昔誰かが「思い出の事件を裁く最高裁」なんて洒落た川柳を詠んでいた、と記憶しているが、今回のニュースはまさにそれをも上回る衝撃波である・・・。
何たって、「ロス疑惑」と言えば自分がまだ小学校低学年頃に騒いでいた話で*1、銃撃事件そのものが発生したのは、そこからさらに遡ること3年前。
ということは、実に四半世紀以上も昔の事件で(しかも日本では最高裁まで行って無罪判決が確定している事件で)身柄拘束をしてしまった、ということで、「ロス市警」のこの動きを「英断」と呼ぶか、それとも「人権を蹂躙する暴挙」と呼ぶか、非常に悩ましいところ。
刑罰を課すという行為が各国家の専権事項だ、ってことくらいは筆者自身も理解しているつもりだし、そもそも国内での結末自体が非常に後味の悪いものであったことは、筆者も良く覚えている。
野次馬的メディアや大衆が事件のことを忘れても、決して同じように忘れることはできない人々は必ずいるはずで*2、もし、かの地でこのまま訴追されて有罪評決が出るようなことになれば、心の中で喝采を上げる人がいても不思議ではない。
だが、当時の新米捜査員が「定年までの年月を指折り数えられる」ようになってしまうような長い年月が経過した今、過去を掘り返して「真実」を追い求めることに、果たしてどれほどの意味があるのか*3、疑問なしとはしない。
ちなみに、当の三浦氏には、殴打事件の刑期を終えて“復権”した後、80年代に“疑惑報道”を垂れ流した各メディアを相手取って名誉毀損等の訴訟を提起し、ことごとく勝利した、という輝かしい実績がある*4。
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などという触れ込みで本を出していたりもするようだが、このままの展開で進んでいくと、そんな華麗な経歴もただの笑い話になってしまうのではないか・・・
そう思えてならない。