以前の予告*1どおり、
に行ってきた。
懸念された客層だが(笑)、思ったよりは若い人(若く見える人)もチラホラ・・・といった感じで、特に、青春時代をタニムラさんとともに過ごした30代男性とタニムラさんの全盛期をかすかにしか(あるいは全く)知らない(と思われる)世代の女性の組合せが多いなw、というのが率直な印象*2。
もちろん、ステージ上のかつての“ガールポップ”の旗手と同じく、客席の観衆も歳月とともに年輪を刻んでいるのは確かで、髪の生え際だの、コートを着た後姿だのに目を凝らせば、もう90年代ではないんだなぁ・・・ということに、容易に気がついてしまったりもするのであるが。
(人のことはまったく言えない・・・(苦笑))
さて、肝心の中身は、といえば、モーツァルトの名を冠した立派なホール、本格派の名手を揃えたバンドメンバー、一曲ごとに温かい拍手を送る成熟した観衆、そして、そんな絶好の舞台で、定評のあるピアノテクニックと冴え渡り過ぎて開始早々にまきが入るほどの爽快なMCを聞かせてくれる谷村有美、という期待通りの展開。
そして、それ以上に驚きだったのが、伸びやかさに加えて、力強さを増したヴォーカル・・・。
かつて、武道館という広すぎるハコの中で、ちょっとした失望を味わっていた自分が、13年ぶりにたどり着いた真のクリスタル・ボイスが、そこにあったといっても過言ではない。
いくらプロといっても、高音域を主戦場とするヴォーカリストである以上、少々の音程の乱れや、声量不足には目をつぶってあげるのが正しい鑑賞法というもので、もとより、巷で取りざたされるほど彼女の「歌唱力」に問題があったとは自分は思っていないのであるが*3、この日のタニムラさんの歌声、特に、アンコール前の3曲に関しては、かつての雑音を完全にシャットアウトできるくらいの気高さと力強さがあったと思う。
ちなみに、(途中いい加減なところもあるが)この日のセットリストは↓を参照。
1.朝は朝 嘘は嘘
2.生まれかわる気持ち
3.新曲
(MC/バンド紹介・・・以下バンドメンバー登場ごとに断続的に続く)
4.一緒に暮らそう
5.サンタを迎えに行く夜
6.ひとつぶの涙
7.たいくつな午後
8.Boy Friend
9.A・RA・WA
10. Instrumental Part...
11.好きこそものの上手なれ
(バンドメンバーによるパフォーマンス)
12.FEEL ME
13.いちばん大好きだった
(MC/Act Against AIDS関係)
14.恋に落ちた
15.雪の扉
(アンコール)
16〜18 クリスマスソングなど(曲名が分からないので失礼・・・)
19.Tonight
20.Not for Sale(アカペラ)
筆者は『With』以降にはまったクチだから、初めて買ったアルバム『docile』(1992)からの2曲*4と、この季節にもっともふさわしい(と個人的に思っている)アルバム、『幸福の場所』(1994)からチョイスされた2曲*5が、この日のベストだったと思っている。
(当然、このあたりは人によって様々な感想をお持ちのことだろうが*6)。
「愛は元気です」「幸せ探して」&「ときめきをBelieve」など、聞けなくて残念、という曲もあるが、思わずどよめきがあがった「Boy Friend」なんてナツメロも聞けたことだし*7、チケット代に違わず、満足度がきわめて高いコンサートだったのは間違いない。
来年でデビュー20周年。
再び彼女の生声を聞けるのがいつになるのかは分からないけど、良いものは時代を超えて生き続ける。
そう、信じてその日を待ちたいと思う・・・。
*1:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20061102/1162491050#tb
*2:随所に見られた甘酸っぱい10年、15年一昔前の想い出を語る男性諸兄の姿は微笑ましいのであるが、自分の周辺でやられるのはちょっと、ねぇ・・・(笑)。
*3:それは、一時世を席捲したavex系アーティストの生声と聞き比べれば一発で分かるはず。
*4:♯7「たいくつな午後」、♯13「いちばん大好きだった」
*5:♯14「恋に落ちた」、♯15「雪の扉」
*6:自分の場合、かつてライブに足しげく通っていた、というわけでもないので、正直「FEEL ME」のノリとかにはイマイチついていけなかったりもするのが残念・・・。まぁ、90年代前半の香り残る、“手拍子ジャンプ”をオールドファンにやらせてしまうタニムラさんが偉大なのは間違いないのであるが(笑)。
*7:「遠くにいてもMy Boy Friend 君の声聞こえているよ」のフレーズに象徴される究極の遠恋応援ソングを、かつて「KDD」がCMで使っていた、というのが何とも絶妙。