フィギュアスケートも同じだ」
と、オシム監督が見ていたら言ったかどうか・・・。
「フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル最終日は16日、当地で男女のフリーなどが行われ、女子ショートプログラム(SP)で首位の浅田真央(愛知・中京大中京高)はフリーでミスを連発し、合計172.52点で2位だった。」(日経新聞2006年12月17日付朝刊・第35面)
マイズナーもロシェットも出ていない“ファイナル”に
どの程度の価値があるのか、最初から疑わしい大会だった上に*1、
氷が合わなかった日本勢の不振で、
日本の視聴者にとっては何ともイタイ大会に*2。
浅田真央選手に関しては、どこのメディアも、
「身長が伸びてジャンプの重心が変わった」ことによる成功率低下、
そして、追う立場から追われる立場になった、という心理面の影、
といった点を強調しているが、
それでも一週間前には世界最高スコアを出したりもしているのだから、
この日フリーが不振に終わったのは、
彼女自体の根本的な問題、というより、
男子フリーの高橋大輔選手*3、安藤美姫選手*4の失敗の
連鎖反応に過ぎない、と言うべきなのではないだろうか。
最初のステップ→3アクセルを失敗した後、
コンビネーションジャンプをことごとく跳ばなかったあたり、
解説の佐藤有香氏の言葉を借りるまでもなく、
非常に消極的な印象を与えてしまったのも確かで、
それゆえ冒頭のオシム語録を連想したりもするわけだが*5、
それでも、今季GPシリーズの開幕の時よりも
スコア自体は良くなっているわけで*6、
連鎖反応の呪縛が解けて、普通にジャンプが跳べるようになれば、
キム・ヨナ如きに負けるはずがない・・・*7。
と思ってしまうのであるが・・・(買いかぶりすぎか・・・?)。
なお、村主章枝選手は、SPに続いてフリーでもジャンプを失敗、
と今大会は今一歩の成績。
それでも、フリー103.64点、計158.78点で、
自滅した安藤美姫を逆転し、日本人2番手の4位*8。
どんなに状況が悪くても、安定した結果を残す。
やはり「日本のエース」の称号は、彼女にこそふさわしい。
ゆえに、年末の全日本選手権、
今年も優勝は・・・・と予想する*9。
*1:今季好調のサラ・マイヤー選手を拝めたあたりに一筋の光明はあるが・・・。
*2:しかも朝刊で結果が報道されている試合を堂々とその晩のゴールデンタイムに放映するテレ朝、逝って良し!
*3:演技の終盤で突如苦悶の表情を浮かべ、最後フラフラになりながらフィニッシュ。ステップがほとんど踏めていないのに、2位で残ったのはほとんど奇跡としか言いようがない(苦笑)。
*4:最初のコンビネーションジャンプの失敗がすべて、あとはほとんどのジャンプがシングルで、解説の佐藤有香氏もきっぱり「これでは点数になりません」。気分が乗らないとこうなってしまうというのは、昨シーズンで証明されているのだが・・・。
*5:浅田選手は調子の良し悪しが思いっきり表情に出るので、人間的には親しみが湧くのであるが、採点競技においては時にマイナスに働くこともあるだろう・・・。
*6:102.39→103.18点。採点者の主観による変動もあるだろうが、ジャンプ以外の要素で点をある程度稼げるようになってきたというのもあるだろう。
*7:16歳にして・・・、というキム・ヨナ選手の独特な表現力には相変わらず感嘆の声を挙げざるを得ないのだが、最初の衝撃が醒めると、あのクネクネした動きに何となく違和感を感じてしまうのも事実なので、キム・ヨナが勝つくらいならマイズナーに勝ってもらった方が・・・というのが本音。
*8:フリーだけなら浅田真央選手のスコアを上回る日本人トップの成績。
*9:書いた瞬間に結果が狂うのがこのブログの常なので、敢えて書かないでおくが。