日本シリーズ第7戦、埼玉西武ライオンズが読売を下して日本一。
予想以上の爽快な逆転劇で、最後の瞬間は「これは凄い」と思わず手を打ったのは良いが、その直後に流れたテロップで「4年ぶり○○回目・・・」と表示されたのを見て、一瞬、「ん?4年前?」と思ってしまった自分は、やっぱり古い世代の人間なのだろう(苦笑)*1。
第6戦、第7戦の継投策は後々まで語り継がれることになるのだろうし、セオリーを度外視した8回の片岡選手のスチールも後々伝説になる可能性が高いのだが、そういった一つひとつの戦略、戦術以上に、「あのような“スクランブル野球”に選手がしっかり応えられるような環境」を1年かけて作り上げてきた、渡辺久信監督以下のチームスタッフの功績がまずは賞賛されるべきだと思う。
一番肝心な場面で、どう見ても一杯一杯の越智投手を続投させざるを得なかった相手チームと比べれば、その差は歴然である。
もっとも、同じ短期決戦でも、一年間率いてきたチームで戦う「短期決戦」と、大会のために集められたオールスターチームで戦う文字通りの短期決戦とでは、指揮官に求められる能力は変わってくるはずだ。
その意味で、今回勝ったとはいえ、渡辺監督がWBCや五輪の指揮官にふさわしい、と断言するのは早計だし、負けたからといって原辰徳監督には資質がない、と決め付けるべきでもない*2。
いずれにせよ、両チームとも持ち味を存分に発揮した「良い日本シリーズ」だったことは間違いないのであって、筆者のみならず、この1週間の間に久々にテレビで野球を見て、独特の間合いが醸しだす面白さに再び気付いた人も多かったことだろう。
来年のWBCと合わせて、これがプロ野球人気復活の起爆剤になるようならなかなか面白いことになるのだが、果たしてどうなのか。
一歩引いた気持ちで眺めていた自分にとっても、興味をそそられる話であるのは間違いない。