この1ヶ月近く燃え上がり続けた話題に、一つの決着が付いた。
「法務省は29日、今年度の新司法試験の出題や採点、合否を決定する考査委員の慶応大法科大学院、植村栄治教授(57)について、試験の公正さに疑いを抱かせる行為があったとしても、同日付で解任し、今後も再任はしないと発表した」(2007年6月29日付日本経済新聞夕刊・第22面)
結局、法務省としては、
「問題漏洩(ろうえい)はないと判断する一方、「試験前に考査委員が受験指導すること自体が問題。他の受験生に不公平感を生じさせる」として、解任に踏み切った。」
ということで、まぁ順当な落ち着きどころだろう。
もっとも、“疑惑”を追及していた側の人々の中にも、学校でやっていた答練自体の恩恵は受けていた(渦中の学生であるかどうかにかかわらず)という人も決して少なくないはずで、これからの“余波”のあおりで、めぐりめぐって自分自身が被害を被る、ということもありうるだろう。
元々予備校にちょくちょく顔を出していたような一部の先生を除けば、学生相手の答練に時間を費やすなんてまっぴら、という方も結構多いだろうから、
これまで
「学生の要望や、大学からの見えないプレッシャー」
によって、やむなく答練を開いていた先生方が、これ幸い、とばかりに、試験指導を放棄してしまうことも考えられなくはないのだ*1。
「法務省は全考査委員に対し、同様の練習会を開催していないか調査を開始。委員の選任のあり方についても再検討する。」
この種の国家試験の考査委員なんて、何年もやらないうちに入れ替わるのが普通だから、現に考査委員をやっている先生方に絞って調査したところで、あまり意味はないだろうし、実際の調査もそれに留まるものではないんじゃないのか・・・と思ったりもする。
まぁ、ことガラス棟のある大学に関しては、調査の手がどこまで及んでも決して困ることはないだろうけど・・・*2。