初めての任官。

まるで「初めてのおつかい」のようなタイトルになってしまったが、言わずもがな、新司法試験第1期世代から初の任官、というニュースである。

法務省は25日、司法修習を終えた新任検事計42人に辞令交付した。法科大学院修了後の新司法試験合格者から初めての任官。」(日本経済新聞2007年12月25日付夕刊・第16面)

男性28人、女性14人、年齢層は25-35歳で平均年齢28.1歳。


と、ここまで見る限り、これまでの傾向とあまり変わらないように見えるのだが、最後の一文が気になる。

「旧試験の合格者は9月に71人が任官している。」

ということは、今回の任官者数は旧試験組の約半数強、ということになるのだが、冷静に考えれば、9月に修習を終えた旧試験組と新試験組とでは、大して全体の人数は変わらないはずだから、新試組の方が「狭き門」だったことになる。


何せ過渡期の話だけに、この数字をもって新旧の差がどうのこうの、何て不毛な議論を持ち出す気はないのだが*1、検事を目指して法科大学院に向かった人々にとっては、少々気になる数字なのではないだろうか。


なお、「初物」の役得、というべきか、今年の任官者のうち、異色の(?)バックグラウンドを持つ3名が、異例の記者会見を行ったようである*2


自分は正直言って、組織の枠から飛び出して法曹を目指すような志高い人々が、あえて「組織」の中に再度身を投じようとする心情が理解できないのだが*3、「組織」に入ろうとする動機は人それぞれで、その組織への“共感”だけが動機になるわけでもないから、案外ありうる選択肢なのかもしれない、と思ったりもする。


まぁ、いずれにせよ、「記者会見」なんて大それたイベントが行われなくなって初めて、法科大学院という制度が真に我が国の法曹界に根付いた、といえるのだろう。


その時がいつになるのかは分からないけれど。

*1:おそらく採用計画上の都合で、前半に採用を集中させざるを得ない何らかの事情があったのだろう。いろいろと深いことを考えていそうで実のところ何も考えてない、それが「採用」ってものだ(笑)。

*2:「NIKKEI NET」参照。http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20071225AT1G2503M25122007.html

*3:3名のうちお二人は社会人経験者だと思われる。

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