まだ判決文はアップされていないようだが、とりあえず記事になった知財判決を一つご紹介。
「動画投稿サイトに無断でコンサート映像などを配信され著作権を侵害されたとして、日本音楽著作権協会(JASRAC)がサイト運営会社「ジャストオンライン」(東京・中央)に約1億2000万円の損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁の岡本岳裁判長は13日、サイト運営でも著作権侵害とほぼ同等と認定、約8900万円の支払いと関連動画の配信差し止めを命じた。」(日本経済新聞2009年11月14日付朝刊・第38面)
被告会社が運営していたサイト「TVブレイク」が話題となったのは、ちょうど1年前の8月のこと*1。
本ブログでも取り上げた、運営会社側のコメントは、
「サイトは『プロバイダ責任制限法』に基づいて運営している。見解の相違点については裁判で明らかにしていく」
という、この業界におけるコメントとしては、極々常識的なものだったのだが・・・。
(http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080807/1218151253)
記事によれば、
「岡本裁判長は動画の投稿が匿名でできるうえ、運営会社が違法動画を削除する有効な手段を採らず、サイトで広告収入を得ていたことなどを指摘。「運営会社は著作権侵害行為を誘因、拡大させたことにより利益を得ている」としたうえで、同社が侵害行為を直接行っているのとほぼ同じと認定」
したそうであるが、上記判旨(らしきもの)の文字面だけ見るとかなり荒っぽい認定のように思えてならない*2。
「約2万件」の動画が無断掲載される、ということは、それなりの理由があるわけで、その辺を突き詰めて考えていけば、責任を負担させるべき理屈も見えてくるのかもしれないが、判決がそこまで深く掘り下げているのかどうか、は、少なくとも今の段階では明らかではない。
ゆえに、個人的には、もう少し争っても良いかな、と思うところ。今後の展開に注目したいと思う。