去年のホンダ撤退の時は、深刻な不景気の真っ最中、ということもあって若干同情したのだが、今年はどうなんだか。
「トヨタ自動車は4日、自動車レースの最高峰フォーミュラ・ワン(F1)から今年限りで撤退すると発表した。同日都内で記者会見した豊田章男社長は、車両開発費も含め年間数百億円の負担を軽減し「本業に経営資源を集中させる」と語った。」(日本経済新聞2009年11月5日付朝刊・第11面)
世界的に見れば自動車販売は回復基調にあるし、元々「たかだか数百億」が重荷になるような会社ではない*1。
しかも皮肉なことに、この日の同じ日経紙の1面には、「トヨタ、中国に開発拠点」という見出しが堂々と躍っている。
結局、トヨタが撤退した理由はただ一つ。
2002年から莫大なコストをつぎ込んでも一向に「勝てなかったから」ということに尽きる。
それを、業績不振に伴うリストラであるかのように理由を付けて、2012年までエントリーが残っていながら、背中を向けて逃げ出す。しかも、何の前触れもなしに、いきなり突然・・・。
あと何年か経って、中国やインドで空前のF1ブームが起きるようなことがあったら、また適当に理由を付けて、戻ってこようとするのかもしれないが、もうこの会社の車は見たくない。
今は、いち早く需要回復の波に乗ったホンダが、またF1の舞台に帰ってきてくれることを願うのみである。