今年一番、というより、何年かに一度の“記憶に残る”レースになったエリザベス女王杯。
テイエムプリキュアとクィーンスプマンテが大逃げを打つところまでは、先の京都大賞典でも見たお馴染みのパターンだったのだが、今回は最初の3ハロンの入りが36秒0と、京都大賞典の時(34秒6)より1秒4も遅かった。
続く1000mの通過ラップも60秒5と、京都大賞典(59秒1)とは1秒4差だから、このスローペースが意図的に演出されたものだったのは明らかなわけで*1、逃げ馬2頭は第3コーナー過ぎの下り坂も使ってさらに加速。
結果、直線を向いた時には、前の2頭と後続集団の間に絶望的なまでの差が広がっていた、というわけである*2。
元々差し一辺倒のブエナビスタを本気で負かしに行こうとすれば、ある程度後方で待機する作戦を取らざるを得ないことは予想できたわけで、それゆえ、自分は前で競馬ができるリトルアマポーラとかカワカミプリンセスを本線に据えたのだが、現実の競馬はそんな凡人の予想をあざ笑うかのような、馬連10万円、3連単約154万円、という驚愕の結果となってしまった。
馬券はからっきし当たらず、しかも、最後の直線では“どうせ波乱なら”と必死にテイエムプリキュアに声援を送った*3にもかかわらず、もう1頭の方に勝たれてしまう。
そして、一番悔しかったのは、「馬三郎」の土曜版の1面の見出しコラムの、以下のようなコメントを見ていたにもかかわらず、完全にスルーしていたことだろう。
「◎クィーンスプマンテ。「それはないだろ〜」と突っ込まれそうだが、波乱演出の要素は揃っている。」
「各ジョッキーの意識にあるのは、大本命馬ブエナビスタ。「人気薄の2頭はどうせ止まるよ」という意識が働き、追いかける馬はまずいない。これに「ハイペースの逃げ馬」というテイエムのイメージが加われば、離して逃げているのにペースは“楽”・・・いわゆる「差し遅れ」が起こる可能性は極めて高い。」
「テイエムプリキュアをダミーとして、マイペースで気分良く先行したクィーンスプマンテが粘り込む・・・レースが終わった後に、穴馬券の基本を思い出すことになる。」
(妹尾和也/「オルトロスの馬」より)
妹尾記者は、結局ブエナビスタとの組み合わせのワイド馬券(2730円)はもちろん、3連単をクィーンスプマンテ、ブエナビスタ2頭軸のマルチでテイエムプリキュアに流して爆穴的中*4。
自分は元々、データから素直に筋を読んでいく本命→中穴党だし、正直、↑のような予想を当てにして、↑のような馬券の買い方をしていたら、1年の残りの何千というレースでは紙くずを買い続けるだけになってしまう、というのは分かっているのだが、それでも、やっぱりこれだけ綺麗な予想的中の瞬間を目撃すると、羨望の眼差しを向けずにはいられないのである・・・
来週は頑張ろう。うん。